今月、岩田健太郎・宮入烈著『抗菌薬の考え方,使い方』Ver.2(中外医学社、522頁¥4,200)を購入した。12/29(金)新幹線の中で読み始めた。「正しい抗菌薬の使い方は難しい。しかしその難しさがどこにあるのかを知り、その考え方を飲み込んでしまえば、そこにあるのは楽しい知的作業である」という認識から使い方のノウハウを、読みやすい口語調で書かれている。抗菌薬一覧表の中に「塩酸バカンピシリン」の製品名に後発品が先発品のように書かれてあり、併売だった2社の先発品名が書かれていないのが気になった。確かに先発品は現在販売されていないのだが、その旨記載して欲しかった。
目次
抗菌薬一覧
1 日本における抗菌薬使用の問題点
a.投与量が間違っている
b.投与間隔が間違っている
c.投与期間が間違っている
d.必要な抗菌薬が存在しない
e.そのわりには,よけいな抗菌薬が多すぎる
f.抗菌薬の保険適用が不適切である
2 薬理学はヤクニタツ?
3 いよいよ実践編
a.実践その1(外来で)
b.実践その2(入院患者は)
米国の医者をギャフンといわせる方法
4 ペニシリンを知り,使いこなすには
a.すべての基礎はペニシリンにあり
b.ペニシリンの作用とは?
c.ペニシリンの薬理作用
d.おそるべし,ベータラクタマーゼ
e.ペニシリンの分類を試みる
f.ペニシリンGは基本中の基本
g.ペニシリンG点滴
h.筋注用ペニシリン
i.ペニシリン系抗菌薬の副作用
j.アミノペニシリン
k.黄色ブドウ球菌に効くペニシリン
l.緑膿菌に効果のあるペニシリン
m.ベータラクタマーゼに対抗する
[コーヒータイム]“熱病”のすすめ
5 セファロスポリンの正しい使い方
a.セファロスポリンの魔
b.セファロスポリンの基礎
c.黄色ブドウ球菌やレンサ球菌に使えるセファロスポリン(オレセファ)
d.肺炎球菌,尿路感染を狙うセファロスポリン,ハニセファ
e.第3のグループ,セファマイシン,嫌気性菌に効くケセファ
f.第4のセファロスポリン─緑膿菌をたたけ! セファロスポリン最終進化系
g.偽膜性大腸炎の治療
6 血液培養の取り方─血液培養こそすべて
a.いつ取るのか?
b.何セット取るのか?
c.どこからどうやって取るのか?
7 ESBLの問題点
8 スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)
a.ST合剤とは
b.サルファ剤の副作用
c.ST合剤に対する耐性のメカニズム
d.尿路感染
e.呼吸器感染
f.軟部組織感染症
g.ST合剤とHIV感染
h.ウィップル病
i.Wegener肉芽腫症
9 重症感染症におけるエンピリックな治療─そのジレンマ
a.対策その1─エンピリック治療は広げまくれ,後で狭くしろ
b.対策その2─耐性菌のアウトブレイクのために用意する抗菌薬の備蓄を改正しろ
c.対策その3─抗菌薬ローテート制
d.耐性菌を考える
e.提言1─エンピリックな抗菌薬は必要な場合にのみ使う
f.提言2─よくなっている患者さんの抗菌薬を変えることをためらってはいけない
g.提言3─きちんと培養を取る
h.提言4─ヤルナラやる,やらないならやらない,中途半端ではモテません
i.提言5─手を洗おう
j.耐性菌のメカニズム,もう少し
k.提言6─充分な量の抗菌薬を投与すること
10 耐性菌を発見する
a.感受性試験のすすめ
b.サーベイランス
11 投与量にまつわる問題
a.なぜ医師は抗菌薬の投与量を「でっちあげて」しまうのか
b.殺菌性? 静菌性?
c.トレランスとは何か
d.イーグル効果
e.ポストアンティビオティック エフェクト
f.抗菌薬の投与量の原則
[コーヒータイム]シナジー効果について
g.時間依存性と濃度依存性
[コーヒータイム]PK,PDは役に立つ?
h.最小阻止濃度(MIC)に対する,ミックりする,いやびっくりする誤解
12 アミノグリコシド
a.アミノグリコシドの薬理学
b.アミノグリコシドの使い方
c.アミノグリコシドと毒性
[コーヒータイム]抗菌薬の名称について
[コーヒータイム]病原体の名称について
13 キノロン系抗菌薬─フルオロキノロン
a.フルオロキノロンの構造と作用
b.フルオロキノロンの使い方
c.トロバンの栄光と失墜
14 抗結核薬
a.米国のガイドライン
b.ファーストラインの抗結核薬
c.セカンドラインの抗結核薬
[コーヒータイム]レボフロキサシン(クラビット)の乱用に注意!
15 高齢者への抗菌薬
a.吸収
b.腎機能
c.薬の相互作用
d.コンプライアンス
e.副作用
f.肺炎
g.尿路感染症
h.褥創感染
16 抗菌薬と腎臓
17 マクロライド系抗菌薬の問題
a.マクロライド
b.マクロライドの臨床的な使用法
c.クリンダマイシン
d.ケトライド
18 寄生虫の治療薬
a.アメーバ
b.マラリア
c.疥癬
19 その他の抗菌薬
a.バンコマイシン
b.テイコプラニン
c.カルバペネム
d.アズトレオナム
e.テトラサイクリン
f.クロラムフェニコール
g.メトロニダゾール
20 目の感染症の,抗菌薬の使い方
21 HIV感染へのアプローチ
a.抗HIV薬について
b.日和見感染について
22 抗ウイルス薬
a.インフルエンザ薬
b.サイトメガロウイルス治療薬
c.単純ヘルペスウイルス・帯状疱疹ウイルス感染症の薬
23 抗真菌薬
a.アゾール
b.アムホテリシンB
c.エキノカンディン
24 新しいタイプの抗菌薬
a.キヌプリスチン―ダルフォプリスチン
b.リネゾリド
c.ダプトマイシン
d.チゲサイクリン
e.リファキシミン
25 小児抗菌薬の使い方
a.小児と抗菌薬の関係
b.各種抗菌薬の使い方
[コーヒータイム]A群溶連菌咽頭炎についてひとこと
c.抗真菌薬
d.宿主と菌のかわりゆく関係
e.小児エンピリック治療の考え方
参考文献
索 引
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1 日本における抗菌薬使用の問題点
a.投与量が間違っている
b.投与間隔が間違っている
c.投与期間が間違っている
d.必要な抗菌薬が存在しない
e.そのわりには,よけいな抗菌薬が多すぎる
f.抗菌薬の保険適用が不適切である
2 薬理学はヤクニタツ?
3 いよいよ実践編
a.実践その1(外来で)
b.実践その2(入院患者は)
米国の医者をギャフンといわせる方法
4 ペニシリンを知り,使いこなすには
a.すべての基礎はペニシリンにあり
b.ペニシリンの作用とは?
c.ペニシリンの薬理作用
d.おそるべし,ベータラクタマーゼ
e.ペニシリンの分類を試みる
f.ペニシリンGは基本中の基本
g.ペニシリンG点滴
h.筋注用ペニシリン
i.ペニシリン系抗菌薬の副作用
j.アミノペニシリン
k.黄色ブドウ球菌に効くペニシリン
l.緑膿菌に効果のあるペニシリン
m.ベータラクタマーゼに対抗する
[コーヒータイム]“熱病”のすすめ
5 セファロスポリンの正しい使い方
a.セファロスポリンの魔
b.セファロスポリンの基礎
c.黄色ブドウ球菌やレンサ球菌に使えるセファロスポリン(オレセファ)
d.肺炎球菌,尿路感染を狙うセファロスポリン,ハニセファ
e.第3のグループ,セファマイシン,嫌気性菌に効くケセファ
f.第4のセファロスポリン─緑膿菌をたたけ! セファロスポリン最終進化系
g.偽膜性大腸炎の治療
6 血液培養の取り方─血液培養こそすべて
a.いつ取るのか?
b.何セット取るのか?
c.どこからどうやって取るのか?
7 ESBLの問題点
8 スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)
a.ST合剤とは
b.サルファ剤の副作用
c.ST合剤に対する耐性のメカニズム
d.尿路感染
e.呼吸器感染
f.軟部組織感染症
g.ST合剤とHIV感染
h.ウィップル病
i.Wegener肉芽腫症
9 重症感染症におけるエンピリックな治療─そのジレンマ
a.対策その1─エンピリック治療は広げまくれ,後で狭くしろ
b.対策その2─耐性菌のアウトブレイクのために用意する抗菌薬の備蓄を改正しろ
c.対策その3─抗菌薬ローテート制
d.耐性菌を考える
e.提言1─エンピリックな抗菌薬は必要な場合にのみ使う
f.提言2─よくなっている患者さんの抗菌薬を変えることをためらってはいけない
g.提言3─きちんと培養を取る
h.提言4─ヤルナラやる,やらないならやらない,中途半端ではモテません
i.提言5─手を洗おう
j.耐性菌のメカニズム,もう少し
k.提言6─充分な量の抗菌薬を投与すること
10 耐性菌を発見する
a.感受性試験のすすめ
b.サーベイランス
11 投与量にまつわる問題
a.なぜ医師は抗菌薬の投与量を「でっちあげて」しまうのか
b.殺菌性? 静菌性?
c.トレランスとは何か
d.イーグル効果
e.ポストアンティビオティック エフェクト
f.抗菌薬の投与量の原則
[コーヒータイム]シナジー効果について
g.時間依存性と濃度依存性
[コーヒータイム]PK,PDは役に立つ?
h.最小阻止濃度(MIC)に対する,ミックりする,いやびっくりする誤解
12 アミノグリコシド
a.アミノグリコシドの薬理学
b.アミノグリコシドの使い方
c.アミノグリコシドと毒性
[コーヒータイム]抗菌薬の名称について
[コーヒータイム]病原体の名称について
13 キノロン系抗菌薬─フルオロキノロン
a.フルオロキノロンの構造と作用
b.フルオロキノロンの使い方
c.トロバンの栄光と失墜
14 抗結核薬
a.米国のガイドライン
b.ファーストラインの抗結核薬
c.セカンドラインの抗結核薬
[コーヒータイム]レボフロキサシン(クラビット)の乱用に注意!
15 高齢者への抗菌薬
a.吸収
b.腎機能
c.薬の相互作用
d.コンプライアンス
e.副作用
f.肺炎
g.尿路感染症
h.褥創感染
16 抗菌薬と腎臓
17 マクロライド系抗菌薬の問題
a.マクロライド
b.マクロライドの臨床的な使用法
c.クリンダマイシン
d.ケトライド
18 寄生虫の治療薬
a.アメーバ
b.マラリア
c.疥癬
19 その他の抗菌薬
a.バンコマイシン
b.テイコプラニン
c.カルバペネム
d.アズトレオナム
e.テトラサイクリン
f.クロラムフェニコール
g.メトロニダゾール
20 目の感染症の,抗菌薬の使い方
21 HIV感染へのアプローチ
a.抗HIV薬について
b.日和見感染について
22 抗ウイルス薬
a.インフルエンザ薬
b.サイトメガロウイルス治療薬
c.単純ヘルペスウイルス・帯状疱疹ウイルス感染症の薬
23 抗真菌薬
a.アゾール
b.アムホテリシンB
c.エキノカンディン
24 新しいタイプの抗菌薬
a.キヌプリスチン―ダルフォプリスチン
b.リネゾリド
c.ダプトマイシン
d.チゲサイクリン
e.リファキシミン
25 小児抗菌薬の使い方
a.小児と抗菌薬の関係
b.各種抗菌薬の使い方
[コーヒータイム]A群溶連菌咽頭炎についてひとこと
c.抗真菌薬
d.宿主と菌のかわりゆく関係
e.小児エンピリック治療の考え方
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