☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『雨月物語』(1953)

2013年08月06日 | 邦画(クラシック)
『雨月物語』(1953)

溝口健二監督、京マチ子さん(若狭)、水戸光子さん(阿浜)、田中絹代さん(宮木)森雅之さん(源十郎)出演。

上田秋成の「雨月物語」九話のうち「蛇性の婬」「浅茅が宿」の二つを採って自由にアレンジした川口松太郎の小説(オール読物)を原型として、川口松太郎、依田義賢が共同脚色した。



【STORY】
大正十一年春。
琵琶湖周辺に荒れくるう羽柴、柴田間の戦火をぬって、北近江の陶工源十郎はつくりためた焼物を捌きに旅に上った。従う眷族のうち妻:宮木と子の源市は戦火を怖れて引返し、義弟の藤兵衛はその女房阿浜をすてて通りかかった羽柴勢にまぎれ入った。
彼は侍分への出世を夢みていたのである。合戦間近の大溝城下で、源十郎はその陶器を数多注文した上臈風の美女にひかれるが…。

【感想レビュー】
とっても素敵でした

モノクロなことも合間って、この世とあの世との境目が曖昧で、幻想的でした


また、賑わいのある通りのシーンなんかは、画面の奥の奥まで人が思い思いに動いていたりと、細かな描写が圧巻でした

これはスクリーンで観たら、もっと凄いんだろうな…と♡

そして田中絹代さんが『西鶴一代女』の時よりも、お声を低く出されていて、全然違ったんです。

気だての良い、強い妻ぶりが素晴らしかったです


西島さんが主演の『真木栗ノ穴』は、よく『現代版:雨月物語』と称されるので、ずっと『雨月物語』観たかったのですが、念願が叶いました

【追記】
音の入り方も素敵でした。

お琴を掻き鳴らしたり、不穏な空気の時に太鼓が遠くで一定の間隔で鳴っていたり…。

笙でしょうか…の音色が素晴らしくて。
普段、平均律のピアノを弾いているので、この微分音程は浮遊しているように感じます。

ますます幻想的に感じます

雅楽の音色にとても癒されました