☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』(2014)

2015年11月08日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』(2014)

監督・脚本:カアン・ミュジデジ/出演:ドアン・イスジ、ムッタリップ・ミュジデジ、チャキル(シーヴァス)
2014年/トルコ・ドイツ合作/97分/1:2.35/DCP/配給:株式会社ヘブンキャンウェイト(ユーロスペースHPより)

【作品概要】
トルコ東部、アナトリア地方。戦いに敗れ瀕死の闘犬シーヴァス。その再生と壮絶な生き様が、少年アスランの幼い眼差しに深く刻まれていく…。

【感想レビュー】@theater
トルコ映画はおそらく初めて観賞したと思います
その土地に住む人々の生活、直面している苦悩、喜び、生き方みたいなものを垣間見ることができる、こういったタイプの映画を観ることが好きです。

剥き出しの土地。埃っぽそうな乾燥した風の音。鶏、家鴨、牛、馬などの家畜たちの鳴き声。大地の荒々しいエネルギーを感じさせます。
そしてそこに小柄な少年。確かにユーロスペースのHP記載の通り、『友だちのうちはどこ?』などと同じ系譜というのに納得でした。

長年飼ってきた馬が使い物にならないから捨ててこいと父に命じられ、少年とその兄が馬を放ちにいくところがある。文句の言えない馬の、しかし濡れた瞳に静かに見つめられている様子に胸が苦しくなる。。
言葉での説明は少ない映画だけど、そういったシーンの積み重ねが、少年の内面の変化と自然に連動していて思わず惹き込まれます。
娯楽の乏しそうな土地。若者達は有り余るエネルギーをどのように発散させているのだろうと思わず考えるが、そこで闘犬の登場なのだ。
闘犬同士で闘うシーンは、もの凄い迫力で、グルルルと鳴く声や揉み合いの音は臨場感たっぷりだった!!
あれは一体どうやって撮ってるのかしらん…。
それにしても、中東圏の映画はこれからも要チェックだなぁと思いました。それぞれの周辺の地域で一体どんな事が起きているのか。民族の多様性を考えると、トルコ映画といっても単純に一括りにはできないのだろうし、色んな民族出身の監督達が、独自の視点で撮った映画をこれからも観たいと思いました