カップの5は、多くの悩みに答えを出せるカードだ。
正位置でも逆位置でも、
結果的に意図するところは変わらない。
一人の人物が、うなだれた様子で倒れたカップを見ている。
明らかにカップには何かが入っていたようで、
それらがこぼれ出ているのが分かる。
そばには川が流れている。
人物の後ろには、倒れていないカップが二つ。
中身は見えない。
では、多くの悩みに対する答えを、
このカードから導き出してみよう。
あなたは、これまで大切にしていたもの、あるいは、築いてきたものを失ってしまった。
それを目の当たりにし、後悔している。
悲しみ、あるいは憤りを感じているかもしれない。
どうしてもそのことが頭から離れず、
もう一度人生を考え直すとか、新しい選択肢を探すとか、
未来への希望が持てないでいる。
けれども、人生は、川の流れのように、決してとどまらない。
カップに入った水をこぼしてしまったら、
もう元には戻せないように、
どれほど強く願おうと、あのときには戻れないのだ。
しかし、この喪失感から立ち直り、再びあなたを未来へと進ませるものが、
あなたの足元にあるの。
つまり、残りのカップだ。
ここに何が入っているのかは分からない。
しかも二つ。
土台無理な話だったのだ。
自分で持てるのは、二つのカップだったのに、
五つのカップを運んできたのだ。
いつかは落とすのではないかと思いながらも、
予感を無視し、両腕に抱え、ここまでやってきたのだ。
つまり、ようやくあなたは、自分にふさわしい在りようになったのだ。
嘆くことはない。
それどころか、これまでよくやったと、
そう自分に言ってやろう。
そして、今度はしっかりとカップを握りしめ、
中身を惜しまず、存分に使うことを考えるのだ。
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ここまでが、正位置のカップの5だろうか。
では、ここからが逆位置のカップの5。
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そう。
自分の力を、存分に発揮する。
前よりもっと集中し、もっと考える。
そうすると、カップの中身は変化する。
使っても使っても、そのたび湧き出てくる。
無限に思えるカップの中身は、あなた自身の可能性だ。
その本当のところが、ようやく自分でも分かり始めたのだ。
大切なのは、カップの数ではなかった。
その中身を、どれだけ豊かにし、生かし切れるかということだったのだ。
もし、また、何かを失ったら、
ここに来よう。
そしてとどまることのない川の流れを見、
残りのものに目を向けよう。
人は、失って初めて自分の本当を知り、
何が大切かを知ることができる。
失うことは確かに悲しいことだ。
でも、
失ってもなお、続く人生に、
カップは必ず用意されている。
そのことに気付いた時、
カップの中身は希望に変化し始める。
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