『ダゲレオタイプの女』(2016)
監督、脚本:黒沢清
キャスト:タハール・ラヒム(ジャン)、コンスタンス・ルソー(マリー)、オリビエ・グルメ(ステファン)、マチュー・アマルリック(ヴァンサン)、マリック・ジディ(トマ)、バレリ・シビラ(ドゥーニーズ)、ジャック・コラール(ルイ)
【作品概要】
世界最古の写真撮影方法「ダゲレオタイプ」が引き寄せる愛と死を描いたホラーラブストーリー。
【感想レビュー】@theater
ヒューマントラスト有楽町の初日舞台挨拶付き上映に行って参りました
黒沢清監督のお話しを生で聞いてみたいのと、西島秀俊さんがゲストということもあって、このお二人ならではのお話しも楽しみにしていました。
トークのお話しはおいおいに…。
映画はというと、とにかく、とにかく映る背景のすべてが美しく、131分のどこを切り取っても画になるのだろうなぁと思いました。
はて、この感じ今年どこかで…と思い出したのが『ホース・マネー』。
大胆に暗い照明使いや照明自体がそのシーンを大きく作用する要素を担う、そういった点が『ダゲレオタイプの女』と通ずるものがあるなぁと感じました。
ほの暗い室内をサーッと曲線を描くように射す照明は、ボヤけた室内の在りようを照らします。するとその瞬間、妙に生々しくその空間がリアリティを持ち始めて、グっと惹き込まれました。
そういったことはこれまでの作品、また『クリーピー』の照明使いも記憶に新しいですが、今回やはり違うのは、室内のインテリアもお屋敷も街も俳優陣も、映る世界がフランスなので、本当に不思議な感覚でした👀!!
美しいコンスタンス・ルソー
青いドレスに白く細い首が良く映えて…
あの青いドレスが、ゴシック調の美術や照明と、もうこの上なく絶妙だったのですが、女性の幽霊が迫ってくるといえば『叫』の赤いワンピースが真っ先に浮かびますけど、今回は青いドレス👗。“青”、に意味があるのかないのか、気になります
白々しい蛍光灯、無機質なコンクリートの建物のヒビ割れ、半透明のカーテンなどの遮蔽物…などなど、黒沢清作品といえば!なアイテムは今回は控えめ。あ、でも温室や屋敷の玄関などは半透明といえば半透明だったかな…それに当たるのかしらん
細部をもう一度観たいです
そんな中で、柵越しのアングルなどは健在で、印象的でした
階段が印象的に使われていて、映画としてギアが入る瞬間でもあって、すごくテンションが、上がりました
これは、小津安二郎監督の『風の中の牝雞』(1948)をヒントにされたのかなぁと思いました。『黒沢清、21世紀の映画を語る』の著書の中で『風の中の牝雞』のことをお話しされていたこともありますし。ふむ。
現実と異界の境目が朧げだったり狭間を往き来する。そんな不確かで浮遊する時間や空間を体感できる素晴らしさ
それで、黒沢監督といえばスクリーンショットで撮る車中シーンとその車窓の異界ぶりというのが、今作では普通の景色に観えたわけで👀(‼︎)逆に驚いたのですが。。はれ!?と思い至った考えは、現実と異界の境界線が、もう既に曖昧だったから、あえてそのままの景色にされたのかしら…というもの。
ドレスの色とともに、どこかの媒体で明らかにならないかしら、もうなっているのかしら、と悶々としております。
観る前はインタビュー記事など、情報を遮断していたのでチェックはこれからです
それにしても。
やはり、撮影地が違うと色んな変化があったり、でももちろん黒沢監督作品の香りもしたりで、楽しかったです
男女のベッドシーンとか、黒沢監督は気恥ずかしくなっちゃうからと避けがちなはずが、今回は俳優陣の提案で取り入れることになったらしいし👀
チュッチュチュッチュ💋 キスもかなりしていますし。でもやっぱりそれがフランスなら普通だろうと観ているこっちも思うし、やはり文化や習慣で変わるよなぁと思いました。
照明、美術、俳優陣とも、現実と異界の狭間を自由に往き来きして、誘われるようにスクリーンに惹き込まれました。
【初日舞台挨拶の覚書き】
監督だけ日本人だったけど、優秀な通訳のおかげできちんと伝わったこと。
日本の撮影だと曖昧な表現をしがちで、フランスでもまぁそんな風に話したものの、通訳の方が端的に伝えてしまうので、逆にスタッフ陣はテキパキ動いてくれていたという…
日本での撮影では…の監督のお話しの時に、西島さんが笑いながら『飲んでもいいし飲まなくてもいい、みたいな』のような感じで仰っていて監督と俳優の枠を超えたお二人の間柄が感じられてほのぼのしました
また思い出したら書きたいと思います
監督、脚本:黒沢清
キャスト:タハール・ラヒム(ジャン)、コンスタンス・ルソー(マリー)、オリビエ・グルメ(ステファン)、マチュー・アマルリック(ヴァンサン)、マリック・ジディ(トマ)、バレリ・シビラ(ドゥーニーズ)、ジャック・コラール(ルイ)
【作品概要】
世界最古の写真撮影方法「ダゲレオタイプ」が引き寄せる愛と死を描いたホラーラブストーリー。
【感想レビュー】@theater
ヒューマントラスト有楽町の初日舞台挨拶付き上映に行って参りました
黒沢清監督のお話しを生で聞いてみたいのと、西島秀俊さんがゲストということもあって、このお二人ならではのお話しも楽しみにしていました。
トークのお話しはおいおいに…。
映画はというと、とにかく、とにかく映る背景のすべてが美しく、131分のどこを切り取っても画になるのだろうなぁと思いました。
はて、この感じ今年どこかで…と思い出したのが『ホース・マネー』。
大胆に暗い照明使いや照明自体がそのシーンを大きく作用する要素を担う、そういった点が『ダゲレオタイプの女』と通ずるものがあるなぁと感じました。
ほの暗い室内をサーッと曲線を描くように射す照明は、ボヤけた室内の在りようを照らします。するとその瞬間、妙に生々しくその空間がリアリティを持ち始めて、グっと惹き込まれました。
そういったことはこれまでの作品、また『クリーピー』の照明使いも記憶に新しいですが、今回やはり違うのは、室内のインテリアもお屋敷も街も俳優陣も、映る世界がフランスなので、本当に不思議な感覚でした👀!!
美しいコンスタンス・ルソー
青いドレスに白く細い首が良く映えて…
あの青いドレスが、ゴシック調の美術や照明と、もうこの上なく絶妙だったのですが、女性の幽霊が迫ってくるといえば『叫』の赤いワンピースが真っ先に浮かびますけど、今回は青いドレス👗。“青”、に意味があるのかないのか、気になります
白々しい蛍光灯、無機質なコンクリートの建物のヒビ割れ、半透明のカーテンなどの遮蔽物…などなど、黒沢清作品といえば!なアイテムは今回は控えめ。あ、でも温室や屋敷の玄関などは半透明といえば半透明だったかな…それに当たるのかしらん
細部をもう一度観たいです
そんな中で、柵越しのアングルなどは健在で、印象的でした
階段が印象的に使われていて、映画としてギアが入る瞬間でもあって、すごくテンションが、上がりました
これは、小津安二郎監督の『風の中の牝雞』(1948)をヒントにされたのかなぁと思いました。『黒沢清、21世紀の映画を語る』の著書の中で『風の中の牝雞』のことをお話しされていたこともありますし。ふむ。
現実と異界の境目が朧げだったり狭間を往き来する。そんな不確かで浮遊する時間や空間を体感できる素晴らしさ
それで、黒沢監督といえばスクリーンショットで撮る車中シーンとその車窓の異界ぶりというのが、今作では普通の景色に観えたわけで👀(‼︎)逆に驚いたのですが。。はれ!?と思い至った考えは、現実と異界の境界線が、もう既に曖昧だったから、あえてそのままの景色にされたのかしら…というもの。
ドレスの色とともに、どこかの媒体で明らかにならないかしら、もうなっているのかしら、と悶々としております。
観る前はインタビュー記事など、情報を遮断していたのでチェックはこれからです
それにしても。
やはり、撮影地が違うと色んな変化があったり、でももちろん黒沢監督作品の香りもしたりで、楽しかったです
男女のベッドシーンとか、黒沢監督は気恥ずかしくなっちゃうからと避けがちなはずが、今回は俳優陣の提案で取り入れることになったらしいし👀
チュッチュチュッチュ💋 キスもかなりしていますし。でもやっぱりそれがフランスなら普通だろうと観ているこっちも思うし、やはり文化や習慣で変わるよなぁと思いました。
照明、美術、俳優陣とも、現実と異界の狭間を自由に往き来きして、誘われるようにスクリーンに惹き込まれました。
【初日舞台挨拶の覚書き】
監督だけ日本人だったけど、優秀な通訳のおかげできちんと伝わったこと。
日本の撮影だと曖昧な表現をしがちで、フランスでもまぁそんな風に話したものの、通訳の方が端的に伝えてしまうので、逆にスタッフ陣はテキパキ動いてくれていたという…
日本での撮影では…の監督のお話しの時に、西島さんが笑いながら『飲んでもいいし飲まなくてもいい、みたいな』のような感じで仰っていて監督と俳優の枠を超えたお二人の間柄が感じられてほのぼのしました
また思い出したら書きたいと思います