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『ねじれた文字、ねじれた路』 トム・フランクリン(著),伏見威蕃(翻訳)

2024年04月03日 20時17分16秒 | ■読書
アメリカの作家トム・フランクリンの長篇ミステリ小説『ねじれた文字、ねじれた路(原題:Crooked Letter, Crooked Letter)』を読みました。
ここのところミステリ小説はアメリカの作家の作品が続いています。

-----story-------------
デニス・ルヘイン、ジョージ・ペレケーノス、デイヴィッド・ロブレスキー絶賛。
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が贈る感動のミステリ

ホラー小説を愛する内気なラリーと、野球好きで大人びたサイラス。
1970年代末の米南部でふたりの少年が育んだ友情は、あるきっかけで無残に崩れ去る。
それから25年後。
自動車整備士となったラリーは、少女失踪事件に関与したのではないかと周囲に疑われながら、孤独に暮らす。
そして、大学野球で活躍したサイラスは治安官となった。
だが、町で起きた新たな失踪事件が、すべてを変えた。
過去から目を背けて生きてきたふたりの運命は、いやおうなく絡まりあう――。

ロサンゼルス・タイムズ文学賞受賞。MWA賞最優秀長篇賞、ハメット賞、バリー賞、アンソニー賞候補。
英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)にノミネート中の傑作ミステリ。
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2010年(平成22年)に刊行された作品です……小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。

ホラー小説好きの内気な少年ラリー・オットと野球選手になれそうなほど才能ある少年サイラス・ジョーンズ……まったくちがう二人が育んだ確かな友情、、、

が、ある出来事を境に関係は断絶した……25年後、自動車整備士になったラリーは、住人から疎外され、孤独の中で暮らしていた。

そんな時、町の有力者の娘が失踪……ラリーに疑惑の目が向けられ、治安官になったサイラスは事件の捜査に関係していく、、、

かつての友との再会がもたらすその先には……。

25年前に未解決となった少女失踪事件と新たに起きた町の有力者の娘の失踪事件巧みに結びつけ、登場人物たちの複雑な人間関係と心理を深く掘り下げた物語……人種差別や貧困、冤罪といった社会的な問題を背景に、友情や希望、そして再生の可能性が描き出されていました、、、

少年時代の友情、過去から目を背けてきたふたりの運命……ラリーとサイラスの成長過程を丁寧に描写していることに感動しましたねー ミステリとしてのスリルとサスペンスを愉しみつつ、人間の弱さと強さ、そして運命の不思議さ、そして人生の選択や運命について深く考えさせられるヒューマンドラマとしても愉しめる作品でした。

深い満足感を与えてくれ結末も心地良く、好みの作品でしたね。

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