<特小320Kmの考察>
ー 交信DATA ー
SV2013 2013年7月28日(日) 12時50分~
特定小電力 レジャー1ch 2WAY 出力:10mW
自局:サイタマMS118 長野県南佐久郡川上村金峰山(2599m)
相手局:とうきょうCT73局 東京都八丈町八丈富士(854m)
相互距離:320.9Km(直線距離:カシミール判定)
カシミールで相互間で直線的に測定すると、富士山の東側を通過し、伊豆半島の東側を
通って後は太平洋を一直線に八丈島へと届いているのが分かります。
320Kmのうち、約100Kmは陸地、約220kmは海上を通っています。
カシミールの一発判定では、”見えない”となっており、直線的な見通し距離ではないことが分かります。
富士山の東側標高1400m付近をかすめ、伊豆半島の天城山付近にも当たっています。
特小の電波もアマチュア無線の430MHzと同様に山岳回折をしますので、山岳回折の効果もあったものと思われます。
<エマグラム 八丈島 7/28 AM9時>
<エマグラム 浜松 7/28 AM9時>
八丈島と一番海岸沿いで近いサンプルである浜松のエマグラムのデータを見ると、八丈島では逆転層と呼べるような大きな変化は感じられませんが、浜松では低層~700m付近に逆転層の発生が見受けられます。
このことから海上部分においては、ダクトによるアシストがあった可能性が十分考えられます。
(交信時間に近いサンプルが無いため、実際には状況が変化している可能性があります。)
過去には八丈島から天城高原までは、すでに交信実績(とうきょうCT73局とスギナミAA530局)があります。
これは見通し距離の大部分が海上伝搬による交信です。
天城高原は上述の伊豆半島の東側でちょうど当たっている付近になりますが、金峰山からそこまで到達出来れば、後は伝搬ロスの非常に少ない海上伝搬、そしてダクトによるアシストが期待出来ます。
今回は山岳回折や海上伝搬、そしてダクトのアシストの可能性など、いろいろな要素が合わさって成立したものと言えそうです。
そして今回の考察では、海岸部まで電波が到達出来れば、内陸部から沿岸部までGWで距離を稼ぐことができ、そこからは海上伝搬、そしてダクトの恩恵を受けて、トータルの交信距離をさらに伸ばすことが出来るという結論に達しました。