八丈島へ行って来ました.もちろん出張です. (^^)v
伊豆諸島は別名 「伊豆七島」 と呼称されることがありますが, 実際に一般人が居住している島は現在 9島です.歴史的には12島が有人だったこともあるようです. 「七島」の由来は とある昔,伊豆の島々の数を上司から訪ねられた担当の武士がごく大雑把に七つくらいと答えたため. と言われています.つまり七島にいわれはなくアバウトな島行政担当者が名付け親ということのようです.(^_^;)
八丈島は4回目の訪問ですが,飛行機や船内から当地に降り立ったときに感じることは,「暖かい」です. 我が大島も都内よりはいくぶん寒さが緩やかで,「ジンジン冷え込む」と言った感覚を覚えることはほとんどありませんが,八丈島でははっきりと暖かさを感じ,遠(南)方に来た実感があります.
大島と似たような大きさ,似たような人口ということで,何かと比べてみたくなります. 地勢的な比較はひとまず置くとして,目に付くインフラの違いは玉石垣に代表される島独特の物を積極的に利用していると言うことでしょうか. 写真中にわずかに写っている歩道の敷石は天然の岩盤を平板状に切り出したものです. コレだけで人工の歩道も景色にしんなりと溶け込みます.
傾斜地のまとまった面積の法面には一様にアロエの花壇が設けられ,よう壁にケンチブロックを使用している箇所はほとんど皆無だったと思います.この時期はいたるところでトゲのある葉に似つかわしくないオレンジの可憐な花が見られます.また地場産業として花卉園芸が盛んなのでフェニックス・ロベレニー,ストレチアをはじめとする 南洋の植物が走行中つぎつぎと目に入ってきます. 民情を表すこととしては昨年,ANAの航空便減便提案を町当局が利用者1万人アップキャンペーンを繰り広げて実現し円満に阻止し話題になりました.最近は荒天で足止めされた多くの観光客を無料の炊き出しや八丈太鼓の演奏で楽しませ,リピーター候補者を多数獲得することに成功しています.
こういったことは少数の実力者の音頭とりで実現できることではありません. 地元のためになることなら身銭を切って頑張っちゃおう! という気運が極当たり前に流れているのでしょう.この島では酒席の後など,目と鼻の先への移動でもタクシーを使用する風習があり以前から不思議でした,理由を聞くと単なる贅沢ではなく,お金の回りをよくするためとのこと.このことは経済に対するリテラシーが必要な行動で,これが自然発生的なものだとすれば,八丈島は非常にクレバーな社会だといえます. 天然の観光資源については我が大島も八丈島にひけをとらないものがありますが,かつての離島ブームでより首都圏に近い分,莫大な数の観光客の来島に恵まれた大島の観光業従事者さんの中には,お客さんは天から降ってくるものと待ちの姿勢を決め込んでいる方もいるようです.
ティーンエイジの子をもつ親としては,子どもたちがいったん島を出たら帰りたくても就職口がなく戻れない.といった現実に対するには他人に頼ったり公共事業を持ってくるだけでなく,より良い状況を作り出す努力が欠かせないなぁと感じた旅でした.
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