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■コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え! ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18

2022-03-01 04:25:26 | 日記

 


■コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え!

ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18

https://hbol.jp/pc/236695/


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・一律現金給付の効果で、GDP押し上げ・失業率低下


新型コロナウイルス感染拡大で、リーマンショック時をはるかに超える大きな打撃を受けている日本経済。


厚労省によれば、2020年1月から2021年1月6日までの失業者数は8万人を超えたとのこと。

さらに、1月8日に発令された2度目の緊急事態宣言で経済の落ち込みは深刻化し、失業数が増えることが危惧されている。


こうした中、2020年2月から何度も政府に対して国民全員への現金給付を求めてきたのが、「日本経済復活の会」会長で、日本ベーシックインカム学会理事の小野盛司氏だ。

同氏は国内で最も歴史が長く信頼性の高い経済シミュレーションツール「日経NEEDS 日本経済モデル」を用い、政府が国民への現金給付を行った場合の経済予測を行っている。


小野氏は「少なくとも日本経済が完全に復活するまで、政府支出で毎月10万円、国民全員に現金給付を行うべきです」と強調する。

「給付が行われなければ、落ち込んだ日本経済は復活しません。もし給付が行われたら、GDPが押し上げられて失業率も低下します」と訴えている。


現金給付の額が多ければ多いほど、日本経済の回復は早くなる

日経NEEDSを用いた経済予測・分析による政策提言を2002年より行い続けてきた小野氏。


コロナ禍を受けて、同氏は「現金給付こそが日本経済の復活のカギである」と、その主張を著書『毎年120万円を配れば日本が幸せになる』(扶桑社)にまとめた。


「政府からの1人あたりの年間給付額を、40万円(月3.3万円)、80万円(月6.6万円)、120万円(10万円)と、パターンごとにシミュレーションを行いました。その結果は劇的なものでした。2020年の10~12月から給付したと仮定した場合、年40万円のケースでも約1年後の2022年の1~3月には、日本の名目GDPはコロナ以前の日本の名目GDP(約550兆円)まで回復します。年80万円のケースならさらに早く、2021年の4月~6月か7月~9月頃には、コロナ以前の水準まで戻ります。つまり、給付額が多ければ多いほど日本経済の回復は早くなるのです」(小野氏)

 

・給付が行われなかった場合、経済の落ち込みは長期間にわたる


一方、給付が行われなかった場合、コロナ禍による経済の落ち込みは長期間にわたるという。

「コロナ以前の水準には、今後2年経っても、つまり2023年の1~3月になっても戻らず、日本経済は低迷し続けます」(小野氏)。


失業対策としても、給付金は効果的だ。

個人消費が伸び経済が活性化することによって求人が増えるからである。


「シミュレーションによれば、2021年の1~3月の失業率は3.8%。給付なしの場合では、2年後の2023年1~3月でも失業率は3.4%と深刻です。これに対し、1人あたり年間80万円給付の場合には、2023年の1~3月には、失業率は2.52%まで低下するとの結果を得ています。


 年間120万円の場合は、2022年10~12月以降は日経NEEDSでも計算不能ですが、少なくとも給付1年で失業率が大幅に低下することは確実です」(小野氏)

 

・企業にお金をばらまくよりも、個人に直接ばらまいたほうが効果的


「政府が広く給付金を各個人に配るべき」という小野氏の提案に対して「財源はどうするのか」という指摘は当然あるだろう。


日本政府として財政健全化を目指す中で、特に財務官僚やその影響を受けた政治家やメディアは「ばらまき」に対して批判的だ。

だが、前掲の書籍『毎年120万円を配れば日本が幸せになる』の共著者である井上智洋・駒澤大学経済学部准教授は「実は、企業に対する『ばらまき』はこれまでも行われ続けてきたのですよね」と指摘する。


「日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、ETF(上場投資信託)を大量に買い入れ、株価をつり上げるということがこの間、ずっと行われているのです」(井上氏)

つまり、政府と日銀は公的資金を用いて日本株を「爆買い」して、支え続けてきたということなのである。


特に日銀の年間ETFの買い入れ限度額は拡大され続け、12兆円にも達している。

企業や株主にばらまくのがOKなら、国民全体に直接ばらまいて生活を支えてもいいのでは?


「日銀などのETF買いを全面否定はしませんが、『生活を守る』という点においては、政府が人々へ給付を行ったほうが有効なのではないかと思います。財源は国債を発行すれば良いでしょう。大量に発行された国債を、いったん民間銀行を介しつつ最終的には日銀が引き受けるということも、この間行われ続けていますから」(井上氏)


コロナ禍は「100年に1度の経済危機」と言われたリーマンショックの倍以上の経済的な損失を日本経済にもたらしていると言われる。

それならば政府としての対策も、それに相応する思い切ったものであるべきだろう。


小野氏や井上氏が求めている国民への継続的な定額給付を、緊急に検討することが必要なのではないか。

 

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コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え!
ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18
https://hbol.jp/pc/236695/

 

 

 

 

 


■“働く貧困層”に届かない「10万円給付」効果は?(2021年11月14日)

?11月14日『サンデーステーション』より[テレ朝news]

https://www.youtube.com/watch?v=w_JuXoj2MmY

 

 

 


■【毎月10万円を配り続けたら国は破綻するか?】

#特別定額給付金 #新型コロナウイルス #現金給付【れいわ新選組代表 山本太郎】

https://www.youtube.com/watch?v=xiM6JLBlk5I


■消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身~元日銀総裁、元内閣参与らが緊急提言~ 週刊現代 2019.06.01 小川匡則

2022-03-01 04:25:08 | 日記


■消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身~元日銀総裁、元内閣参与らが緊急提言~

週刊現代 2019.06.01 小川匡則

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64856


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・元日銀副総裁、安倍ブレーンが開いた「ある会合」


「消費増税で深刻な経済被害が発生する」「消費増税で失われた時代が続く」

5月21日、衆議院会館である会合が開かれ、20人ほどのエコノミストが集った。


彼らから次々と発せられたのは「消費増税すべきでない」数々の理由だ。

この会合の呼びかけ人は日本銀行副総裁としてアベノミクスを支えた岩田規久男氏と、昨年まで安倍首相のブレーンとして内閣官房参与を務めていた京都大学教授の藤井聡氏である。


呼びかけに応じて「増税反対」の声明を出したエコノミストは40人。

冒頭の言葉はそこで寄せられた意見の一部だ。そこで出されたエコノミストたちの意見に耳を傾けると、消費増税が日本経済にもたらす危険性について考えさせられるものがある。

 

・デフレ脱却が「不可能になる」


安倍政権の看板政策「アベノミクス」。

その最大の目的は「デフレからの脱却」であった。


日本銀行は2%の物価安定目標というインフレターゲットを設定し、「異次元の金融緩和」を実践してきたが、6年経ってもデフレ脱却は実現していない。


日銀時代に異次元の緩和を主導した岩田規久男氏は「日本経済の最大の問題はデフレ完全脱却である」とした上で、「大規模な金融緩和により進んでいた脱デフレの動きが止まったのは14年の消費増税による消費低迷だ」と指摘した。


さらに、「その低迷し続ける消費を19年10月にさらに消費増税により弱体化させれば、デフレ脱却は不可能になる」とまで断じ、「政府がやるべきことは、消費を活性化させ、内需主導型成長軌道に乗せることだ」と主張する。エコノミストの安達誠司氏も「世界経済が不透明感を増すいま、これまで以上に財政拡大をテコにした内需拡大が重要になる。このような時期に消費税率を引き上げることは、アクセル(金融緩和)とブレーキ(緊縮財政)を同時に踏むことを意味する」と指摘する。


消費増税はデフレ脱却を遅らせ、景気をさらに悪化させる。

「消費税は、経済成長のメインエンジンである『消費』に対する『罰金』として機能する」(藤井聡氏)からである。


「消費増税は、デフレの脱却を遅らせるどころか、さらなる消費の落ち込みをもたらしてデフレをより深刻なものとしていく。とりわけ、中小零細企業の経営に深刻なダメージを与えるだろう」(滋賀大学教授・小野善生氏)


「内需を確実に下落させる消費増税は日本経済に破壊的ダメージをもたらし、財政基盤を毀損し、財政をさらに悪化させることは必至だ。デフレ完全脱却が果たされていない中で世界経済が悪化していく状況における消費増税は、確実に深刻な経済財政被害をもたらす」(評論家・宮崎哲弥氏)

 

・惨めな経済状況へ


こうした意見に代表されるように、デフレ状況下での消費増税は消費を冷え込ませる。

需要が減ると企業も設備投資を増やすことはない。


その象徴が400兆円を超えるまでに積み上がった内部留保である。

内部留保は「企業が溜め込んでいる」と批判の対象になりやすいが、設備投資に回せない経済状況にこそ問題があるというわけだ。


ソシエテ・ジェネラル証券チーフエコノミスト・会田卓司氏は「投資が抑制されて生産性向上できず、家計は実質所得が減少して疲弊し、高齢化でさらに惨めな経済状況に陥るリスクが高まる」と語る。立命館大学教授の松尾匡氏の表現を借りると、「今、消費税を上げることは風邪の引きはじめに冷水に飛び込むようなもの」なのである。

 

・タイミングが最悪


安倍政権は「確実に消費増税を実行できるようにする」という答弁を繰り返す。

しかし、「10月の消費税引き上げは最悪のタイミングである」と断じるのはUBS証券日本地域最高投資責任者の青木大樹氏だ。


青木氏は「グローバル経済では、中国から米国への全輸出品に対する追加関税リスクとそれによる影響が懸念される」とした上で、「イギリスのEU離脱期限」や「連立政権が崩壊しているギリシャ総選挙」など世界情勢の不安定性が増している状況を懸念する。


一方、政府は、「リーマンショック級の事態にならない限り」という但し書きで「消費増税凍結」の逃げ道を残してある。

しかし、「すでにリーマンショック級の状況にある」と指摘をするのは経済アナリストの森永卓郎氏だ。


「IMFが4月9日に発表した世界経済見通しでは、2019年の世界の実質経済成長率が1月発表の3.5%から下方修正されて3.3%となった。この成長率は、リーマンショックの翌年から5年間の長期停滞局面の成長率と同じです。つまり、(世界)経済の現状は、すでに『リーマンショック並みの経済危機』に陥っています」


京都大学准教授の柴山桂太氏はこうした世界経済の状況も加味してこう指摘する。

「世界的に金融市場の動きが不安定になっていることを考えても、タイミングは最悪だ。消費増税は延期ではなく『凍結』にして次の大きな危機に備えるべきだ」


もはや「リーマンショック級の事態にならない限り」などと悠長なことを言っていられる状況ではないのである。

 

・「大企業」と「富裕層」に有利


消費税がもたらす悪影響はデフレや景気悪化だけにとどまらない。

税理士の湖東京至氏は消費税の持つ特性が対米貿易にも悪影響をもたらすと指摘する。


「消費税には『輸出還付金制度』があります。例えば自動車メーカーであれば仕入れ段階で消費税を払っているが、輸出品には消費税をかけられないため、その消費税分を国から還付してもらえるのです。米国はこれを『輸出企業に対する実質的な輸出補助金であり、リベートだ』とみなし、消費税の高い税率や税率引き上げに反対しています。米国には消費税タイプの税制がないため、米国の輸出企業には還付金はない。米国はこの不公平を除くため、(対抗措置として)25%もの関税をかけるという。消費税・付加価値税は熾烈な貿易戦争を招く危険な税制です」


この輸出還付金制度の問題はそれだけではない。

大企業と下請企業が取引をする際、圧倒的に大企業側が有利になり得るのだ。


取引先に対して形式的には消費税を支払ったとしても、その分値引きをさせていれば大企業は実質的に「仕入れ段階では消費税を払っていないのに、還付金を受け取る」という構造となってしまう。

ジャーナリストの斎藤貴男氏はそうした消費税の悪質性を批判する。


「消費税ほど不公平・不公正で、複雑で、恣意的に使われている税制も珍しい。あらゆる取引において、常に立場の弱い側がより多くを負担させられるしかない結果になるのはわかりきった話。消費税の実態は『取引税』であり、卑怯きわまりない税制だ」


立命館大学教授の唐鎌直義氏は「消費税の本性は富裕層優遇、民主主義破壊にあることに気づかなければならない」と警鐘を鳴らす。

消費税のこうした弊害にももっと目を向ける必要があるだろう。

 

・消費増税するたびに税収減…!?


政府は「少子高齢化による社会保障費の増大に対応し、同時に財政を健全化するためには消費税の引き上げは避けられない」という主張を続けている。


消費増税の必要性を認める意見の多くはこの財源論だ。

しかし、京都大学特任教授の青木泰樹氏は「自国通貨建ての国債が償還不能になることはあり得ない」として、「財源不足というのは大きな嘘だ」と断じる。


さらに前出の森永氏は「政府債務を純債務で捉え、通貨発行益を加味すると、日本の中央政府は無借金であり、財政も黒字だから、増税の必要性がそもそもない」と語る。

嘉悦大学教授の高橋洋一氏も「統合政府で見る限り、今の日本は財政危機ではない」と財政再建論を一蹴する。


経済学者の菊池英博氏は「消費税導入後の期間(1989ー2014年)の消費税収の累計は282兆円であるが、その90%にあたる255兆円は法人税収の減少に充てられており、社会保障の財源にはなっていない」と述べ、「社会保障費のための財源確保のため」という増税理由にも疑問を呈する。


「財政健全化のため」という理由に対しても疑問の声が続く。

これまでも消費増税の結果、さらに財政が悪化させてきたからだ。


「財政健全化のために、増税か歳出削減か、という方法を取ろうとするが、日本の現状ではどちらもうまくいかない。それは家計と(国家)財政は違うからです。財政は全体でお金が回るかどうかです。(消費増税は)ブレーキをかけることになるので、税収が減る」(エコノミスト・榊原可人氏)


「消費増税がデフレ圧力を招き、日本経済再生を困難にし、政府債務を増やしてきたデータを無視する。それこそ日本自滅の道だ」(産経新聞編集委員・田村秀男氏)

消費増税は財源にもなり得ないのである。

では、どうしたらいいのか。

 

・累進課税と法人税


立正大学客員教授の浦野広明氏は「消費税ではなく、きめ細かな累進課税をすべき」と主張する。


「1974年における所得税は、最低10%から最高75%までの19段階の超過累進税率だった。その税率で2017年申告所得額を当てはめて計算すると、約13兆2千億円の税収となる。17年度予算では約3兆円であるから、10兆円の増収が可能である」と指摘する。


中央大学名誉教授の富岡幸雄氏は「法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)の法定総合税率は29.97%だが、私が2018年3月期の決算に基づき調査したところ、企業が実際に払っている実行税負担率は17.59%にとどまっている。法定税率通りに納税してもらえば約9兆円の増収が想定される」と語る。


税収を上げるための方法が消費増税である必要性はない。

それどころか消費増税では景気悪化を招き、総税収が減少するという可能性がある。


経済評論家の三橋貴明氏は「日本は消費税を増税するどころか、凍結、減税、さらには廃止すらも検討しなければならない局面だ」と主張する。

この会合後、藤井氏はこれら取りまとめた意見を首相官邸に提出した。


エコノミストたちの懸念の声は安倍首相に届くのだろうか。


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消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身~元日銀総裁、元内閣参与らが緊急提言~
週刊現代 2019.06.01 小川匡則
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64856

 


■賃上げ税制:制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業 Yahoo!ニュース 2021/12/8 NRI研究員の時事解説

2022-03-01 04:24:49 | 日記

 

■賃上げ税制:制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業

Yahoo!ニュース 2021/12/8 NRI研究員の時事解説

https://news.yahoo.co.jp/articles/61833a40e74a6bd72229412435f6d4c5d608c3b4


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・大幅に引き上げられる賃上げ税制の控除率


12月10日にまとめられる予定の2022年度与野党税制改正大綱の議論が、大詰めを迎えている。


その最大の注目点は、企業の賃上げを促す「賃上げ税制」の強化である。

現在の制度のもとでは、大企業が新規採用者への給与支払い分を前年度比2%以上増やした場合に、その増加分に対して法人税が15%控除される。


中小企業については、給与の支払総額を1.5%以上増やせば増加分の15%が控除される。

さらに教育訓練費を一定額以上増やすと大企業では5%、中小企業では10%の控除率が、それぞれ上乗せされる。


最大の控除率は、大企業で20%、中小企業で25%である。

この制度が修正、拡充される。


大企業については、前年度から継続雇用している従業員に対象を改め、賃上げ率の条件も「2%以上」から「3%以上」へ引き上げる方向で議論が進んでいる。

一方で、賃金を4%以上増やした上に社員教育を充実させると、控除率は最大で30%となる。


中小企業については、控除率を最大40%とする見通しだ。

「賃上げ税制」は、3%の賃上げ目標を掲げた安倍政権が2013年に導入したが、期待された効果はあげられなかった。


その制度を強化するだけで、賃上げを促す効果が果たしてどれほどあるのか疑問、との声に応えるかのように、議論が進む中で控除率がどんどん引き上げられていき、大盤振る舞いとなった印象である。

規模の大きさを求める声が高まる中、過去最大規模にまで膨れ上がっていった先般の経済対策と似た構図だ。

 

・制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業


税制面からの強いインセンティブが与えられることで、企業の賃上げが促されることが全くないとは言わないが、目立った効果はあげられないのではないか。


企業にとって税優遇の効果は一時的である一方、ひとたび基本給を引き上げれば、それは容易には引き下げられず、経営環境によっては収益を圧迫しかねない大きな負担となるからだ。


将来の成長期待が乏しい中、一時的な税優遇だけで、企業が大幅な賃上げを決めるとは考えにくいところである。

こうした小手先の政策ではなく、企業の成長期待を高める政策を進めることこそが、企業に賃上げを促す最良の策であり王道なのではないか。


ところで、企業にとって一人当たりの賃金支払いの増加率は、定期昇給分を除くベースアップ率に近いものとなる。

仮に新卒採用者と定年退職者の数が等しく、雇用者数が一定の場合、年功序列の定期昇給分は、一人当たり平均賃金支払いの上昇にはつながらないからだ。


そしてそのベースアップ率は、安倍政権の下でのピークでも+0.4%台半ばにとどまった。

さらに、新型コロナウイルス問題によって、2021年にはほぼゼロ近傍まで低下した。


そのベースアップ率に近い一人当たり現金給与総額の所定内賃金(毎月勤労統計)は、昨年は前年比+0.2%、今年は最新10月の値で前年同月比-0.2%である。

これが企業の賃上げの平均的な姿である。


+3%、+4%の賃上げができる企業は、相当業績が良く、また将来の売り上げ増加期待が強い、ごく一握りの優良企業であるはずだ。

そうした優良企業が最大40%の税控除を受ける一方、厳しい経営環境で賃上げが実施できない多数の企業は、税控除を受けることができない。


これは、企業の収益格差をさらに拡大させてしまうことになるだろう。

コロナ禍によって、企業間の業績の格差はかなり広がった。


これを縮小させることが短期的には求められる中で、「賃上げ税制」の強化は逆に格差を一段と拡大させる方向に働く、という大きな問題を抱えているのではないか。


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賃上げ税制:制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業
Yahoo!ニュース 2021/12/8 NRI研究員の時事解説
https://news.yahoo.co.jp/articles/61833a40e74a6bd72229412435f6d4c5d608c3b4