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『町長選挙』 奥田英朗

2024年04月18日 20時19分52秒 | ■読書
奥田英朗の連作短篇集『町長選挙』を読みました。
『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』に続き、奥田英朗の作品です。

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満を持して、伊良部シリーズ第3弾登場!

町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。
そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて……なんと引きこもりに!?
泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾!
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2006年(平成18年)に刊行された精神科医・伊良部シリーズの第3作です。

 ■オーナー
 ■アンポンマン
 ■カリスマ稼業
 ■町長選挙

都下の離れ小島に赴任した精神科医の伊良部は、島を二分して争われる町長選挙に巻き込まれてしまう……双方に利用され、嫌気がさした伊良部がなんと引き籠もりに!? 「物事、死人が出なきゃ成功なのだ」 直木賞受賞作『空中ブランコ』から2年、トンデモ精神科医の暴走ぶり健在。

破天荒な精神科医・伊良部一郎が患者たちの問題を奇抜な発言や行動で解決に導くコメディタッチの物語の第3作……今回の患者は、死を怖がる新聞社の会長兼人気プロ野球球団のオーナー、平仮名を忘れてしまったIT企業の社長、アンチエイジングにとりつかれた40代で元・東京歌劇団員の女優、町長選挙に巻き込まれた離島の町に出向中に東京都庁職員 と、今回も一筋縄ではいかぬ人物ばかり、、、

読売新聞の渡辺恒雄(ナベツネ)、ライブドア社長の堀江貴文(ホリエモン)、宝塚歌劇団出身で女優の黒木瞳と、第1話から第3話は相当わかりやすい実在の人物がモデルにされていましたねー 驚きました……でも、その分、リアルな人物を想像しながら愉しめましたね。

これまでのシリーズ作品の中で、イチバン面白かったですねー 愉しめました……最新作『コメンテーター』が昨年刊行されたようなので、機会があれば読んでみたいですね。


以下、主な登場人物です。

伊良部 一郎(いらぶ いちろう)
 伊良部総合病院の神経科医師。
 「カリスマ稼業」の時点で37歳。
 伊良部総合病院は戦前から名門として知られており、病院の裏手で幼稚園も経営している。

マユミ
 伊良部の助手の看護師。
 ミニの白衣を身にまとったスタイルの良い若い女。
 伊良部のことなら大抵知り尽くしている。

田辺 満雄(たなべ みつお)
 「オーナー」主人公。
 78歳。あだ名はナベマン。
 「大日本新聞」の代表取締役会長で、プロ野球球団「東京グレート・パワーズ」のオーナー。
 死への不安を抱いており、棺桶を連想させる暗闇と狭い場所が怖く不眠症に悩まされる。
 神経科の専門医として伊良部を紹介され、受診する。医師会の理事である伊良部の父親とは知り合い。

安保 貴明(あんぽ たかあき)
 「アンポンマン」主人公。
 小太りの体型から、あだ名はアンポンマン。
 東大在学中に、インターネットのホームページ作成サービスの会社「ライブファスト社」を立ち上げ、
 瞬く間に急成長し、IT長者に成り上がった。
 プロ野球チームの買収騒動で一躍有名になり、著書「稼いで悪いか!」がベストセラーとなった。
 文字を書く習慣がないので、平仮名がどんなだったか思い出せず、症状を心配した秘書により神経科を受診する。

白木 カオル(しらき カオル)
 「カリスマ稼業」主人公。
 女優。44歳。元・東京歌劇団員。
 若さと美貌をいつまで維持できるか気に病んでいる。
 カロリーを抑えた食事を取っているが、周りに見栄を張ってつい脂っこいものを食べてしまった時など、一刻も早く消費しなければ落ち着かない。
 付き人の久美はマユミとバンド仲間。

宮崎 良平(みやざき りょうへい)
 「町長選挙」主人公。
 東京都庁職員。
 9カ月前に、離島研修のため伊豆半島沖合の島・千寿島に出向してきた。任期は2年。
 役場の職員は全員二つの派閥にきっぱり分かれており、互いを罵り合う勢力争いに辟易する。
 熾烈な争いを繰り広げる町長選挙が繰り広げられ、両陣営から支持者になるよう迫られる。
 食欲不振と胃痛に悩まされ、島に来た伊良部に相談する。

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