早坂暁著。
「昭和とはどんな眺めぞ花へんろ」と著者が述べている通り昭和という時代について俯瞰的に書いている。
きな臭くなる時代に登場した宰相浜口雄幸と大蔵大臣井上準之助と平成の小泉純一郎と竹中平蔵のとった
政策が瓜二つであることを指摘している。
この伝で行くと安倍と黒田のコンビも似たことをやっている。
政策的に物価を押し上げる。
二年で成し遂げると豪語したがついに誤りを認めた形で一部変更している。
また、作中、昭和を明治の孫としている。
著者は言っていないがとんでもないできそこないの孫ということになるか。
そして、平成も戦こそ起こしていないが、先の小泉-竹中同様、安倍―黒田もろくでもないひ孫の烙印を押されるのだろう。
共産党の議長を務めた宮本顕治も登場してくる。
芥川龍之介がぼんやりした不安の言葉を残して自殺を遂げる。
のちに宮本顕治は彼の文学を「敗北の文学」と論評している。
と、このように国中がきな臭くなっていく過程を松山近郊の風早町の冨屋勧商場から見つめ続ける。