『四川のうた』(2008)
監督:ジャ・ジャンクー
【作品概要】
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した『長江哀歌(エレジー)』のジャ・ジャンクー監督によるセミ・ドキュメンタリー。大地震が起こる直前の中国四川省・成都で再開発のため閉鎖される巨大国営工場「420工場」を舞台に、そこで働いていた労働者たちが語るさまざまなエピソードを通し、中国がたどってきた激動の歴史を浮き彫りにする。文化大革命や自由化政策など、目まぐるしい政治的変動の中でたくましく生き抜いてきた人々の姿が深い感動を誘う。(Yahoo!映画より)
【感想レビュー】
じわりじわりと染み入っていくような映画でした。
「420工場」で生きてきた多くの人たちの想いが、観ているこちらに静かに降り積もっていくような…。
取材で得た素材からイメージを抽出して、数人のプロの役者に演じさせている部分があって、そのパートが印象的です。そこが浮き上がってみえるのものの、実際に工場に関わっていた人達のパートの印象は薄くなるどころか、生々しく迫ってきます。
プロの役者のパートは、俳優が雄弁に台詞を語り、実在の工場関係者達のパートは、動画だけど静止させて、ただカメラのフレームを見る、という数秒止まっているように感じるシーンが差し込まれます。
ただ、黙ってカメラを見る彼らを観ているうちに、彼らの前に、横に、背後に、内に、そこに息づく生身の人間が浮かび上がってくるようで、震えました。
集団主義から個人へ。一人一人の人間が自由に発想し人生を生きていく、その事こそが中国の真の近代化なのだとすれば、過渡期を捉えた素晴らしいドキュメンタリーだと思います。
朝鮮戦争やベトナム戦争の軍需で景気の良かった420工場の繁栄と衰退が象徴的に描かれています。工場の廃墟はコンクリートの塊と化し、取り壊しの音が虚しく響く。。
一方、新しくそこに建設される施設は、かつてそこで何事もなかったかのような、ハイセンスな建物が立ち並ぶのだろうな…。日本もかつてそうであったように。今もそうであるように。。
ドキュメンタリーの手法も興味深く
て、観ることができて良かったです
監督:ジャ・ジャンクー
【作品概要】
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した『長江哀歌(エレジー)』のジャ・ジャンクー監督によるセミ・ドキュメンタリー。大地震が起こる直前の中国四川省・成都で再開発のため閉鎖される巨大国営工場「420工場」を舞台に、そこで働いていた労働者たちが語るさまざまなエピソードを通し、中国がたどってきた激動の歴史を浮き彫りにする。文化大革命や自由化政策など、目まぐるしい政治的変動の中でたくましく生き抜いてきた人々の姿が深い感動を誘う。(Yahoo!映画より)
【感想レビュー】
じわりじわりと染み入っていくような映画でした。
「420工場」で生きてきた多くの人たちの想いが、観ているこちらに静かに降り積もっていくような…。
取材で得た素材からイメージを抽出して、数人のプロの役者に演じさせている部分があって、そのパートが印象的です。そこが浮き上がってみえるのものの、実際に工場に関わっていた人達のパートの印象は薄くなるどころか、生々しく迫ってきます。
プロの役者のパートは、俳優が雄弁に台詞を語り、実在の工場関係者達のパートは、動画だけど静止させて、ただカメラのフレームを見る、という数秒止まっているように感じるシーンが差し込まれます。
ただ、黙ってカメラを見る彼らを観ているうちに、彼らの前に、横に、背後に、内に、そこに息づく生身の人間が浮かび上がってくるようで、震えました。
集団主義から個人へ。一人一人の人間が自由に発想し人生を生きていく、その事こそが中国の真の近代化なのだとすれば、過渡期を捉えた素晴らしいドキュメンタリーだと思います。
朝鮮戦争やベトナム戦争の軍需で景気の良かった420工場の繁栄と衰退が象徴的に描かれています。工場の廃墟はコンクリートの塊と化し、取り壊しの音が虚しく響く。。
一方、新しくそこに建設される施設は、かつてそこで何事もなかったかのような、ハイセンスな建物が立ち並ぶのだろうな…。日本もかつてそうであったように。今もそうであるように。。
ドキュメンタリーの手法も興味深く
て、観ることができて良かったです