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【八】半世紀を生き延びたカメラの話

2014年11月22日 14時53分15秒 | 【八】フォトサロン『テンシュ』
最近、まとまった『ヒマ』が出来たお陰で、職探しの合間にチョコチョコ遊んでいる店主。
( ̄∀ ̄)


先日、たまに行くリサイクルショップの『ジャンク品』コーナーで、古いカメラをゴソゴソやってたら…
こんなカメラを見つけてしまい、『思わずお買い上げ』してしまった!


コレである。(`▽´)





1960(昭和35)年に初代が発売され、すでに半世紀を超えてるカメラ
【ミノルタ・ユニオマット】であります

どう? 見るからに『古いカメラ感』のプンプンする外観でしょ?(^_^)


何せ、今はなんでもデジタルの時代。『簡単・便利・高機能』真っ盛りである。

フィルムを使うカメラ、しかも半世紀前のシロモノ何ぞ『その真逆』にあるから誰も見向きしない。

だからこそ、お店でも『ジャンク品』扱いで置いている次第なのだが…。

見ると半世紀前のカメラと思えない位、程度が良かった。
【レンズにカビもなく、シャッターも切れ、露出計もしっかり生きている】のである

この状態で1500円なら、言うことナシ。即『お買い上げ』となった次第なのである。
( ̄∀ ̄)



ちょっと専門的な話になるけれども、こういう型を【レンジファインダーカメラ】という。

よく見かける【一眼レフカメラ】がレンズを『通して』見える被写体をファインダーで覗いてピント合わせをする方式。
なのでピントが合ってない時は『ボケ』て見える状態となるワケ。


対する【レンジファインダーカメラ】は、レンズとファインダーが被写体を『別々に』見ている仕組み。
ファインダーの中心部には被写体が『二重』に見える箇所があり、コレをレンズを回して合致させる事でピント合わせをする方式なのであります。





加えてこの頃のカメラは『電池』を使っていない。
当時、電池は高価で且つ性能も低かったからである。

だが、光の状態を測る『露出計』を作動させるには電気が必要。

その為、この頃のカメラには『セレン光電池』と呼ばれる【太陽電池が搭載されている。

光の強弱を電気信号に替え、その電気量に応じて露出計の針が動き、それ見て自分で露出を設定するという仕組み。

今の『何でもやってくれるカメラ』から見ればナンとも面倒くさい仕組みだが、
当時はソレが当たり前なのであった…。


★★
1970年代から徐々に電子化の進んだカメラは、その要求に応じ搭載される機能の『自動化・高機能化』に伴い、
容量の大きな電池を必要とする方式となっていく。

最初は露出を『より正確に測る』ためだけに小さな【ボタン電池】1~2個で十分だったが…。

やがて『自動露出・オートフォーカス・内蔵フラッシュ〓』の搭載により【単3・単4乾電池】を複数本使う仕様になり、
更に『高機能・小型化』の波を受けて【リチウム電池】へと変化していった。

現代のデジタルカメラは大小を問わず、専用の充電池を使うモノが殆どだが…
それ程『全自動化・高機能化』により電力を必要とする様になっているのである。

そう思うと、この半世紀のカメラの発達振りにはただ驚くばかり。

若い頃この業界でお世話になり、今やすっかり『中古』と化した店主もシミジミ実感する昨今なのであった…。


★★★
この『ミノルタ・ユニオマット』も半世紀前は当時、国の最重要政策である
『外貨を獲得する』ため、輸出の花形商品の一翼を担っていた。

【安くて丈夫・写りも良い】を武器に日本製のカメラは世界を席巻。

『Nikon』や『Canon』はもとより様々なメーカーが個性的な商品を次々に開発し発売された。

1964(昭和39)年の東京オリンピックの時
【メイド・イン・ジャパン】のカメラは外国人観光客に飛ぶように売れたという事を
カメラ屋時代の大先輩諸氏からずいぶん聞いたものである。
なんといい時代であったことだろう。


だが、半世紀を経た今日『ミノルタ』というカメラメーカーは無くなってしまった…。


宮崎美子のCMで一世を風靡した一眼レフ【X‐7】や
世界初のオートフォーカス一眼レフ【α-7000】を発売した高い技術力を持ちながらも経営的な問題からカメラ部門をソニーに売却。
ミノルタはカメラ製造を辞めてしまったのである。


そんな歴史も踏まえて見ていると半世紀以上前に生産されたカメラ
『今もキチンと動く』という事実は当時より高い技術を持っていた証であり…

致命的なダメージのない状態で現存してた『この個体』はある意味、
大きく変化した半世紀を潜り抜けた【奇跡のカメラではないだろうか?


人間もカメラも『生き残る』ということが、いかに大変である事だろう。


このカメラを手に入れ、いろいろと調べているうち『ふと』そんな事を感じている店主なのでありました…。


★★★★
先日、フィルムを入れ成田山で試し撮りをしてみた。

『ASA400・24枚撮り』を一本使い、紅葉色付く成田山公園をブラついてアッチで一枚。コッチで一枚。


して結果は…? 正直、驚いた!?(◎o◎)





順光での発色は想像以上に良く、下手なデジカメに引けを取らない

ピントはかなりシャープでクッキリ出ている感じ。満足である
(≧∇≦)





まぁ、今のフィルムに助けられてる部分もあるんだろうけど、極めて出来は優秀。

それとも『久々に』フィルムを入れての撮影だったからか?
カメラの方が『頑張っちゃった』のかも知れませんな~。
(`∇´ゞ


まぁ こんな遊びも楽しいモノであります。


皆さまもご自宅に眠っている古いカメラがありましたら、
たまには引っ張りだして見てはいかがでしょうか?


『新たな発見』があるかも知れませんぞ。( ̄∀ ̄)


最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。m(_ _)m


店主。
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