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■円安・低成長「日本」とウォン高・高成長「韓国」の差~「下がり続ける円」が本当に意味するところ~ 東洋経済 2022/02/09  リチャード・カッツ

2022-03-30 05:06:31 | 日記

 

■円安・低成長「日本」とウォン高・高成長「韓国」の差~「下がり続ける円」が本当に意味するところ~

東洋経済 2022/02/09  リチャード・カッツ

https://toyokeizai.net/articles/-/509838


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足を怪我したら、松葉杖が必要になる。

しかし、松葉杖に長期間頼りすぎると、筋肉が萎縮してしまうだけだ。


これは、日本の状況、そして円安の状況に関しても、同じことだ。

安倍晋三氏と黒田東彦氏がそれぞれ首相と日本銀行総裁に就任してから、日本政府は円安に誘導する政策を継続してきた。


現在、円は「実質」の価値でいうと、ここ半世紀で最も価値が下がっており、長期的な平均と比較すると3分の1近く低くなっている。

 


・今の円安はいいのか悪いのか


今後さらに円安が進むと広く考えられており、それがいいことであるのかどうか、日本銀行と新たな岸田政権との間で意見の相違が出てきている。


黒田総裁は、食品、エネルギー、衣服、および靴などの輸入に大きく頼る品目の「物価が円安によって上昇し、家計所得にさらに負の影響が出る可能性がある」と認めつつも、円安は日本にとって「差し引きでプラス」であると主張している。


1月18日の記者会見では、「悪い円安というようなもの」はないとまで論じた。

これに対して、鈴木俊一財務相は、1月7日、「為替の安定」が必要であると強調し、市場に対して円安が過度な速度で過度な水準まで進んでいるという見方を伝えるという、「口頭での介入」を行った。


日用品の価格が上昇することで、今年の夏の参議院選挙を前にして、岸田文雄首相の支持率に悪影響が出る可能性はゼロではない。

国内総生産(GDP)の数字だけを気にしているなら、あるいは原因のいかんにかかわらず緩やかなインフレはいいことだと考えているなら、黒田総裁が正しいように見えるかもしれない。


筋肉が萎縮した怪我人は、なおさら松葉杖が必要になる、というのとまったく同じロジックだ。

しかし、怪我人が松葉杖不要の身体を取り戻すのに本当に必要なのは、理学療法だ。


それと同じように、日本には経済再編が必要なのだ。

円安は、国内の弱さ、そして海外での競争力の低下を反映している。


以下に詳しく述べる通り、韓国はウォン高となっているにもかかわらず、日本より速いペースで成長することに成功している。

 

 

・戦後最長となる消費の低迷


安倍首相と黒田総裁の時代、国内の需要は極めて低迷しており、その中で日本はわずかな成長を実現したものの、その成長も大部分が財政支出と純輸出額(輸出額から輸入額を差し引いたもの)の上昇に依存している状態だった。


2回の増税と輸入に大きく頼る品目の物価上昇によって実質の(物価調整後の)家計所得が押し下げられていたため、このような人工的な刺激が必要な経済状態だったのだ。


その結果、安倍首相と黒田総裁の7年間で、個人消費は実際には1%低下。

これほど長期間にわたる低下は戦後初めてのことだった。


(中略)


生活水準の向上を伴わない競争力は、本当の競争力ではないのだ。

安倍首相と黒田総裁は就任当時、2%のインフレ率が達成できれば万事上手く行くと、そして黒田総裁ならその目標をわずか2年で達成できるだろうと、確信していた。


しかし、その目標には近づくことすらできなかった。

さらに悪いことに、日本銀行が実際に達成できたインフレのほとんどは、円安と2回の増税の結果に過ぎなかった。


アベノミクスが国内経済を強化してインフレを実現していたのなら、それは朗報となっていただろう。

しかし、輸入品の価格上昇によって消費者物価指数が上がっている状況では、メリットよりデメリットの方が多い。


円安になれば、日本の輸出品の値段が下がると同時に、輸入品の値段は上がる。

消費者支出の40%近くは、エネルギー、衣服、靴、および食品など、輸入に大きく頼る品目への支出だ(カロリーで計算すれば、日本の食料の60%は輸入品なのだ)。


2012年から2021年で、これらの品目の価格は、消費増税を無視しても12%上昇している。

それに対して、消費者支出の残り60%を占める輸入に大きく頼らない品目への支出は、同じ期間で0.7%増という、ゼロ同然の増加にとどまった。


つまり、消費税を除く消費者物価指数の上昇全体の90%を超える部分は、輸入に大きく頼る品目の値段の上昇によるものだったのだ。


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円安・低成長「日本」とウォン高・高成長「韓国」の差~「下がり続ける円」が本当に意味するところ~
東洋経済 2022/02/09  リチャード・カッツ
https://toyokeizai.net/articles/-/509838

 

 


■安倍政治の負の遺産。地銀不況の責任を無視して地銀潰しに動く菅首相<日本金融財政研究所所長・菊池英博氏> ハーバー・ビジネス・オンライン  2021.01.21

2022-03-30 05:06:14 | 日記

 


■安倍政治の負の遺産。地銀不況の責任を無視して地銀潰しに動く菅首相<日本金融財政研究所所長・菊池英博氏>

ハーバー・ビジネス・オンライン  2021.01.21

https://hbol.jp/pc/237330/

 

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・アベノミクスが招いた「地銀不況」


2020年9月に首相に就任した菅義偉氏が、国会で就任演説をする前に「地方銀行の数が多すぎる」と発言したことによって、地銀の合併など再編に向けた議論が加速している。


しかしコロナ禍のもとで、地銀が中小企業を支援する要請が強まっているなかで、拙速な再編は地域金融を破壊し地域経済に悪影響を及ぼすことになる。

地銀の不況はアベノミクスが招いた結果であり、とくにマイナス金利が致命傷になる地銀もある。


菅首相は官房長官として安倍行政を積極的に支援した責任者であるのに、それを無視して地銀潰しに走る発言は無責任な政治姿勢と言わざるを得ない。

具体的にみると、直近の2020年3月期の決算状況では、上場地銀78行のうち約7割に当たる54行が前期比で減益であり、3行は赤字だった。


地銀の収益状況が悪化してきたのは、2012年12月からの第2次安倍政権からであり、財政面ではプライマリーバランスを重視するデフレ政策をとって中央から地方への資金循環が縮小し、地方経済のデフレ化が進んだ。

さらに2013年4月に総裁に就任した黒田東彦氏は、「2年間でマネタリー・ベース(MB=日銀にある金融機関の当座預金と日銀券の合計、つまり金融機関がすぐに使えるマネー)を2倍にすれば消費者物価は2年間で2%上昇する」という政策目標を立てて、異次元の金融緩和を進めた。


この結果、マネーが市場に溢れたために、地銀の利ザヤ(貸出金利と預金金利の差額)が縮小し、地銀収益は減少した。

 

・犠牲者である地銀を潰しにかかる菅総理


一方日銀は、2年間でMBを2倍以上にしても消費者物価は2%上昇しないことが分かり、この失敗を隠蔽するために、2016年1月にマイナス金利を導入した。


マイナス金利とは、日銀にある金融機関の預金量が一定の限度よりも増えると、その増えた分に一定量(例えば年0・1%)の手数料を課す、その手数料である。

マイナス金利の目標は「金融機関に預金をすべて使いきってくれ」ということであり、「余れば余資にペナルティを課す」と言うことだ。


しかしデフレが浸透している地方では、資金需要が減退しており、地銀はマイナス金利を徴収され、収益減に追い込まれた。

マイナス金利を導入した欧州中央銀行でも「マイナス金利は銀行の収益を悪化させ、金融機能を弱めた」と言われている。


マイナス金利という劇薬を経営体質の弱い地銀にも適用したことは日銀の大きな失敗である。

地銀は異次元の金融緩和の犠牲者であるのに、その犠牲者を「整理統合で潰しにかかる」というのが菅首相の考えだ。

 

・異次元の金融緩和がもたらした「負の遺産」


日銀の金融政策を見ると、黒田総裁の就任直前の3月末に米国の連邦準備制度理事会(FRB)の議長(中央銀行総裁)は、「米国以外の国が金融をもっと緩和してくれると、経済情勢が改善する」と明言していた(2013年3月31日付け日本経済新聞)。


日本の異次元の超金融はこうした流れに呼応するものであったとみられる。

2013年4月の黒田総裁就任以来、直近の2020年11月までの7年7ヵ月間の推移をみると、MBは471兆円増加して606兆円に達している。
しかし、増加額471兆円のうち日本で使われたマネーはその71%に当たる335兆円に過ぎず、残りの29%に当たる135兆円は海外へ流れ、投機マネーとして使われている。


このマネーを借り入れた投機業者はドル買いと株買いをしたので円安・株高になり、輸出業者は多額の利益を得た反面、消費者は光熱費や輸入食糧の物価高で実質所得が減少している。

 

・反省なき地銀潰しを許すな


リーマンショック以来、超金融緩和を実現してきたFRBは、2014年10月から金融正常化に舵を切り、通貨量を増やさないようにしながら2019年10月までに7度の金利引き上げを実行して金融の正常化に努めてきた。


この結果、米国の銀行の利ザヤはプラスであって、金融緩和でも米国の地銀は利益を上げている。

米国が通貨量を絞り金利を引き上げているときに、日銀はこれに呼応してマイナス金利を廃止するチャンスは十分あった筈だ。


ところが黒田総裁は、米国や安倍前首相に忖度してきたためか、マイナス金利を継続し、地銀のみならず、信金や信組にも犠牲を課してきた。

コロナ不況が蔓延しているなかで、自らの反省もせずに地銀再編を強行しようとする菅首相の地銀潰しは、絶対に許してはならない。


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安倍政治の負の遺産。地銀不況の責任を無視して地銀潰しに動く菅首相<日本金融財政研究所所長・菊池英博氏>
ハーバー・ビジネス・オンライン  2021.01.21
https://hbol.jp/pc/237330/


■「物言う株主」存在感高まる 新型コロナ禍で SankeiBiz 2020.7.9

2022-03-30 05:05:32 | 日記

 

■「物言う株主」存在感高まる 新型コロナ禍で

SankeiBiz 2020.7.9

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200709/eca2007090500002-n1.htm


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上場企業の経営に積極的に口を出す投資家「アクティビスト(物言う株主)」の存在感が年々高まっている。

社外取締役選任や役員報酬見直しなど要求内容に広がりが出てきたほか、株主総会への議案提出も増えている。


企業統治改革が進んだことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大で、中長期的な成長戦略に関心が向いたことが影響している。

株式市場に金融緩和マネーが大量に流入していることも背中を押している。

 

・狙われやすい日本


大和総研によると、今年の株主総会で、株主提案を受けた企業は66社(6月25日時点での集計)と過去最多となった。

3分の1はアクティビストがかかわったものだ。


例えば6月23日のJR九州の株主総会では、米投資ファンド、ファーツリー・パートナーズが不動産投資やリスクマネジメントの専門家3人の取締役選任議案や、不動産の個別収益性などの情報開示を可能にする定款変更議案を提出した。

総会に先立って、JR九州側はこれに反対する意見を表明するなど、両者の対決姿勢は鮮明になっていた。


総会ではJR九州側に多くの支持が集まり、ファーツリーの議案は昨年に続いて退けられた。

このように、経営陣とアクティビストの攻防が表面化しやすいのが株主総会の場だ。


ただ、両者は実際には、長期間にわたって水面下で話し合いを続けることが多い。

その結果、よく見ると、会社提案の議案の中にアクティビストの意をくんだものが紛れ込んでいたり、アクティビストの攻勢をかわすために株主還元が実施されたりするケースがある。


海外投資ファンドの“主戦場”は米国だが、その次のターゲットになっているのが日本だという。

大和総研の鈴木裕主任研究員は「多くの日本企業は株価に割安感があり、内部留保をため込んでいる。制度上、株主提案がしやすいこともあり、日本企業はアクティビストに狙われやすい」と指摘する。

 

・社会運動の影響増す


アクティビストといえば、かつては海外投資ファンドが日本企業の株式を安く大量に買いたたき、数の力をバックに、株主還元や買収提案を強硬に要求する「ハゲタカ」のイメージが強かった。


米投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンがユシロ化学工業や毛織物染色業大手のソトーに日本初の本格的な敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けたことで、その存在は広く知られるようになった。

最近はアクティビストの顔ぶれが多様化してきた。


米ブラックロックやステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのように、世界中の企業に投資する巨大な資産運用会社の他、一部の非政府組織(NGO)などの組織もアクティビストに分類されるようになってきた。

そんな中、今後のアクティビストの活動に大きな変化を与えそうな考え方が投資の世界に浸透してきた。


環境と社会、企業統治の取り組みを重視して投資先を選別する「ESG投資」だ。コロナ禍で人種差別や社会の分断が起きている米国では、企業に対する投資家や世間の目は日に日に厳しくなっている。

黒人のイラストや蔑称が使われた商品パッケージを取りやめたり、黒人従業員の待遇を改善したりする動きがみられるようになった。


大和総研の鈴木氏は「社会運動が株主行動に影響し始めた。消費者による自社製品のボイコットにつながるリスクを恐れ、経営側もこれに敏感に反応するようになった」と語る。

日本では、三菱UFJフィナンシャル・グループが昨年5月、石炭火力発電への新規融資の中止を宣言した。


みずほフィナンシャルグループは6月25日の総会で、日本で初めての気候変動に関する株主提案を議論。

パリ協定の温暖化対策目標に沿った投資を行うための計画を毎年開示するよう、環境団体から求められたのだ。


結果的に取締役会の反対で議案は否決されたが、鈴木氏は「日本企業もソーシャルムーブメント(社会変革)の入り口に立った」と述べ、この流れが本格化するとみている。(米沢文)


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「物言う株主」存在感高まる 新型コロナ禍で
SankeiBiz 2020.7.9
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200709/eca2007090500002-n1.htm