とべない鳥は
かなしかった
なかまの鳥が おおきく おおきく
雪のような羽をひろげて
高いおそらにとんでいくのを
なきながら ただ なきながら
みおくっていた
「どうしてボクは
とべないんだろう?
ボクは、とりに生まれたのに・・・・。
れんしゅうしたら、とべるかな?
みんなといっしょに とべるかな?」
とりは そのひから
まいにち まいにち
とぶれんしゅうをした
ばたばた ばたばた
羽をうごかす
力いっぱい 水面で
足をかく
「ボクはとぶよ とびたいんだ」
羽は だんだんぬけてきた
足もつかれて
とべないとりは 息もたえだえ
ぐったりとして 水辺に浮かんでいる
ある夜のこと
とべないとりは見た
大きな 大きな
それは大きな月が空に浮かんでいる
とべないとりは 今度こそ
とべる気がして
最後の力をふりきって
とんだ!
「ああ、ああ。
おそらがきれいだ。
とべるって、なんていいきもち。
ボクは ボクは
とっても うれしい!」
とべない鳥は、うれしくて
うれしくて
泣きながら そらを飛んだ
うつくしいつぎの朝
やはり うつくしい太陽が
死んで水面に浮いている
とべない鳥を てらしていた
かなしかった
なかまの鳥が おおきく おおきく
雪のような羽をひろげて
高いおそらにとんでいくのを
なきながら ただ なきながら
みおくっていた
「どうしてボクは
とべないんだろう?
ボクは、とりに生まれたのに・・・・。
れんしゅうしたら、とべるかな?
みんなといっしょに とべるかな?」
とりは そのひから
まいにち まいにち
とぶれんしゅうをした
ばたばた ばたばた
羽をうごかす
力いっぱい 水面で
足をかく
「ボクはとぶよ とびたいんだ」
羽は だんだんぬけてきた
足もつかれて
とべないとりは 息もたえだえ
ぐったりとして 水辺に浮かんでいる
ある夜のこと
とべないとりは見た
大きな 大きな
それは大きな月が空に浮かんでいる
とべないとりは 今度こそ
とべる気がして
最後の力をふりきって
とんだ!
「ああ、ああ。
おそらがきれいだ。
とべるって、なんていいきもち。
ボクは ボクは
とっても うれしい!」
とべない鳥は、うれしくて
うれしくて
泣きながら そらを飛んだ
うつくしいつぎの朝
やはり うつくしい太陽が
死んで水面に浮いている
とべない鳥を てらしていた