忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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中島みゆき、2枚組ベストアルバム「ここにいるよ」発売、他

2020年10月15日 | 瓦版


▼中島みゆき、2枚組ベストアルバム「ここにいるよ」発売

01位:松任谷由実(3135.6万枚)
02位:DREAMS COME TRUE(2983.4万枚)
03位:浜崎あゆみ(2922.4万枚)
04位:宇多田ヒカル(2182.0万枚)
05位:ZARD(1991.9万枚)
06位:安室奈美恵(1868.4万枚)
07位:globe(1564.2万枚)
08位:松田聖子(1450.5万枚)
09位:Every Little Thing(1365.3万枚)
10位:MISIA(1324.9万枚)
11位:マライア・キャリー(1283.2万枚)
12位:中森明菜(1282.1万枚)
13位:中島みゆき(1250.7万枚)
14位:大黒摩季(1107.4万枚)
15位:竹内まりや(1058.7万枚)
16位:TRF(1032.1万)
17位:今井美樹(986.8万枚)
18位:JUDY AND MARY(908.6万枚)
19位:SPEED(852.6万枚)
20位:倖田來未(841.9万枚)

先日放送された女性アーティストの歴代アルバムセールスランキングでも13位に入っていた
日本を代表するシンガーソングライターの中島みゆきが、
12月2日に2枚組ベストアルバム「ここにいるよ」を発売する。
1970年代・80年代・90年代・00年代の4つの年代でシングルチャート1位記録を持つ
国内唯一のソロ・アーティストなど、輝かしい功績を持つ中島だが
セールスや記録は後からついてきたものであり
本人は至ってマイペースに曲を産み落とし続けているように見える。(そして多分当たっている)
シングルになっていない「糸」がこれほどまでに愛されているのも
(「命の別名」のカップリングに収録されたのも「EAST ASIA」発売から6年経ってからだった)
彼女からすれば「あらま棚ぼた、おほほ」ぐらいのものだろう。

<シングル曲をリリース順にカップリングも含めて収録したもの>

1987年「Singles」
1994年「Singles II」
2002年「Singles 2000」
2013年「十二単〜Singles 4〜」

<テーマを決めてそれに沿った楽曲をセレクトしたもの>

1996年「大吟醸」
1998年「大銀幕」
2016年「中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』」
2020年「ここにいるよ」

中島みゆきのベストアルバムには
シングルを発売順に並べた「Singles」シリーズと、
テーマを決めて全アルバム楽曲からセレクトするシリーズの2つのパターンが存在するが
今回発売される「ここにいるよ」は代表曲を多くカバーしつつ
CDごとにテーマをつけているハイブリッド・ベストと言えるだろう。
収録曲は以下の通り。


<Amazon>
12月02日発売■CD+DVD:ここにいるよ Amazon限定メガジャケ付き 初回盤 / 中島みゆき
12月02日発売■CD+DVD:ここにいるよ 初回盤 / 中島みゆき
<楽天ブックス>
12月02日発売■CD+DVD:ここにいるよ 楽天B限定ICカードステッカー付き 初回盤 / 中島みゆき
12月02日発売■CD+DVD:ここにいるよ 初回盤 / 中島みゆき

<エール盤>

01.空と君のあいだに
02.旅人のうた
03.宙船 (そらふね)
04.糸
05.ファイト!
06.ひまわり“SUNWARD”
07.瞬きもせず
08.泣いてもいいんだよ
09.負けんもんね
10.時代
11.ホームにて
12.空がある限り
13.地上の星

2枚のテーマ「エール」「寄り添い」は、どちらも聴き手に手を差し伸べるような
選曲がなされているのだが、手の握り方の強さが若干異なっている。
こちらはぐっと手を握り、時に腕を掴んで明るい方へと導いてくれる選曲。
2枚目は、落ち込んでいる側にそっと座って、何もいわずいつまでも頭を撫ででいるような選曲。

「空と君のあいだに」「旅人のうた」のミリオンヒットに
TOKIOの代表曲になった「宙船」、福山雅治など多くのアーティストがカバーする「ファイト!」、
映画にもなった「糸」、初期の代表曲である「時代」、
「糸」がブームになる前までは中島の非シングルで最も知名度が高く人気も高かった「ホームにて」、
サラリーマンのファンを一気に増やした「地上の星」などを収録。

<寄り添い盤>

01.アザミ嬢のララバイ
02.泣きたい夜に
03.愛だけを残せ (remix)
04.悪女
05.あした
06.タクシードライバー
07.with
08.最後の女神
09.慕情
10.帰省
11.たかが愛
12.風の笛
13.誕生

デビュー曲「アザミ嬢のララバイ」を始めとして、
80年代を代表する「悪女」、「やすらぎの郷」の主題歌になっていた「慕情」、
「愛だけを残せ」「あした」「たかが愛」「誕生」と
こちらにもシングル曲は多数収録されているが
「エール盤」に比べるとセールスやタイアップ数よりもファン人気の高い楽曲が多めに入っている印象。
2曲目の「泣きたい夜に」は、私が昔から折に触れて頼ってきた曲なのだが
まさかベストアルバムに選ばれるとは夢にも思っていなかった。
中島みゆきの全シングルの中でもベスト10に入るほど好きな「誕生」が
ラストというのも、まるで私のために企画されたのかと錯覚するほどのサプライズ。
由紀さおり・安田翔子姉妹に提供した「帰省」や
手話を使って歌う姿が今も記憶に残っている「with」もいい。
ラストの前に入っているのが「風の笛」というのも、
多くの人が亡くなった今年だからこそ選ばれたような気がする。

つらいことをつらいと言わず イヤなことをイヤとは言わず
呑み込んで隠して押さえ込んで 黙って泣く人へ
言いたいことを言えば傷つく 大切な総てが傷つく
だから黙る だから耐える それを誰もが知らない
ならば
言葉に出せない思いのために お前に渡そう風の笛
言葉に出せない思いの代りに ささやかに吹け風の笛(中島みゆき「風の笛」より)


中島みゆきは現在68歳。
今年が最後となる予定だった全国ツアー「結果オーライ」が
新型コロナの感染拡大により中途半端な形で中止になってしまった。
若いアーティスト達のように「また来年リベンジします」と軽くは口に出来ない年齢で
彼女は今、何を考えているのだろう。
先日、6年前に最愛の母親が介護の末に亡くなっていたとの報道が出ていた。
その中には、NHKの朝ドラ「マッサン」の主題歌オファーを受けたのも
介護生活を送る母が楽しみに観ていたのが朝ドラだったというエピソードが書かれていた。
「麦の唄」や「慕情」は、今歌詞を読み返すと中島と母の関係を歌っているようにも読めるのだが
中島の口から真実が明かされることはないだろう。

基本的に中島みゆきという人は、産み落とした曲を「どの子も可愛い私の子」と言いつつ
どこでどのように解釈され広がってゆくかには関与しない。
「吹雪」のように隠喩を込めた曲も多数存在するため、多くの研究本が発売されているが
中島は「私の曲に関しては、これはどういう意味だとか正解はどうだとか、
そういった心配は一切無用です」と語っている。
聞いた人がそれぞれに抱いた感想が全てである、という放任主義を貫いている。
だから最近の私は、「慕情」を亡くなった母親へのメッセージのように聴いている。

生き残る歳月 ひとりで歩けるかな
生き残らない歳月 ひとりで歩けるかな
限りない愚かさ 限りない慕情
もいちど出逢いから もしもあなたと歩きだせるなら
もいちど出逢いから ただあなたに尽くしたい(中島みゆき「慕情」より)


中島がベストアルバムを出すたびに「オールタイムベスト」を出せと言い続けてきた。
今もその気持ちは変わらない。選曲スタッフに混ぜて欲しい。
2枚に収録されたのは何れ劣らぬ名曲ばかりなれど、中島みゆきのほんの一端でしかない。
今回は全国ツアーが中止になったため急遽企画されたものらしい。
これで1曲でも新曲があればと思わずにいられないものの、急ごしらえなら仕方ない。
たむじん(田村仁)がこれまでに撮影した未公開写真を多数掲載した
90ページ超の2冊のブックレットが付くらしいので、それで許すこととする。

発売日である12月2日は、奇しくも松任谷由実のニューアルバムの発売翌日。
1970年代にデビューした二人の天才が、40年以上もライバル関係を維持したまま
トップを走り続けていることに、ただただ脱帽するばかりだ。

中島みゆき「ここにいるよ」は12月2日発売。

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