FIFA女子サッカーワールドカップ2019フランス大会がまもなく開幕。
なでしこジャパンは2019年度2月から4月にかけてのアメリカ遠征と欧州遠征で世界ランキング上位4カ国と対戦。
ワールドカップグループステージで同組のイングランド(ランク3位)そしてホスト国のフランス(ランク4位)に敗れはしたものの、ランク1位のアメリカと2位のドイツに引き分け。ワールドカップでの活躍に期待が持てる結果を出した。ファンにとって楽しみが大きく膨らんだ。
それではなでしこジャパンの試合結果を速報でお伝えします。
2019女子サッカーW杯フランス大会:D組の試合展望
6月9日 イングランド対スコットランド
- 日本時間10日午前1時
- 過去の成績:2013年以降、イングランドの1勝1分
- イングランドの調子がいまいち。引き分けの可能性は低くない
- 引き分け⇒なでしこジャパンD組1位通過の可能性 ↑
6月10日 日本対アルゼンチン
- 日本時間11日午前1時
- 過去の成績:2013年以降対戦なし
- D組2位以上で決勝トーナメントへ進むために得失点差3点以上期待
- 引いて守るアルゼンチンに対しミドルシュートの正確性が問われる
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6月14日 日本対スコットランド
- 日本時間14日午後10時
- 過去の成績:2013年以降対戦なし
- 2019年度共にブラジルに勝っている
- スコットランドの攻撃力はそれ程でない
- ただ、守りは固い
- 1点差以上での勝利を期待
- この試合で決勝トーナメント進出を確定してほしい
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6月19日 日本対イングランド
- 日本時間20日午前4時
- 過去の成績:2013年以降1勝1分1敗
- このところイングランドのパーフォーマンスが不安定
- ニュージーランドやカナダに負けている
- SheBelievesカップのような 0-3になることはないだろう
- 負けても1点差、引き分け以上を期待
- イングランドに勝利してD組1位通過なるか
- 1位通過ならベスト8の可能性大
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2019サッカー女子W杯試合結果:アルゼンチン戦
フォーメーション
- なでしこジャパン 4 - 4 - 2
- アルゼンチン 4 - 5 - 1
スコア 0 ‐ 0
得点者 なし
先発メンバー
- GK 山下
- DFはGKから見て左から 鮫島、南、熊谷、清水
- 中盤の底 杉田、三浦
- 2列目 長谷川、中島
- ツートップ 横山、菅澤
試合経過
前半:日本はボールを支配するがアルゼンチンの早い寄せでボールを失うことも多くフィニッシュまでいけず無得点。アルゼンチンはプレスをかけるため相当走ったので後半は動きも鈍くなりチャンスは増えるだろうが、攻撃オンリーではなく無理に攻めず相手を引き出すことやミドルシュートが必要。
後半:試合の展開は前半と変わらず、必死に守るアルゼンチンに対して局面を打開しようと岩渕や遠藤を投入するものの相変わらず最後の最後で跳ね返され得点に至らず。最も得点のにおいがしたのは交替前の横山のミドルシュートくらい。引き分け狙いで必死に守るアルゼンチンに対して無策のなでしこを酷評するよりもアルゼンチンの奮闘を讃えたい。あれだけ走ったのによくも最後まで体力がもったものだ。アルゼンチン選手の必死に戦う姿を見て2011年当時のなでしこジャパンの姿が頭をよぎった。
スタッツ
アルゼンチン相手に8本は情けない
日本 | アルゼンチン | |
シュート本数 | 8 | 3 |
枠内シュート本数 | 3 | 1 |
寸評
あまりにも情けない結果だったのでネガティブなことばかり並べてしまうが、アルゼンチンで目に付いた点、課題 ただし、次戦までに改善可は〇
プレッシャーを受けると、
- 判断とプレーが遅くなる(周りからの指示がないのかな?)〇
- ミスが多くなる(リーグ戦で激しいプレスが受けるのが少ないから?)パスを受ける側のポジショニングの改善とプレスを受ける前にパス出しやワンタッチプレーを増やせば〇
- ミスを恐れてか?チャレンジ精神が乏しい 〇
- スペースへ走り出す動きが少ない(カバーリングを優先?)〇
若いチームなので、
- アイデアが足りない(取りあえずバックパスしておこう、と言うプレーが目立つ)〇
- フィニッシュまでの組み立てが共有できていない(メンバーが固定されたのが4月だったから時間と実践不足?)〇
- 攻撃のリーダーがいない(自信と気迫を持って指示する選手が見当たらない)
2019サッカー女子W杯フランス大会:スコットランド戦
フォーメーション
- なでしこジャパン 4 - 4 - 2
- スコットランド 4 - 4 - 2
スコア 2 ‐ 1 勝利
得点者 岩淵(23分)ミドルシュート、菅澤(37分)PK
L. Clelland(88分)
先発メンバー
- GK 山下
- DFはGKから見て左から 鮫島、市瀬、熊谷、清水
- 中盤の底 三浦、杉田
- 2列目 遠藤、中島
- ツートップ 岩淵、菅澤
試合経過
前半:アルゼンチン戦引き分けのショックを微塵も出さずはつらつとしたプレーで順調なスタート。押し気味に展開し23分には岩渕の2大会連続となるミドルシュートで先制。さらに36分には菅澤がPKを獲得、自ら落ち着いて決めて2点目。
後半:前半と同様、なでしこが試合を優勢に進める。追加点を取れる機会を何度か逸するなか、スコットランドが徐々に盛り返す。コーナーキックを立て続けに与えるなど危ないシーンもあったなか、88分、不用意な横バスミスから1点を返されるも 2-1 で終了のホイッスル。
スタッツ
シュートの正確性も含めて決定力の課題は残ったまま
日本 | スコットランド | |
シュート本数 | 19 | 12 |
枠内シュート本数 | 7 | 4 |
寸評
まず、W杯初勝利、おめでとう!
アルゼンチン戦後の寸評で課題としてあげた2点について論評。
「プレッシャーを受けると」
- 判断とプレーが遅くなる
- ミスが多くなる
- ミスを恐れてか?チャレンジ精神が乏しい
- スペースへ走り出す動きが少ない(カバーリングを優先?)
これらは全てクリアーされたように見える。確かにデュエルでは負けていないし、ボールを持った相手に対しは数人で囲んで奪取できた。しかし、全体的にスコットランドのプレスはそれほどなかった。それだけスペースがあったので躍動感溢れるプレーができたと感じる。
昨年11月の親善試合、ノルウェー戦と同じ様な試合だった。プレッシャーがある中でも点が取れることを証明したわけではない。
「若いチームなので」
- アイデアが足りない
- フィニッシュまでの組み立てが共有できていない
- 攻撃のリーダーがいない
これについてはスコットランドのプレッシャーが少なかったこともあるが、十分に改善されたと感じた。
特に、攻撃のリーダーと言う面で〇を付けなかったが、岩淵がその空白を埋めてくれた。これで「攻撃のリーダーが必要」と(監督は)分かった?
鮫島も若い選手以上に走りまくったプレーでリーダーシップを発揮した。ただ、遠藤も小林も自分でシュートできる場面や仕掛けて相手のファールを誘うかシュートを狙えばいいのに先輩にパスを出すシーンが散見された。ベテランからの指示があったかどうか分からないが、これはベテランが次戦までに伝えるべき改善点である。
また、危険な芽を摘むなど大活躍した市瀬であったが、最後の最後に熊谷へのパスミスをカットされゴールを許す原因を作ったのは頂けない。一瞬の気の緩みも許されないのがW杯だ。
市瀬が生きた教材を提供してくれたのでこの点をチーム内でディスカッションすることはイングランド戦、その先の決勝Tにおいて極めて重要。
2019サッカー女子W杯試合結果:イングランド戦
フォーメーション
- なでしこジャパン 4 - 4 -2
- イングランド 4 - 5 -1
スコア 0 - 2 負け
得点者 ホワイト、ホワイト
先発メンバー
- GK 山下
- DFはGKから見て左から 鮫島、市瀬、熊谷、清水
- 中盤の底 杉田、中島
- 2列目 遠藤、岩淵
- ツートップ 横山、小林
試合経過
前半:比較的いい立ち上がりのなでしこ、横山の直接FKはGKに好セーブされ得点にならず。徐々にスピードアップしてゲームを組み立て始めたイングランドは12分にホワイトがキーパーの飛び出しをかわしてボールを流し込み先制点。その後もイングランドの猛攻は続くが山下の好セーブなどで追加点を許さず0-1で終了。
後半:軸足を守りに移したイングランドに対して徐々に攻勢をかけるなでしこは再三のチャンスを作るが無得点のまま経過。61分、菅澤を投入してさらにチャンスを作り出す。守り一辺倒のイングランドはParrisを投入して攻撃にスイッチを入れ直し、その直後に追加点。なでしこは度々決定機を作り出すが決めきれず無得点に終わる。 0-2。
スタッツ
シュートの正確性も含めて決定力不足を露呈
日本 | イングランド | |
シュート本数 | 16 | 14 |
枠内シュート本数 | 4 | 6 |
寸評
今回もTop10チームに対して「先制点を許すと勝てない」という過去2年のジンクスを破ることができなかった。後半、軸足を守りに変えたイングランに対して積極的に攻撃を仕掛けたが相変わらずの決定力不足で得点でず。
- 一瞬の判断の遅れで相手に詰め寄られる
- シュートチャンスでもちょっと態勢が悪いとパスを選択
- 相手が詰めよっているのに態勢が整うまでシュートしない
- シュートの精度がもともと低い
などが決定力不足の原因だ。これが現実でありベストを尽くしたと思う。この実力差をしっかり受け止めて自らの成長の糧にしてほしい。
決勝T一回戦 日本、オランダに2-1で敗れる
「オランダ戦:展望とスタメン予想・・・」で詳しく紹介したが、勝利の方程式よりも積極的に入り過ぎたのが悔やまれる。後半は予想通り攻勢に転じたがもう一歩のところで勝ち越せなかったのが非常に残念だ。
前半早い時間帯(17分)にコーナーキックから先制点を与えてしまったが、岩淵からのパスを受けた長谷川が前半終了前(43分)に同点ゴール。
1-1で迎えた後半は攻勢に転じたがたびたびの決定機を決めきれず終盤へ。オランダはわずかなチャンスにPA内でハンドを得てPKを決め、2-1と勝ち越しそのまま終了。
内容では互角(日本:シュート数12(12)、枠内シュート4(5)で( )内はオランダの数字)、後半は互角以上だったが課題の
- 前半失点すると勝てない
- 決定力不足
などで非常に惜しい試合を落としてい待った。試合終了後笑っている若い選手が写っているのを見て、負けても仕方ないと感じたのは私だけでしょうか? 全4試合を通じて一部の若い選手と中堅・ベテラン以上の選手の間に「ワールドカップへのこだわり」に距離感を感じた。 それが最大の敗因かも知れない。
2019女子サッカーワールドカップ2019:D組順位表
順 位 | チーム名 | 勝 点 | 勝 | 分 | 敗 | 得 点 | 失 点 | 得 失 点 |
2 | 日本 | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | 3 | -1 |
1 | イングランド | 9 | 3 | 0 | 0 | 5 | 1 | 4 |
4 | スコットランド | 1 | 0 | 2 | 1 | 5 | 7 | -2 |
3 | アルゼンチン | 2 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | -1 |
2019サッカー女子W杯:なでしこジャパン事前予想
この成績ならD組1位通過間違いなし!
対戦相手 | スコア | 得点 | 失点 | 勝点 |
アルゼンチン | 4-0 | 4 | 3 | |
スコットランド | 2-0 | 2 | 0 | 3 |
イングランド | 1-1 | 1 | 1 | 1 |
合 計 | 7 | 1 | 7 |
期待値:FIFA女子ワールドカップ2019でベスト8以上の成績を十分に期待できる成績
なでしこジャパンの試合日程・放送予定
2019年6月10日 アルゼンチン戦
- 試合開始時間 18:00(日本時間11日午前1:00)
- 試合会場 パリ(Paris)/ Park des Prices
- テレビ放送 6月11日 0:25~3:00 フジテレビ系列
2019年6月14日 スコットランド戦
- 試合開始時間 15:00(日本時間14日午後10:00)
- 試合会場 レンヌ(Rennes)/ Roazhon park
- テレビ放送 6月14日 21:49~0:10 フジテレビ系列
2019年6月19日 イングランド戦
- 試合開始時間 21:00(日本時間20日午前4:00)
- 試合会場 ニース(Nice)/ Stade de Nice
- テレビ放送 6月20日 3:50~6:00 フジテレビ系列
2019サッカー女子W杯:なでしこジャパン代表メンバー
5月10日午後2時発表
GK
- 山下杏也加、池田咲紀子、平尾知佳
DF
- 熊谷紗希、鮫島 彩、三宅 史織、宮川麻都、清水梨紗、南 萌華、市瀬菜々、宇津木瑠美
MF
- 中島依美、長谷川 唯、三浦成美、杉田妃和、籾木結花、坂口夢穂
FW
- 横山久美、岩渕真奈、菅澤優衣香、小林里歌子、遠藤純、植木理子→宝田沙織(植木理子がケガの為)
まとめ
若さと美貌?で際立つなでしこジャパンのワールドカップ試合結果を速報お伝えします。
その若さを武器に快進撃となるか、グループステージの最大の見どころはイングランド戦。この試合に勝利すればD組1位となりベスト8、その先の準決勝や決勝戦も現実味を帯びる。
みんな一丸となって応援しましょう。
羽ばたけ、なでしこジャパン2019!