津軽ジョンがる電源日記

『KOJO TECHNOLOGY』 電源メーカースタッフ日記

電源は電源の塊

2008-06-26 21:33:43 | テクノロジー

こんばんは、ジョンがる隊長です。(>_<)

ここ何日間か、たまにしか登場してなかったけど皆さん元気されてますか!

デブッチョありがとう。

実は別工場に行ってて、殆ど缶詰状態だったんだ。 ギューギュッ。

ようやく開放されたかに思えるが楽観視はできない。

今日は電源の電源について

First cryはご存知のように(交流)電源を作っているわけだが、その電源、実は内部のいたるところに電源が使われているんだ!

最終的な(交流)電源を作るためには、当然コントロール回路が必要で、そのコントロール用電源、それからフルブリッジインバータ(最低IGBT4ヶ)ドライバ用電源、なんやかんやで、あの電源の中には計6個の電源が使われている。

つまり電源の中身は電源だらけなのである。

実はそれら電源もスイッチング方式なんですよ! へぇ~。


高速ダイオード

2008-06-25 18:21:05 | テクノロジー

こんばんは、ジョンがる隊長です。

ここでダイオードについておさらい!

ダイオードはある一方向のみに電気を流すことができ、逆方向に対しては流れない性質を持っている。電気を流すことができる方向に対してよく使われる言葉が、順方向電流、順方向ドロップ電圧(オン電圧)がある。

また、逆方向に対しては、逆電圧(逆耐電圧)、逆電流(漏れ電流)などがある。

ダイオードをスイッチングで使用するときに使われる言葉が、スイッチングスピードで、順方向⇔逆方向の電圧が繰り返し(高速で)行われたときに、その切り替わる速さを指している。

ダイオードにはスイッチングの使用に向くものとそうでないものがある。

ショットキーダイオードも高速向けではあるが、構造上、高耐圧なものが作れないとか、漏れ電流が大きいなどのデメリットも抱えている。(以前のブログの説明の通り)

高速ダイオードにはこの他、ファーストリカバリーダイオードやソフトリカバリーダイオードなどがあり、高速且つ低ノイズ化などの用途向けとして利用されている。ショットキーダイオードに比較し高耐圧なものを作れるが、オン電圧が少し高いデメリットもある。

ファーストリカバリダイオードは、スイッチングの高周波化に向け、とにかく高速を重視して作られる一方、ソフトリカバリダイオードは多少スピードは遅くとも、ノイズ発生を抑えるために急激にリカバリするのではなく、ソフトにリカバリさせるものである。

いずれにせよ、スイッチングによる電源の方式(PWMインバータ含む)は、今後益々の小型軽量、低発熱が望まれ、高周波化がどんどん進んで行くことになる。

First cryの電源にもこういった高速ダイオードがいたるところに使われている。

First cryもがんばるよ!(>_<)


スイッチングの何故    ?

2008-06-22 20:58:06 | テクノロジー

こんばんは、ジョンがる隊長です。

今日はスイッチングの話!

First cryの電源は、すべてPWMインバータ技術(パテント取得)を利用しているわけあだが、そもそもスイッチングとはなんなのだろう。

スイッチングだと何故効率が良いんだろう?どうしてドロッパタイプのアンプ方式だと発熱が多いんだろうの疑問にお答え!

トランジスタを例にとろう、一般にトランジスタはベース(制御)端子、コレクタ(入力)端子、エミッタ(出力)端子の3本足で構成されており、大別すると二つの応用方法があります。

一つはベースに任意の電流を流すことで、コレクタに加えられた電圧や電流をコントロールし、エミッタに増幅された電圧/電流を出力するリニアな領域での利用方法。

一つはべースに、ある一定レベル以上の電流を流すことで、コレクタで塞き止められていた電圧を解除し、一気にOFFからONに移行させエミッタにコレクタ電圧をそのまま出力するスイッチとしての利用方法だ。(>_<)

リニアな領域での応用は、コレクタに欲しい出力電圧以上の高い電圧を印加する必要があり、出力電圧との(電圧)差分と、そのとき流れている電流の積算で電力消費(ロス=発熱)します。

電力消費(ロス)=(コレクタ入力電圧-エミッタ出力電圧)×電流

他方、スイッチとしての応用は、ONのときコレクタに印加された電圧がそのままエミッタに出力され、スイッチ同様(理論的に)そこには抵抗が介在しないことから、電流がたくさん流れても電力消費が無いのです。

このことが、スイッチングの方式が効率の良い最大の理由です。流行のECOなんです。(>_<)

※トランジスタの説明は、わかりやすくするためにごくごく一般的な働きでの説明としています。応用についてはこの限りではありません。


電解コンデンサ(補足)

2008-06-15 22:52:02 | テクノロジー

こんばんは、ジョンがる隊長です。

電解コンデンサは、これまで話してきたように、各種オーディオ装置の入力電源部で、直流平滑のために使われることを多いわけですが、電解コンデンサの特徴として、大容量のものを作りやすいということがあげられます。

商用電源(一般家庭の電源)は、その周波数が50/60Hzと低く、直流に変換するためには大容量のコンデンサが必要となります。

一方、電解コンデンサは高周波に対するインピーダンスが高く、高い周波数成分を吸収するのが苦手です。つまり、高い周波数成分を含むノイズを減衰させることが不得意なんです。

逆を言うと、入力電圧のゆるやかぁ~な電圧変動には対応できるんです。

こんなふうに(入力の)電圧変動に強くするためにコンデンサの容量を大きくしたりします。

電子部品の話をするとインピーダンスという言葉を耳にしますが、今度はこのインピーダンスについて・・・

あっ!そう。トランスもだよね!


アルミ電解コンデンサの寿命

2008-06-10 21:01:25 | テクノロジー

Dsc02222こんばんは、ジョンがる隊長です。

今日はアルミ電解コンデンサ(以下電解コンデンサ)の寿命について・・・。

電解コンデンサは、各種オーディオ機材において、電源部(交流を直流に変換する部位)には欠かせないパーツだ。知っての通り、巨大なアンプ等においてもその役目は重要であり、大容量化や低インピーダンス化が測られている。

電解コンデンサの寿命を決めているのは、実は使用電圧などではなく温度なんです。(もちろん電圧やその他の条件が規定耐量を満たしている上での話です)

また、聞きなれない言葉とは思いますが、電解コンデンサに流れる「リプル電流」もまた、寿命に大きく関っています。しかしながら、このリプル電流なるものも、結果的にコンデンサ内部の温度を上昇させるものであり、やはり温度が寿命を左右する言っていいでしょう。

細部に渡って説明しようとすると、より専門的な用語が出てくるため、あまり深追いしませんが、温度と寿命の間には「アレニウスの法則」が成り立つようで、平たく言うと温度が10℃下がると寿命が2倍伸びるとされ「10℃2倍則」とも言われます。

仮に「105℃2000時間」で規定された電解コンデンサは、内部発熱がなかった場合(ありえませんが・・・)、105℃の使用環境下で2000時間で寿命が来ます。これが95℃になると4000時間、85℃だったら8000時間、65℃では3万2000時間となるわけです。

この環境下で24時間稼動させると、3万2000時間÷24÷365日で3年半強の寿命ということになりますね!

First cry電源は、この点設計段階で10年以上持つように設計しています。これは、各機種とも定格入出力条件(フル負荷)で昼夜連続稼動した場合のもので、良好な使用環境や軽負荷の場合、あるいは使用しないとき休ませたりすることで、電解コンデンサの寿命は飛躍的に伸びます。

※寿命というものをわかりやすくするため単純計算しております。専門家の方は参考にされないで下さい。

また、大概の電子機器に言えることですが、電解コンデンサの故障率は、「バスタブ曲線」(西洋の浴槽の形状に似ていることから)状となっており、使い始めの時期は故障率が高いが、次第に低下し安定期(偶発故障時期)を迎えます。(これは恐らく、エージングが進み音質的にも安定した状態にあることを示していると思います)そして、実際の耐用年数を迎える頃には、磨耗故障時期となり再び故障率が上昇していきます。

■おまけ

上述は、コンデンサの寿命に関し、ある程度長いスパンで見ました。

他方、普段オーディオ機材を使っているとき(短いスパン)の電解コンデンサの振る舞いは、コンデンサに電圧が印加された直後は漏れ電流が多く、数分経つと減っていき安定するようになります。コンデンサメーカでは、この漏れ電流値をデータシート等で表記ましますが、だいたい5分経過後の値だそうです。

他のパーツも含めてですが、オーディオ機器の起動後、20~30分暖機運転した方が良いというのは、この辺からも納得できますね!

■今度は何?

最近、オーディオ機材の入力段(電源周り)のことを話してるけど、今度はもういいかい戻ってトランスについてお話したいと思うよ!(>_<)

喜んでもらえてるかなぁ~!

※オーディオベーシック46号「電源から考える高音質再生(後編)」隊長が載ってるぞ!(>_<)