晩秋の美しさを表す言葉を自分は持っていないと、もうずっと思っている。
今日も、美しい夕暮れの中で、
ただただ、ああ、と、口を開けて感動していた。
すぅっと暮れていく夕方に
短い瞑想をする。
自然は引き締まり、冬の準備をしている。
その空気を感じながら行う晩秋の瞑想は、
手放す瞑想でもある。
春に生まれた小さな躍動が、
のびのびと解き放たれた夏を過ごし、
蓄えの秋を越え、
必要なもの以外は、
全て手放す晩秋を迎えた。
目を閉じたら、
1本の木を想像してほしい。
美しく色づいた葉は、役割を終え、静かに散ってゆく。
そう。
必要なもの以外は持ってゆかれない。
季節は冬になるのだから。
あなたにとって必要なものとは何だろうか。
そして、
厳しい冬を越え、次の春の芽吹きを迎えるために、
あなたが持っていくものとは、何だろうか。
息を吸う。
今、まさに落ちようとする葉は、
ためらっているように見えるだろうか。
それとも、
とても自然に、本当に当たり前のように枝から離れていくだろうか。
息を吐く。
葉の落ちる姿を見届けたら、
ゆっくり目を開ける。
今日もまた一つ。
明日もまた一つ。
全ての葉が落ちたなら、
あなたは、あなたをつくっている、
飾ることのない、真の姿を見ることになる。
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