あの日から80日が経過しました.捜索活動も一段落し,いくらか落ち着いたのでジオ研仲間とともに被災地や崩落現場を巡り山頂付近まで登ってみました.
昨年も何度か三原山を歩きましたが起点は山頂駐車場がほとんどだったのでコースの高低差はせいぜい200m程度でした.
今回はふもとからなので高低差は約500mです.崩落現場を直登した個所もかなりあり,いつもよりハードなトレッキングとなりました.山頂目指してこの高低差を徒歩で登るのはほぼ40年ぶり,途中息が上がってしまい休憩を繰り返しながらようやく目的地に到着しました.
街区の被災地は瓦礫処理がかなり進み広大な更地が広がっていますが,高度が上がるにつれ手付かずの家屋をはじめとした災害の残滓が目に入り始めました.
ご遺体の発見現場と思われる献花のある瓦礫塊や途中出会ったお線香をあげている方の脇では手を合わせながら登りました.
住宅地域を抜け山体の崩落地帯に入ると1338年の溶岩流の露頭がしばしば現れましたが素人判断では溶岩流と噴火堆積物(火山灰)の境界面がそのまま地滑りの境界面となったわけでは無いように感じました.
御神火スカイライン自体は多少路肩のえぐれている個所もありますが総体としては走行可能なように見えます.整備が進めば通行止め解除はさほど遠いことではないように思えました.
午後はもう一つの目的であるカルデラ内でのサクユリの種まきを行いました.
地元の自然愛好会の催しで,かつてはたくさん見られたカルデラ内のサクユリを復活させる活動です.株が減少した原因は花卉として出荷する目的の乱獲と病虫害のようです.環境省の許可を得た区割りに従い各々移植ゴテ持参の会員の方たちと一時間ほどかけて種を植えました.うまく根付けば3年ほどで可憐な白百合が一面に咲くはずです.
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