吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

汚染列島氷山の一角「事故米」が示す不作為汚染社会

2008年09月15日 | Weblog
 お米の種類に、事故米というものがあるとは知らなかった。2008年9月5日、知ることになった「三笠フーズ」(大阪市)の事故米不正横流し問題。歴代政府や農水省のいい加減さと不作為の罪状を認識させられた。

 被害100万本を越す焼酎など酒類の回収の間に、中小酒造メーカーや酒販会社が経営破たんしなければいいがと不安視していたのだが、もっともっと深刻な情況が露呈した。病院や特養老人ホームなど約120もの施設の給食用にこの事故米が使われていたのだ。日清医療食という日本で最も大きい医療食の会社が、食事用食材を調達購入販売するにあたって”検査”もしていないのには呆れる。奇しくも今日は敬老の日、お年寄りのお赤飯やおはぎにこの事故米が入らないことを祈る。

 米菓用なども含めると、この汚染事故米は19都道府県(380社)に広がって流通していたが、実はこの問題突然降って湧いたような問題でもないのだ。10年以上も長年にわたり、ノリ原料工業用などと称し事故米を輸入買い付けし売却してきた農水省は、事故米の”事故”の内容確認も、残留農薬の分析検査など食品衛生法を遵守した検査も不十分だったようだ。そうして10年以上も不作為してきた農水省。事故米だろうが、汚染米だろうがそれなりに”洗浄”すれば工業用ノリが食料食用になっても”ヒトが死ぬ”こともあるまいと不作為してきたのだ。

 少々”食用”に回ることがあってもこの10年「とくべつ健康への影響が報告されたりしなかったのだから、ジタバタしていない」(太田農水相、12日TV)のだという。加えて「責任は、一義的には食用に回した企業にある。私どもに責任があると考えているわけではない」と11日テレビ発言したのが、農水省事務次官どのだから開いた口が塞がらない。政府も官僚も、アルツファイマー症候群的不能状態だとも言えるが、これが常態なのかもしれない。

 三笠フーズ(大阪)、浅井(名古屋)、太田産業(愛知)やサン商事(福岡)、辰之巳(大阪)など転用不正流通業者に、その罪を転嫁して済む問題ではない。政府農水省の農政(農政事務所)行政の怠慢や不作為や杜撰が、農業や国民の損失被害を大きくする肥満体官僚ビューロクラシーに起因していることは明らかなのだ。一度、食糧事務所や農政事務所および食管法その他戦後の官僚利権のような体制をご破算にしてリストラクションするのは、いかがだろうか。不作為汚染社会化をこれ以上進めないために。
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