タロット柊

考えること、感じることの記録

31日(土)カップの9「過去の見える水」

2018-03-31 23:04:37 | タロット2018・3月


昔、砂漠の国に不思議なサーカスの一座がありました。

旅から旅へ、いろいろな国に参ります。

サーカスを率いる男は、うわさでは、2000年も生きているのだとか。


さて、このサーカスの一番の出し物は、

過去が見える水。

お客にひとつのカップを選ばせて、

その水を飲ますだけ。


ジャスミンの香りのする水を飲むと、

お客はすとんと夢の中。


目が覚めると、男がにやっと笑っている。

お客はたいてい青ざめて、

なぜ、知っている!と叫ぶとか。


「まだまだありますよ」

「全部、入っているのかい」

「入っていますよ」

「そのカップの水、入れ替えることはできるかね」

「できますよ」

「じゃ、やってくれ」

「いいですけど、だんなの未来が変わりますよ」

「もちろんだ。もっと素晴らしい未来になるように頼むよ」

「分かりました」


男は一番最後のカップを持ち上げると、

砂の上にカップの水をまいた。


それ以来、お客の姿を誰も見ていない。



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