教育と臨床心理のおもちゃ箱

歳を重ねるとは経験知が増える。知が統合し、また新たな知恵となる。教育と臨床心理を軸に思いを伝えたい。

諸行無常

2018年01月04日 | 随筆
 帰宅途中の愛車の中で、ふと走行距離が気になった。いつもは燃費がわかるよう、ガソリンを満タンにしてからの距離を表示できる画面にしている。信号で停車した折、オドメーターに切り替えた。すると、「88857」と出た。自宅まで約30キロ。途中で8が揃うぞと期待に胸が躍った。
 数字が揃ったら、路側帯がある所で車を止めて写真を撮ろうと、わくわくしながら車を走らせた。「88880」やがて、見慣れた景色になり、ついに最後の信号を曲がる直前に8が5つ並んだ。
 家までは、残り約500メートル。家に着いてから写真が撮れる。こんな奇跡のようなこともあるのだと思いながら、エンジンを止める前に貴重な記録を残して安堵した。
 しばらくして、買い物を思い出してもう一度車に乗った。距離計を見ると確かに数字は揃っていたが、最初の信号を曲がる前に一の桁は9に変わってしまった。これまでに、何度となく同じような密かな喜びを味わってきたが、今回は年をとったせいか、時の流れのはかなさを感じた。
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