そういえば、先月28日に厚生労働省が精神科への入院を原則1年以内とする方針を決めたと発表していたことをネットで知りました。
よみうりオンラインによるネット記事によると、「入院治療の必要性がない患者を早期に退院させ、地域で暮らせるようにするのが狙い。退院支援に携わる精神保健福祉士らを配置するなどの取り組みを、早ければ来年度から始める。同日開かれた有識者検討会のとりまとめを受けた。国内の精神疾患による入院患者は約33万人(2008年)で、約22万人が1年以上の長期入院だ。10年以上の入院も7万人を超える。統合失調症が多いが、近年は認知症も増えている。入院期間を短縮させるため、発症間際で症状が激しい患者に対応する医師の配置基準を、現在の3倍と一般病院並みに増やす。精神保健福祉士や作業療法士など、退院支援に当たる専門職も置くようにする」 と書かれています。(2012年6月29日07時38分 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120628-OYT1T01247.htm)
今まで高齢者入所施設の管理職として携わってきましたが、7月から精神障害者の生活訓練施設の管理に異動になりました。生活訓練施設利用者の社会復帰のためのモラトリアムは2年間。この施設は精神病院等らの退院者等を一旦受け容れる中間施設としての位置づけになります。私の職場も、社会復帰をさせる使命があります。しかし、一定の期間に全員を地域へと言うのは、現状から考えると難しいところがあります。とはいっても厚労省から方針が示されたからには、精神科病院は必死になるのではないかと考えられます。中間施設である私の職場にも、依頼があろうかと思います。
先週、東北福祉大学で開催されたスクーリングで、「精神保健福祉士」の受験資格を取るために通信教育部に入学した言う方と知り合いました。将来はその資格を活かした仕事をしたいとも言います。厚労省の発表で、今後は精神保健福祉士の活躍の場が多いに増えていくことが期待できそうです。この資格は合格率が60%前後のため簡単に取れるように誤解されていますが。そこそこ難しい。合格率が高いのは、一部の試験科目が免除された社会福祉士が受験するためです。社会福祉士の受験者は高確率で合格していますので、一部の試験科目が免除されない受験生の合格率と中和されてしまうと、60パーセント程度に落ち着いています。このため、一部の試験科目が免除されない受験生の合格率は30%程度ではないかと思います。
合格率の計算は大まかですので、参考程度であると捉えてください。
この資格を活かしていくために今後強く求められることは、精神障害者を地域移行するためのマネジメント力であると思っています。いずれにしても精神障害者の地域移行支援は、社会的課題であり、この課題達成のために精神保健福祉士が活躍する場が今後ますます増えていくことが期待できます。より多くの人がこの資格を取得されることを願ってやみません。