旅行までの長い前置き（２）

わたしが取ったチケットは、水曜日から金曜日の分だった。
年度末という忙しい時期に三日連続で有給休暇を取るのは憚られるので、
水曜日と木曜日は一日休暇、
金曜日は職場の大掃除があるため午後から休暇を取ることにした。

水曜日の朝、大きな荷物を抱えたわたしに家族が何を持っているのかと聞いてきた。
好きな選手に渡すプレゼントだと答えたら、
「そんなの本人の手に渡るかわからないだろう」とか
「どうせゴミになるだけ」とか散々言われた(　｀皿´)キーッ!!

この日は車で１時間走って隣県のＪＲ駅に行き、
そこから高崎線でさいたま新都心まで移動するコースをとった。
９時ちょっと過ぎに現地に着くと、弱い雨が降ってきた。
こんなところでも雨を呼んでしまうとは（(;´д｀)トホホ…）
入場するとすぐに、プレゼント預かり場所があった。
そこで用意したプレゼントを預けた。
フィギュアの試合では、演技終了後に花やぬいぐるみが投げ込まれることが多い。
わたしの席からリンクサイドまで比較的近いので、
投げようとすればできたのだが、
やはり好きな選手の演技は落ち着いて見たいので、預ける方を選んだ。
（演技が終わって投げ込むためには、終わる前にスタンバイするか、終わると同時に走って移動しなければならないからだ）

わたしが応援していた選手の多くは、残念な結果だった。
それでも、生で演技が見られる喜びは格別であった。
前のシーズン（2012年～2013年）絶不調の極みだったベルネル選手（チェコ）が、この日は会心の演技を見せたのが何よりも嬉しかった。
ついうっかり「こんなに良いトラを見るのは久しぶり」と口走りそうになり、
すんでのところでトラをトマシュと言いかえた。

二日目は、自宅最寄駅から私鉄とJRを乗り継いで行った。
そして、ペアのフリーが終わって女子までの間に、
はるばる墺国から来たFacebookの友だちと会うことができた。
待ち合わせの目印にしたのが、ウィーン大学の売店で買ったショルダーバッグである



彼女は、わたしの好きな選手のお母さまである。
この大会に来たのは息子の応援ではなく、地元紙の特派員ということなので、
仕事の邪魔にならないように長話をしないで席に戻った。