昔出会ったイラン人たちのクリームソーダの飲み方が
ちょっと変わっていたので紹介したいと思います。
以前に書いた記事ゲ ロ 猫と同じ1992年の話です。
季節は6月後半だった思います。
仕事の取引先というのが一番適切なのだろうか
その取引先の人からお茶に誘われた。
その人が最近知り合ったというイラン人のSさんとその友人のTさんと4人で
東京は上野か御徒町の近くの喫茶店に入った。
その人がSさんと知り合ったのは、
(最近トイレの話が多いが)
男性用トイレで隣になった時に目が合い、お互いに感じるものがあったからだそうだ。
その頃は上野駅周辺や上野公園にイランの人たちが大勢立っていた。
その時、私たち日本人は何を頼んだか忘れたが
イラン人の2人はクリームソーダを頼んだ。
クリームソーダが出てきても2人は全く手を付けずに話をしている。
Sさんは日本語も英語も話せるが、Tさんはペルシャ語しか話せない。
片言の日本語でTさんが「ペルシャ語話せますか?」と聞いてきたが
「ノー」と答えるしかなかった。
そんなわけでSさんがTさんの通訳となって話を進めた。
Tさんは先のイラン-イラク戦争に出兵し最前線で戦って来た。
剣、銃、機関銃、手榴弾、あらゆる武器を使って戦い
敵のイラク兵を100人ぐらい殺したそうだ。
クリームソーダそっちのけで
そんな話を武器の説明を含めながら話を続けている。
クリームソーダのアイスクリームは溶けソーダと混ざり合い
薄緑色の細かい泡、白っぽい泡、5㍉から1㌢はある透明な泡が立っている。
泡が溢れそうになった頃
Sさんが話をしながらおもむろにスプーンを取り出し
クリームソーダをかき混ぜはじめた。
Tさんもそれに続く。
大きな泡は消えたが、細かい泡はさらに増え
クリームソーダは全体が薄緑色になった。
そしてまだ飲まずに話を続ける。
もしまた戦争になったら
Tさんはまた招集され戦争に行かなければならない。
Sさんはイラン人であると同時にアメリカ国籍も持っているので
戦争には行かなくてもいいそうだ。
「戦争はノー」だ
Tさんは言う。
そしてようやく2人はストローのみを使って
更に泡立ったクリームソーダを飲み始めた。
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