2021.08.08
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
暑い日には学生のころの部活を思い出す、と草野くん。
(この年になっても、そういうことあるなあ。)
中学3年で、「出席率がいい」からという理由で部長になった草野くん。
その後、大学生になって正月に地元の神社に初詣に行ったとき、後輩たちに遭遇。
人込みで、「ブチョー、ブチョー、元気ですか?」と大声で言われて、「メッチャ恥ずかしかった」。
「まだ二十歳そこそこなのに、部長・・・って」
田村氏は子どものころのあだ名が「タンコブ」で、大人になってもそう呼ばれていて、「街で会って『おお、タンコブー』とか言われたら恥ずかしくないのかな」と。
街でフラカンのグレート前川さんを見かけたときは、「グレート!」と呼びかけることを躊躇して、近づいて肩を叩いて、「メッチャ、ビビらせてしまったこともある」そうです。
そういうとき、呼びかけに便利な代名詞が日本語にあればなあ、と。フランス語の「ムッシュ Monsieur」とか「マダム Madame」とか。
(たしかに。以前に屋台のおじさんに「おね~さん」と呼びかけられたけど、「おばさ~ん」はやっぱり避けたんだろうな、とかよけいなことを考えてしまった)
今日は、【ブリッジミュートのズンズンロックで漫遊記】。
ロックギターのテクニックの1つ、「ミュートカッティング」(ミュートしたのとしないのを両方ZO-3で。わかりやすい!)。
「ピックを持つほうの手の月丘(掌の腹の部分)を弦に当ててミュートする」のがミュートカッティングというテクニック。正しくは「ブリッジミュート」と言うそうだ。
「そんなブリッジミュートが印象的なナンバー」で漫遊します!
オンエア曲
01 りありてぃ(スピッツ)
02 Communication Breakdown(Led Zeppelin)
03 Cherry Bomb(The Runaways)
04 Breaking The Chains(Dokken)
05 We Die Young(Alice In Chains)
06 Fever(Bullet For My Valentine)
07 The End Of The Game(Weezer)
08 I'M ON FIRE(44MAGNUM)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「りありてぃ」(2013年、14thアルバム『小さな生き物』)。
草野「スピッツの曲でブリッジミュートでズンズンな曲というのは多いのですが、パッと思い浮かんだのがこの曲でした」
(たしかに多いかも。「けもの道」とかも? 好きなのは「HOLIDAY」の軽やかなカッティング。「りありてぃ」をライブで初めて聴いたのは、「横浜サンセット」のとき? あまりのカッコよさに言葉を失ったなあ。)
最初の曲は、「元祖ブリッジミュートカッティングといえば、これかな」、Led Zeppelinで「Communication Breakdown」(1969年、デビューアルバム『Led Zeppelin』)。
(短くて疾走感あってキャッチーなメロディーで最高に気持ちいいですね~)
ブリッジミュートというと、「ブルースの5、6弦を使ったリフが原型かな」とZO-3で。
「ロックはブルースの影響を受けている、というか、ブルースから生まれた音楽がロックと言っても過言ではないと思うので、そのブルースのリフを使って大ヒットしたナンバーがこの『Communication Breakdown』なんじゃないかなあ」と草野氏は分析する。「かなりブルースっぽくなくなっているけれど」
ジミー・ペイジはブルースの影響を受けている。
そして、「この曲は、その後のハードロック、ヘビーメタルのリフの原型になっているのではないか」と。
それ以前の、ビートルズ、ストーンズ、クリーム、ジミ・ヘンドリクスの曲には、「ブリッジミュートの曲はそんなにないような気がする」。
そして次は、「70年代の」The Runawaysで「Cherry Bomb」(1976年、デビューアルバム『The Runaways』)。
70年代の入ると、「ズンズンロック」サウンドは定番になってくる。「主にハードロックで使われることが多くなります」
ZO-3でリフを弾きながら、Black Sabbathの「Paranoid」とか、Sweetの「Blockbuster」とか。
こんな感じです。Black SabbathとSweet。
BLACK SABBATH - "Paranoid" (Official Video)
Sweet - Blockbuster - Top Of The Pops 25.01.1973 (OFFICIAL)
Runawaysの「Cherry Bomb」のリフを弾きながら、「ズンズンロックの代表的なリフかな。さっき聴いてもらったスピッツの『りありてぃ』にちょっと近いかも」と。
邦題が最初「チェリー・ボンブ」だったのは、ミスなのか、あえてそうしたのかは不明だそうです。
次は、Dokkenの「Breaking The Chains」(1983年、アルバム『Breaking the Chains』)。
80年代に入って、メタル系の「ズンズンロック」の曲が多くなる。
Dokkenの曲もその中のひとつで、「普通にかっこいい曲なのに、MVは時代を感じさせるダサさ。Journeyの『Separate Ways』に匹敵するくらいダサいんだけど、クセになって何回も見てしまう」と。
草野「80年代のダサいメタルのビデオクリップを代表する作品。お暇な方はぜひ見てください」
(お暇なので・・・。演出過多のMVを見てしまおう)
こちらは、Dokken。
Dokken - Breaking the Chains
こちらはJourney。
Journey - Separate Ways (Worlds Apart) (Official Video - 1983)
メッセージコーナー。
静岡で「日本一美味しい梨」を作っているリスナーさんから。
梨とゴーヤと牛乳とプラスαをミキサーに入れてお母さんが作ってくれる謎の「夏バテ防止ジュース」。お味は想像どおりらしいけど、なぜかクセになっているそうです。
「草野さんには、人には勧められないオリジナルレシピがありますか?」
それは、二日酔いのときに作る「超手抜きレシピ」。パスタをゆでて、バターと瓶詰のなめ茸を和えるだけ!(刻み海苔やネギをちらしてもOK)
最近はあまり飲まなくなってしまったので、作らないけれど、「昔は二日酔いパスタのために、瓶詰のなめ茸を何瓶か買い置きしていましたね」。
次は、Alice In Chainsの「We Die Young」(1990年)。
Alice In Chainsはグランジ系のバンド。ミュートカッティングするとたちまちハードロックやメタルの匂いが出てしまうので、パンクやニューウェーブの影響の強いギタリストはあまりミュートカッティングしない。
草野「ニルヴァーナのカート・コバーンさんも、ズンズンよりジャカジャカ(ミュートしない)で弾いているイメージがあります」
スピッツもデビューのころは、たとえば「トンビ飛べなかった」などはミュートしたほうがまとまりがいいかもと思いながら、「かたくなにミュートしなかった」。
「ひ~とりぼっちになった 寂しい夜 大安売り~♪」をミュートカッティングとミュートしていない演奏を2通りやってくれました。
Alice In Chainsのようにパンクとメタルの両方から影響を受けているバンドは、カッコいい感じで普通にミュートカッティングしている。
スピッツも「ハニーハニー」くらいから、「ミュートカッティングするようになっちゃったんですけどね」。
「ハニーハニー 抜けがらの街で~♪」、やってくれました。
メッセージコーナー。
「感情的にならずに、人にじょうずに注意する方法は?」
もともと、「気が弱いんで、人に注意したり怒ったりができない。会社勤めとかしてたら大変だったかな」と草野くん。
(フムフム、そんな感じだな)
そこで、昔のバイト体験から。
草野「メチャメチャ感情的に怒る主任さんや店長さんがいたけれど、そのあとのフォローがあるかどうかで印象が変わる」
怒ったあとで、「こういうわけだったから」というフォローがあれば、納得して「がんばろう」と、草野くんは思えたそうだ。
ステキな音楽に出会うと、興奮しておなかが痛くなってしまう(おなかがふわっと浮くような感覚)、という15歳のリスナーさん。
「そんなふうに、ステキな音楽に出会ったとき、心以外の体の器官が反応したりしますか」
「15歳・・・。すごい感受性ですね。うらやましいです」と。
草野くんも10代のころ、ツボに入るような曲に出会うと胸がドキドキしたりしたことはあったが、最近は「いい曲に出会うと、眠りが浅くなる、そのくらいですかね」と。
15歳のリスナーさんには、「お腹痛くなるのは大変だよね。(いい音楽に出会うことに)慣れたほうがいいのかなあ・・・。でもいい音楽にたくさん出会えるように祈っています」と。
「エンディングで、『音楽には関係ないメッセージ』募集の例文は、誰が考えているの?」
このリスナーさんは、「植木等を『植木など』と読んでいた」がツボだったとか。
収録当日に自分で考えているそうです、「滑ったらどうしようとかも考えずに勢いでやっちゃってますので、軽く流していただけると幸いです・・・って感じですかね。」。期待されると焦っちゃう・・・。
(こういうの、お得意ですよね)
次の曲は、「新しめのメタルバンド」、Bullet For My Valentineの「Fever」(2010年、3rdアルバム『Fever』)。
今世紀に入って、グランジ以降、ブリッジミュートでズンズンロックは広く演奏されるようになったが、「それでもやっぱりメタル系のバンドが多いかな」。
Bullet For My Valentineはイギリス、ウェールズのバンドで、「曲もかっこいいけど、ボーカルのマシューさんのルックスがかっこよくて」人気もあった。「ロン毛時代のマシューさんは、ホント、イカしてます」。
このころになるとミュートカッティングも細かくなって、「ZO-3では再現できません」。
(おお、本当に細かくて腹にズンズン)
そして、ロン毛のマシューさん。
Bullet For My Valentine - 4 Words (To Choke Upon) (Official Video)
最後は、Weezerの「新しいアルバムから」、「The End Of The Game」(2019年、39thシングル/2021年、15thアルバム『Van Weezer』)。
このアルバムは、リヴァース・クオモの「ヘビーメタルへのリスペクト溢れるアルバム」。
もともと、「バンドロゴがヴァン・ヘイレンのオマージュになっていたりして、メタルのルーツを隠さない方」。
バンドロゴです。左がWeezer、右がVan Haren。
草野「この曲も、イントロがポップなメタルっぽいリフ。でも全体を通して聴くと、メタルはあまり感じさせず、まぎれもなく『Weezerやなあ』という仕上がりで、すばらしいです。とってもかわいい曲です」
(シングルリリースのときには聴かなかったので、ニューアルバムの中で普通に聴けて、個人的には結構好きな曲です)
特集の最後に。
草野「ブリッジミュートのカッティングは演奏していて気持ちがいいので(聴いていても気持ちがいい!)、これからもスピッツでは使うと思います」
「オレもテツヤも、メタルはルーツの1つですし」と言ったところで、リフをきかせて「三日月ロック Part 3」でした!
(いい声!)
(今回は、リフをZO-3で嬉々として演奏してくれて、かつてのギター少年はことさらに楽しそうでした)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(「TRABAND」?のイントロで)
今日は、44MAGNUMの「I'M ON FIRE」(1983年、デビューアルバム『DANGER』)。
このコーナーも「ミュートでズンズンロック」なナンバーで。
44MAGNUMは草野くんが高校生のころに人気だったジャパメタバンド。
当時はメタルだけどパンクスからの支持も強かったようだ。
草野少年は、福岡でライブも何回か見たし、「ジミーさんのギタークリニック(福岡のベスト電器)にも行ったことがある」。
でも「ジミーさんがうますぎて、オレ、参考にならなかった記憶がある」そうです(-_-;)。
(スピッツのファンクラブツアーでは毎回、彼らが今までカバーした曲の中から2曲リクエストできるのだが、その中に44MAGNUMの曲も2曲含まれている。その中の1曲をリクエストし続けているけれど、いまだに叶いませぬ。)
そして来週は、「リック・デリンジャーで漫遊記」。
アメリカのロックヒストリーを語るうえで重要な、ギタリストでありボーカリストであり、プロデューサーでもある彼を特集。
不当に評価が低く、「この番組のリスナーの何%の方がご存知でしょうか」というところが、ロック大陸らしい特集!
(知ってますよ。かわいいルックスゆえに・・・。これはダメですね)
「草野さ~ん、カラスに『バカー』と言われちゃいました」
母からのハガキに、パジャマのオーダー。
「だいぶ寒くなってきたので、次回は冬のパジャマをお願いします」
冷房が効きすぎ?と思ったら、そうではなく、室内は快適とのこと。
そろそろ冬かなと想像したらしい。
少し慌てたけれど、それ以外は、細かくパジャマの希望を箇条書きでで示してあったり・・・。
〇色はピンク系とブルー系。
〇地味なのはだめです。あまり派手だと品がないので、適度に。あなたに任せます(実は、これがいちばん厄介)。
〇袖口や裾がゴムなのは嫌です。
〇かぶるのはだめです。
〇ボタンでいいです。(たぶん、ワンタッチテープは嫌だということだと思う)
いつもの母だった。
今度の日曜日、終戦記念日にまた1つ年をとる。
90代は侮れない・・・。