石槌山と八丈島をターゲットに、さてどこへ行こう。
日の出前には現地で迎撃態勢を作っておく必要があり、移動場所が限定されます。
1.2000m以上の高所であること
2.5時前には運用開始出来ること
そのためには、
・前日のうちに運用場所(もしくはその付近)まで入っておく。
(野営もしくは山小屋泊)
・当日夜明け前から登頂開始する。
(ヘッドライト必須、野獣との遭遇の可能性あり、危険度大)
ということでいろいろ勘案した結果、山梨県甲府市の金峰山へ決定。
土曜日のうちに山頂直下の山小屋へ入り、当日は夜明け前に山小屋を出発して迎撃態勢を取ることにしました。
直前でしたが山小屋も運よく予約が取れました。
このところ午後には天気が崩れるケースが多いので、少し早めに出発し、土曜日の昼過ぎには金峰山山頂へ到着。
とりあえず前哨戦ですがCBでCQを出すと、とうきょうCT73局/八丈島とすんなりQSO成立。
すかさず特小をチャレンジしますが、全く入感なし。
時折小雨も降ってきて天候も悪化してきたので、明日へ持ち越しとなりました。
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15分ほど下ったところに今夜の宿、金峰山小屋があります。
思ったより空いていて、半分少々といったところでしょうか。
金峰山だけなら基本日帰りの山ですからね。
これは無線家にとっては穴場かもしれませんよ。
カーテンで間仕切りもされて、ある程度のパーソナルスペースも確保出来ており快適です。
2人の若い女性が小屋番をされていて、夕食もめちゃくちゃおいしくてボリュームもあり、
ビールをたらふく飲んで就寝しました。
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さて、翌日は4時には宿を後にして、20分程きつい登りを耐えて山頂を目指します。
(朝の登山はめまいがして倒れそうなほどの苦行ですね・・・)
ご来光前には山頂に到着して、さっそくオンエア準備に取り掛かります。
CBのスイッチを入れると、もう5エリアのご本尊を呼ぶ声があちらこちらから聞こえてきます。
しかし肝心のご本尊はというと、
「・・・・・・/3・・・・・・・/5・・・・・」
これだけはRS31程度で一瞬浮き上がって聞こえました。
/3の局が/5を呼んでいたのか(交信中なのか)、/5の局が/3の局を呼んでいたのか(交信中なのか)
いずれかだとは思いますが、これが果たしてご本尊の声なのかどうなのかも分からずでした。
そうこうしているうちに時間だけは刻刻と過ぎ、いつもの違法CBと混信だらけの世界へ葬られることとなりました。
もう1つやり残したことがありました。
八丈島との特小でのチャレンジです。
とうきょうCT73局とは再びCBでも繋がり、そのまま特小へチャレンジを試みましたが、これはいくら耳を大にしても
電波の欠片すら受信できず。
こちらも大変残念ながらQSO成立とはなりませんでした。
同じく八丈島移動のナゴヤYK221局とはCBでQSO成立。
CBのQSOは安泰のようです。
今回は2つの目標を目指して臨みましたが、それはいずれも叶わず、次回へ持ち越しの課題となりました。
困難だからこそ面白い無線がある、これだけは大きな収穫となりました。
考察1
<石槌山 → ← 金峰山>
日の出前後にQSOチャンスがあるのは、ノイズや違法CBとの混信が少ないからというのもありますが、
基本的には対流圏絡みの伝搬であると思います。
ただ、ちょっと疑問なのは高所移動局としか遠距離QSOが出来ていない現実です。
2mのコンテストでは、朝方に1エリア→←4エリアや5エリアあたりとも河川敷からQSO出来るんです。
まあ、パワーとアンテナが違うと言われればそれまでですが、何となく腑に落ちない部分があります。
対流圏の伝搬の恩恵を受けているのは実際200~300Km程度で、あとは高所の見通し距離の分で補完
しているのかなとも思っています。
それと、電波のかけらを拾えたとしてもQSO成立まで持って行くのは結構難しいかも。
まず近距離局との壁。
どうしても近距離局の方が強いため、遠方の局がマスクされてなかなか順番が回らず、そのうちに
コンディションが落ちて交信に至らないケース。
数年前に鳥海山→←北奥千丈ケ岳のQSOの際にも、なかなか1エリアの壁を抜くことが出来ず、やっとの
思いでQSO成立!となってことがあります。
それから、お互いが同じタイミングで送信していたり逆に受信していたりするケースも考えられますね。
FT8のように00/30送信、15/45受信とか、何らかの工夫が必要かもしれません。