“The Queen is dead”のワウワウギターで脳みそ撹拌されたところにあのイントロ…
2曲目は“Suedehead”!!会場の皆さんのシング・アロングは序盤から絶好調。
そんな訳でレポート、先続けます。
まわりの人もわたしも…老若男女、いろんな顔の色のいろんなところから来た人々が
一体になって、ひとつひとつの歌詞をすべて一緒に歌っています。
モリッシーのこのライブですごいなあ、と思ったのは本当にありとあらゆる人種、年代、
性別の観客が来ているということ。小さい女の子(モリッシーTシャツ着用)もいたし
おじいさんもいた(親子連れが多くてほほえましい)。白人も黒人も黄色人種もいた。
物販でわたしの後ろにいた女の子は「パパの誕生日にTシャツを買って行くの。
スミスからモリッシーを教えてくれたのはパパで、今日は本気でうらやましがってた」と
言っていました。普通「往年のスター」のライブの客層って偏ると思うのですが、
この観客の層の厚さはモリッシーが「現役スター」であることの表れだと思います。
“Suedehead”でモリッシーが歌う。
Why do you come here?
…って決まってる!!満場一致であなたに会いに来たんです!!って思って歌っている感。
そんな観客のウェルカムにモリッシーは
“Thank you. You're humankind-ness”
「ありがとう。あなたたちはお優し人間です」
(human kindnessは「人間味」、ですがhumankind「人間」とkindness「優しさ」
を掛けて言っているのかなと解釈w)
と丁寧に謝辞を述べていました。モリッシーは本当に、ファンからの愛や寛容を
「当然だろ」とは思わないところが謙虚…というか基軸がぶれなくて、ある程度の「距離感」
を保っているところがいい意味でよそよそしくていいなあといつも思います。
そして、3曲目は“Staircase at the university”。まわりの少し年配ぽい方々は座ったので、
あまり新譜は聞いていない節もあるのかな、と思いましたw ライブで聞いたらきっともっと
聞いてくれるでしょう~。もちろん聞きこんでいるお客さんは
“Crammin' jammin' pack-em-in rammin(パンッパン)”
とお約束のような手拍子を入れていたのですが、練習もしてないのに
ばっちり。ここからほぼ新譜から押していくのであります。
4曲目は“World Peace is none of your business”、さすが新譜表題作、いきなり座った
方もまた立ち上がり「ワ~ピーシーズノンオブユアビジ~ス♪」と歌い始めていました。
モリッシーにライトが当たっているはずなのに、この歌を歌う時なんてほとんど発光体の
よう…モリッシーが光を発しているみたい。最後の芸達者グスタヴォのコーラスに合わせ、
両手を上に上げ天を仰ぎ、モリッシー自ら手拍子を始め、観客もそれに合わせました。
そして、ひと言言わずには終わらないモリッシー…
“That was a title track from our last CD album,
which was immediately deleted by a very clever record label...”
「これはわたしたちの最新のCDアルバムのタイトル曲です。
とても賢いレコードレーベルによってただちに闇に葬られてしまった
アルバムですが…」
…と嫌味な皮肉たっぷりの紹介をw
このことはメディアでも記事になっていました。
「モリッシー、O2アリーナにおける感動的ギグで、
ハーヴェストレコードをディスる」
(GIGWISE)
待ってましたとばかりにディスりをニュースにされる男www
この歌の終わりにバックドロップが20世紀初頭の詩人、音楽家、批評家、
T・S・エリオットと並んで、20世紀初頭の詩におけるモダニズム運動の中心的人物のひとり
であったエズラ・パウンドに変わりました。彼のマン・レイ撮影(1923)によるこのポートレート
写真は、新しいTシャツにも使われています。
かなりのハンサムですね。