大阪堺市にある百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録された。
地元は盛り上がってホールに詰めかけユネスコ委員会の審査状況を見ている。
登録が決定するや歓呼の声とバンザイだ。
そんなに世界遺産ってありがたいかね。
地域は当然観光客目当ての「温泉まんじゅう」か。
数年前に聞いた話。
ドイツで永年世界遺産となっていた景観。
ところが川に橋がなくて対岸へ行くのに遠回りをしなければならない。
遺産に指定されたころはまだしも、時がたつにつれて生活に不便をきたすようになった。
市当局は橋を架けることにした。
多くの市民も賛成した。
ところがユネスコがまかりならんとクレームを。
世界遺産に何かを足すことも引くこともならんということだ。
そこで市は世界遺産からの削除を選択。
遺産より市民生活を優先した。
実に賢明な判断であろう。
最近、北海道知床についてユネスコから厳しい勧告があったと聞く。
景観が損なわれていると判断したようだ。
指定されていた当時そのままでなければならない、というのが遺産だ。
自然に破壊されるのはどうなのか定かには知らないが。
とにかく、遺産となれば国内外から観光客が来る。
いわゆるミーハーだ。
一度来れば二度とは来ない。
しかもこの古墳は仁徳天皇陵として宮内庁が管理している。
誰もが自由に内部を見ることができない。
たとえ学術的調査であってもだ。