タロット柊

考えること、感じることの記録

22日(金)ソードのクイーン「オンブラ・マイ・フ」

2019-02-22 21:14:54 | タロット2019・2月

 

キャスリーン・バトルのオンブラ・マイ・フを聴く。

 

『 こんな木陰は今までになかった。

 どれよりも優しく、愛らしく、そして心地良い。』

 

そんな意味らしい。

ピアノがゆったりと流れ、

声が生まれる。

声は徐々に広がり、空高く伸びて、どこまでもどこまでも満ちていく。

 

 

石の椅子に座り、ソードをまっすぐに立て、

クイーンは決して揺らがない。

その難しい表情は、見る者を敬遠させるが、

私は彼女を心から尊敬している。

 

彼女は、ソードのクイーンになる前、とても穏やかで、優しくて、いつも笑顔だった。

不思議な力があって、人の思いを空に浮かべることができた。

ある時、

愛する人へ、自分の思いを届けてほしいと頼まれた。

彼女は、遠い国に旅立って行った人に向け、

その人の思いを空に浮かべた。

しばらくして、旅立った人は、亡くなったのだと知った。

なぜなら、受け取られなかった思いは、

いつまでもいつまでも浮かんだままだったからだ。

 

その時、彼女は知った。

空には、届かなかった愛する人への思いや、

受け取ることができなかった人の思いであふれていることを。

 

彼女はそれからクイーンになり、

浮かんだままのたくさんの思いに行き場を与えることを、自らの使命とした。

 

 

まっすぐに立てたソードは、行き場を失った哀しみの思いへの弔い。

掲げた左手は、さまよう愛しさの思いを安らぎへと導く。

 

 

今日も、使いの鳥が、浮かんだままの思いを見つけてくる。

彼女は、真摯にその思いに向き合い、自らの使命を果たす。

 

彼女は、数えきれない愛しさと哀しみを知った人。

その思いを受け止め、休ませ、行き場を与える。

 

オンブラ・マイ・フ。

他のどんな木陰より優しく、愛らしく、心地良い。

ソードのクイーンの愛は、まさにそう。



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