乗馬教本に載ってるくらい、「疝痛」って有名な馬の「病気」で、これのせいで一晩でコロッと馬が死ぬのも散々見ている。特に初心者に付き合ってくれる、優秀なお馬さん(乗馬をやってる人間は、99.99%が初心者といって過言ではない)がこれで死ぬ、いい馬がどんどん減ってしまう、というのも見てきた。疝痛をなくす方策を何も考えないのかあ、乗馬クラブって、というのに驚きがありましたけどね。動物愛護というか、福祉というか、そこから本当に外れまくってるんだよね。
疝痛=腹痛のこと。というけど、馬の場合、これはもう七転八倒状態になるくらいひどい。で、痛くて死んじゃう、という結果になることもままある。その分類として、1)便秘疝 2)痙攣疝 3)変異疝 というのがあるんだ、とか教わったような・・・・。これはガッコで習ったんでしたっけ?もう忘れてしまった。で、これって、全然「病気」の説明になっていない「病名」なんですよ。
JRAが出している疝痛のPDFに書かれている分類はやや細かい。1)2)3)に加えて4)風気疝というのと5)寄生疝というのと。しかしですね、読んでも全然説明になっていないような気がするので、改めて解説します。
1)便秘疝:これは、麻痺性腸閉塞のこと。腸の蠕動が停止してしまう。その結果「便秘」ということになるから、「便秘疝」とかいうんでしょうね。
2)痙攣疝:腸痙攣。1)とは逆に、蠕動過多になる状態。
3)変異疝:腸捻転・腸重積等、腸がねじくれたり、入れ子になってしまう病態。2)がひどくなるとこれになりやすい。
4)風気疝:ガス性腸閉塞。人間ではよく老人がなる。おなら等々の腸内ガスを排出できず、ガスが腸を閉塞してしまう病態。馬では錯癖のせいで、空気を飲み込む癖を身に着けてしまうと、こいつの危険性が高くなる。
5)寄生疝:寄生虫のせいで起こる疝痛。ちゃんと駆虫しないからこうなる。管理不行き届きの最たるものですね。
にしても、全く理解不能だ。何が言いたいかというと、小動物業界で、こんな病態滅多にお目にかからないから。
こうなるのは、馬の内臓構造が特殊だからだ、とかなんとかまーた馬のせいにしてますけど、そんな馬鹿な。
訳が分からないので、しょうがなく、こんな本を買いました。「Handbook of Equine colic」。もう20年前の本で、情報が古すぎるきらいはあるんですけど、とにかく「疝痛」をちゃんと網羅した実用的な本が読みたかったので。
でも、読むうちにどうもおかしいと思うようになる。なんでこんな事態にそもそもなってしまうのだろうか?
ところで、小動物で「疝痛」を起こす生き物がいるんです。それはウサギ。うわっ!!馬と内臓構造が類似してるじゃないか?そのせいなの?やっぱり?
ウサギは実際馬とよく似ている点が多い。嘔吐ができない、というのもその一つ。うわっそっくりじゃん!やっぱり馬やウサギが特別なの?
そうじゃないんです、実は。ウサギについて、次回解説します。ウサギの疝痛が理解できないと、馬の疝痛は理解できないと思うので。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます