ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

『冬のソナタ』を読む 「別れの練習」(下p25~49) 4 指輪

2025-03-16 23:12:44 | 評論

『冬のソナタ』を読む

「別れの練習」(下p25~49)

4 指輪

ユジンはサンヒョクと別れたくなる。

ユジンは指輪を外した。そして、それをケースにしまい引き出しの奥に入れた。絶対に許さない、と言うサンヒョクの顔を思い浮かべながら、悲しそうに呟いた。

「サンヒョク、絶対にわたしを許しちゃだめよ……」

(下p36)

 指輪は、捨てたのではない。隠しただけだ。

この後、ユジンはミニョンからネックレスを受け取る。

ユジンは、ドアの隣にある鏡に自分の姿を映した。首には北極星(ポラリス)のネックレスが輝いていた。しばらくネックレスを見つめたユジンは、それを見えないように服の胸もとに入れて、荷造りを続けた。

(下p47)

ネックレスは隠した。捨てたのではない。しかも、「ケース」に入れたのではない。

ユジンはミニョンと、しばらく無言のまま雪の上を歩いた。ミニョンと何度か歩いた道でもあった。

「……わたし、ミニョンさんにごめんなさいって、言うのはやめます」

「……」

ミニョンは無表情のままユジンを見つめていた。

「ミニョンさんはわたしから一番大切なものを持って行ったから……わたしの心のすべてを持っていったから……わたし、謝ったりしません」

(下p48~49)

ミニョンはユジンを抱く。

サンヒョクとの婚約指輪がふたたびはめられたユジンの手が、ミニョンの背中に回される。震える手でミニョンを抱いていたユジン、振り切って駆け去っていく。

(『冬のソナタ 完全版』第10話)

虚飾の指輪だ。

(終)



最新の画像もっと見る