列がのろのろと進み、あんなにポカポカだったのに風が少し肌寒くなる。ステージに近づいた位置だったのか?リハーサルの楽器の音が聞こえた。友人と「楽器だけだよね、まさか本人歌わないよね」と言っていたら、モリッシーの声がした。I wish you lonelyと聞こえた。幻聴か???と思い、列のうしろにいた人に「これ、リハの音です??幻聴??」と確認すると「間違いありません、リハです」と承認してくれた。「私は音楽関係なんで、これはリハーサルです」と頼もしい。話していたら、お友達のツネくんのお友達だったw
でもしばらくして、私はツイッターでも実生活でも「モリッシーの来日公演」の話はしなくなります。詳細は“in a few days” っていいながら、まったくなんの続報もなかったからです。a few って中学で「2、3」って習わなかった??めっちゃ大目に見て1週間、10日間…たってもなーんも言ってこない。信じて裏切られるのがイヤだし、記憶から抹消しなきゃかな、なんて思ってました。
「とても幸せだ。本当に嬉しいんだ。信じられないよ。私は長い間この世界にいるが、もしまだ本当に自分を興奮させる音楽を作ることができるなんて、とても珍しいことだと思う。40年くらいこの世界にいる多くの奴らがこういうことってできないと思う。生きていると、多くの人がそうすることができないと思うんだ。自慢したいわけじゃないけど、ここにきて突然、私の人生にこのアルバム(”Bonfire of teenagers”)が登場した。人がみんないつも『これが一番だね』と言ってくれるけど、このアルバムは実際にそうなんだ。実際に。私は感謝している」
「私にとっては、『Viva Hate』『Bona Drag』『Your Arsenal』『You Are The Quarry』『Ringleader of the Tormentors』『World Peace is None Of Your Business』といった作品と共に音楽キャリアを歩めたことは、この上ない幸せだと思う」
と言っています。えっとサウスポーは~?マルアジャスティッドは~??ロウ・イン・ハイスクールは??あと・・・あ、キル・アンクルは~??←わたしも忘れていた。そんな自分の愛する作品たちからほぼまんべんなく歌われる、今回のライブツアー「40 Years of Morrissey」は単なる「ファンお喜ばせ」ではなく、自分の音楽キャリアへの愛の表明でもあるのでしょう。
パリの朝マックに引き続き、ジェームス・ボンドとかデューク東郷とかにはあり得ない、はりこみしながらバナナ。。。何はともあれ、ここ何?ホッジスって誰?ドロレスって?この歌の歌詞には"My only weakness is a list of crime"ってある。主人公の犯罪の陰にはどんな黒幕がいて、どんな仕組みで殺しが行われるのか、ここからだんだんわかってきます。
というモノローグの後に、「君のそばで死ねるのは、天国みたいな死に方だ」という"There Is a Light That Never Goes Out" が流れるのは、結局言い方悪いですけど、この殺し屋は「凡人」だったということだと思います。海辺の素敵な家でコーヒー淹れてテラス…ですが、このシーンもボンドみたいにグラマラスにおっぱじめたりキザなことはなし。まったり、運命に抗い、安心や、愛、感情に突き動かされる「凡人」であることは決して、悪いことではないんじゃないかというメッセージな気がします。
"There Is a Light That Never Goes Out" が流れて最後キスシーンででも締められたら興ざめだったけどあえて(?)エンドロールにしてくれたのはよかった。
で、今年の傾向を把握したところで今回のライブツアー40 Years of Morrisseyのセトリを見てみます。10月7日から25日までのアメリカ公演11日程分です。
(こちらも黄緑色はスミス曲。Unloveableはイントロとしてさわりだけ)
以下、このセトリからわかった傾向です。
★このツアーで演った27曲中の16曲は、毎回やる
★先ほどの2023全体ではすごく演っていたのに演らない曲がある
Everyday Is Like Sunday I'm Throwing My Arms Around Paris Knockabout World Jim Jim Falls
を演っていないです。でもこれらは定番曲なので今後普通に入れてくるかも?
★注目曲はDarling, I Hug a Pillow
今まで演っていなかったのに、40 Years of Morrisseyで初めて演って毎回セトリに入れています。声が良いどころの騒ぎではないのでぜひナマで聴きたい!!
Morrissey • Darling, I Hug a Pillow @ Hard Rock Live, Hollywood FL 10/08/33
★注目曲その2はWe Hate It When Our Friends Become Successful
毎回は演っていないけれど、2023年他のライブでは1回しか演っていなかったのに結構入れてきているのがWe Hate It When Our Friends Become Successful。10月22日のニューヨークではなんとしょっぱなこれで、イントロはまさかのUnloveable。ほんの一瞬ですが、Unloveableをライブで歌ったのは、これが初めて!こ、これは泣いちゃいますね。なんでも泣くけど。
MORRISSEY UNLOVEABLE/WE HATE IT WHEN OUR FRIENDS BECOME SUCCESSFUL live 10/22/23 United Palace NYC
★「スミスは何やるの!?」という方へ
Girlfriend in a Coma Half a Person How Soon Is Now? Please, Please, Please Let Me Get What I Want Stop Me If You Think You've Heard This One Before
は、かなりの高確率で聴けるかと思います!!
★アンコール含めて19~20曲やる
モリッシーはアンコール含めて19~20曲やるケースが多いので、この16固定曲に対して残り3曲を、
We Hate It When Our Friends Become Successful Our Frank The Night Pop Dropped Notre-Dame Istanbul Sweet and Tender Hooligan Are You Sure Hank Done It This Way (Waylon Jenningsのカバー) I Think I Love You (The Partridge Familyのカバー) They Can't Take That Away From Me (Fred Astaireのカバー) You'll Be Gone (Elvis Presley のカバー) …の中から演ってきた、という傾向が見えます。