NHK特番。
戦時中民間船舶が徴用された。
戦地への兵員・武器・弾薬の輸送だ。
あるいは日本近海で米軍艦船の監視もさせられた。
最後には漁船員あるいは徴兵検査前の10代の今でいえば中高生までもが駆り出された。
当時の政府が決めた法律にも違反する行為が強引になされた。
そのころ、日本には制空権・制海権も失われていた。
そんな丸腰の中軍船ならいざ知らず民間の商船・旅客船、そして近海で漁業をするための木造船まで
駆り出しての戦争だ。
もはや、狂気の沙汰としか言いようがない。
このことに注目し長年にわたり生存者を訪ねまわり証言をテープに残していた。
もちろんNHKではないが。
多くの命が失われる中生き残ったことにさいなまれ続け家族にさえ一切話さなかったことを
ただ一度の取材に応じて話してくれた。
その後、二度としゃべらないと誓った。
戦争は絶対やってはいけない、と話す生存者、戦死した者の遺族。
ナレーションも戦争の悲惨さを言う。
この時期になると毎年似たような、あるいは新たな記録のもとに番組が作られ放映される。
問題はそのことと現在の政治とが切り離されていることだ。
民法のニュースはやたらCMがはさまるのでほとんど見ない。
いちおうNHKはそのあたりつながっているので大体見ているが「忖度」がある。
肝心のところがカットされる。
安倍内閣が強引に通した「安保法制」の中にも民間船舶の徴用がある。
ほかにも通信関係企業の社員や船員なども政府が必要と判断したときは駆り出される。
そういう仕組みになっている。
戦時中と何も変わらない。
国会でこのような危険な法案が審議されているときマスコミはどういう態度であったか。
後世の歴史的検証に耐えうる態度であったか。
違う、と思う。
過ちを繰り返さぬ、といえるか・・・。