灰原中心サイトの皆さまの志保さんフィーバーを楽しく拝見して、さらに新たな萌えをたくさんいただいています。ありがとうございます。
そして踊るからには全力でをモットーにしていますので、志保さん復活祭りはまだ続きます(やる気がある時は時間などどうとでもして捻出するものですね。いい勉強をさせていただきました)。
今回は816話の哀ちゃんサイドですが、解毒剤服用シーンはそれはそれで書きますので今日の所はまずは816話の前半のみです。自分で書きながら「でも江戸川なあ…orz」とも思いましたが、まあ「そこはそれ」ということで。
それではよろしければ以下からどうぞ。
816話:side灰原(前編)
「な、なあちょっとくらいなら外見ても…」
「ダメよ」
薄暗い小屋の中の息苦しい空気に耐えかねたように扉に近寄ろうとした元太に皆まで言わさず哀の低い声が小屋の中に響く。もう何度目かになったやり取りの後に元太がしぶしぶ戻るのを見ると哀は小さく息を吐いた。自分でもわかるほど熱を帯びている吐息に眉をしかめる。先ほどから寒気が止まらない体がやけに重かったが、隣で心配そうに見つめる歩美に安心させるように微笑むと再び視線を扉の方に向けた。
キャンプ場の外れで遺体を埋めようとする現場を目撃してしまい、子供達を先導しながら何とか身を隠した山小屋は間の悪いことに殺人の現場だった。戻ってきた犯人から侵入を阻みはしたものの身動きの取れない状況が続く閉塞感が子供達の間に不安の影を落としていた。ポケットの中に入れたスマフォを確認するが圏外を示すマークが変わらず表示されたままだった。この小屋に逃げ込んでからもうすぐ一時間が経とうとしてた。
(私の判断ミスだわ)
殺人犯から逃亡するためとはいえ人気のない山奥の一軒家に逃げ込んだことを哀は激しく後悔していた。本調子であれば自分が囮となって子供達を逃がすという方法も取れたのだが、急激に悪化したこの体調では立っているのがやっとで走ることすら覚束ないだろう。何とか打開策を模索しようとしても頭の奥で響く鈍痛で考えがまとまらない。
(全く情けない…)
緊張で強張った顔で寄り添っている子供達に自らの不甲斐なさを自嘲する。一瞬くらりと揺れる視界に小さく頭を振って前方の扉を見据えた。
(しっかりしなさい)
とにかくこの子供たちだけは何としても守らなくてはならない。そのために今できることはとにかく時間を稼ぐこと、そうすれば遺体の側に置いたベルツリー号の搭乗パスに気づいた彼が必ず助けに来てくれるはず。
『ヤバくなったらオレが何とかしてやるから心配すんな』
いつかの約束が耳の奥に響く。
彼が来てくれるまでどんなことをしても子供たちを守って待つ。だから
(工藤君。早く来て)
心の中で祈る様に呟いて、哀は再び表の様子に神経を集中させた。
そして踊るからには全力でをモットーにしていますので、志保さん復活祭りはまだ続きます(やる気がある時は時間などどうとでもして捻出するものですね。いい勉強をさせていただきました)。
今回は816話の哀ちゃんサイドですが、解毒剤服用シーンはそれはそれで書きますので今日の所はまずは816話の前半のみです。自分で書きながら「でも江戸川なあ…orz」とも思いましたが、まあ「そこはそれ」ということで。
それではよろしければ以下からどうぞ。
816話:side灰原(前編)
「な、なあちょっとくらいなら外見ても…」
「ダメよ」
薄暗い小屋の中の息苦しい空気に耐えかねたように扉に近寄ろうとした元太に皆まで言わさず哀の低い声が小屋の中に響く。もう何度目かになったやり取りの後に元太がしぶしぶ戻るのを見ると哀は小さく息を吐いた。自分でもわかるほど熱を帯びている吐息に眉をしかめる。先ほどから寒気が止まらない体がやけに重かったが、隣で心配そうに見つめる歩美に安心させるように微笑むと再び視線を扉の方に向けた。
キャンプ場の外れで遺体を埋めようとする現場を目撃してしまい、子供達を先導しながら何とか身を隠した山小屋は間の悪いことに殺人の現場だった。戻ってきた犯人から侵入を阻みはしたものの身動きの取れない状況が続く閉塞感が子供達の間に不安の影を落としていた。ポケットの中に入れたスマフォを確認するが圏外を示すマークが変わらず表示されたままだった。この小屋に逃げ込んでからもうすぐ一時間が経とうとしてた。
(私の判断ミスだわ)
殺人犯から逃亡するためとはいえ人気のない山奥の一軒家に逃げ込んだことを哀は激しく後悔していた。本調子であれば自分が囮となって子供達を逃がすという方法も取れたのだが、急激に悪化したこの体調では立っているのがやっとで走ることすら覚束ないだろう。何とか打開策を模索しようとしても頭の奥で響く鈍痛で考えがまとまらない。
(全く情けない…)
緊張で強張った顔で寄り添っている子供達に自らの不甲斐なさを自嘲する。一瞬くらりと揺れる視界に小さく頭を振って前方の扉を見据えた。
(しっかりしなさい)
とにかくこの子供たちだけは何としても守らなくてはならない。そのために今できることはとにかく時間を稼ぐこと、そうすれば遺体の側に置いたベルツリー号の搭乗パスに気づいた彼が必ず助けに来てくれるはず。
『ヤバくなったらオレが何とかしてやるから心配すんな』
いつかの約束が耳の奥に響く。
彼が来てくれるまでどんなことをしても子供たちを守って待つ。だから
(工藤君。早く来て)
心の中で祈る様に呟いて、哀は再び表の様子に神経を集中させた。
まだまだいきますよ~。