タロット柊

考えること、感じることの記録

インナーガイド

2020-08-25 11:16:21 | インナーガイドとは

2019年5月から、原因不明の病気による闘病生活が始まった。

それから、9カ月を経て難病指定を受けたものの、

医師からは、

「あなたの病気は、まだわれわれも知らない、未知の領域のものでしょう。」

と説明されている。

なので、私自身を含め、全員が手探り状態であり、かつ、世界的に研究が進められている領域の疾患でもある。

 

一体、何の病気なのか分からず、投薬もできず、

日々、体の自由が奪われていく恐怖。

鋼鉄の糸で全身の筋肉を締め付けられているようなこわばり、

頭の先からつま先まで、目の中も口の中も、常に針で刺されるような痛みと痺れ、

24時間、絶え間なく襲うこれらの症状により、

睡眠は10分刻みとなり、もはや拷問というよりなかった。

死の淵を見続けた数カ月。

実際、もう、死を経験したのかもしれない。

 

 

 

診断的治療のため、数日間にわたる投薬を2種類、2カ月にわたって受け、

これでだめなら・・・という最後の投薬治療。

呼吸も苦しく、思考も完全に停止したあの時。

私の中の、ずっとずっと奥底に、

まるで宇宙のように果てしない広がりあった。

その広がりをじっと見ていると、さらにその彼方に、

突然、光が現れた。

その光は強く、美しく、私はそれに向かって手を伸ばさずにはいられなかった。

動かないはずの手を、

何も考えず、ただ伸ばし、

私はそれをつかんだ。

 

 

その次の日から起きた、驚くべき体の回復によって、

首から上と、両手先を動かせるだけの状態であった私は、

2週間後、歩いて退院することになる。

一言で言えば、奇跡というのかもしれないし、

実際、医師たちの驚きは隠しようもなかった。

 

 

私は現在、痛みや痺れ、歩行の不具合などを抱えながらも、

通常の生活を営み、仕事も緩やかに再開している。

もちろん、大量の薬を飲み、その副作用に翻弄されてはいるが、

こうして生きている。

話すことも書くことも、成し得ている。

 

あの時起きたことは、何度思い返しても、

自分の持つ知識では説明できない。

ただ、そうだったと言うしかない。

数え切れないほど繰り返してきた、なぜ、という問いも、

もう私の中にはない。

 

あの光を、今はひとまず『インナーガイド』と呼ぶことにしようと思う。


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