地政学という学問に近づいたことがなく、ちょっと本屋で、手に取ってみると結構面白そうなので買ってみた。歴史の見方、地理の見方、そして国家の関係について、地政学という視点に立つと非常にわかりやすいことに驚いた。中学生に地理を教えていた経験があるのに、地政学について何も知らなかったことに恥じ入る。「シーパワー」「ランドパワー」「ハートランド」「リムランド」これらの観点から見るだけで、世界史と現在の時事ニュースが非常にわかりやすいものになる。「世界と日本」を説明するのにも楽しい授業がぐっと増えることを確信する。
中学の地理では、ほとんど取り上げられない「南米」について、この本からハッとさせられた部分が多い。何故、ブラジルだけがポルトガル語で、その他の中南米がスペイン語なのか。南米では、人種の混合が進み、メスチーソ(メスチソ)と呼ばれる人種が多く、人種差別が激しくないと参考書に書かれてあったが、じっさいは、ものすごい貧富の差と人種差別が横行している地域であることが分かる。これも単に人種の混合が進んでいるということではなく、歴史的に説明がつくところが納得がいく。
近現代史の説明もばらばらであった歴史の流れが、地図を片手に地政学的に見ていくと大変判りやすい。16世紀のポルトガルとスペイン、17世紀のオランダ、イギリス、18世紀のイギリス。19世紀前半のフランス、ナポレオン19世紀後半の日本、20世紀のドイツ、アメリカ、ロシア、中国。さらに現代の中国対アメリカ、混とんとする中東、今が問題のミャンマーやアフガニスタンなど読むのに飽きない、否、知っておかなければならない知識で満載である。面白くためになる本であった。
<主夫の作る夕食>
シャケの照り焼き作ってみました。長芋とオクラも相性ばっちり!
<想い出の一枚>
プサンにて韓国料理