ピーターパン人間のショービニズムが日常化するには、かなりの年月がかかる。
おかげでまわりの者は、長い間それに気付かない。
その間、多少なりとも心穏やかに暮らせる。
しかも、ある日突然、パッと現われ、そのまま永久に、なんてことはない。
無責任、不安、孤独などの基本症状が重なりあう絶頂期が何歳頃かについては、いろいろ意見があるが、ショービニズムについていえば、二十代初めに現われるというのが妥当な考え方である。
いくつかの理由から、それは21~22歳だと思う。
第一に、21歳を大卒の年、「精神的成人の年」と、社会が公的に認めているからだ。
この年になると、若者は大人らしい振舞いを期待させる。
ところがピーターパン人間の場合には、大人らしい心を身につけていないので、この弱みをカムフラージュする方法が必要になってくる。
そして、その人付き合いが怖い仮面がこのショービニズムなのだ。
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第二に、ピーターパン人間は、人生の苦痛を十分すぎるほど味わっているので、「もうこれ以上はたくさんだ。なんとか逃げ出したい」という気持ちが強い。
そこでショービニズムによって、自分の苦痛を他人のせいにする。
とくにすべての責任は女性の側にあるという態度は、彼らに都合がよいのである。
第三に、ショービニズムに先立つ1,2年前から、すでにナルシシズムが定着している。
この二つは実にしっくりいく。
青年が自分の不安を他人に転嫁し、一度、自分が不安になるかならないかは相手(女性)しだいだという心理状態に陥ると、女は男である自分の思うとおりに従うべきだ、という気持ちがつのる。
この気持ちを満たそうとして、自分の男らしさを異常なまでに主張するようになるわけだ。
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