実はこの内容は途中まで書いて面倒になって消そうと思ったら、操作を間違って一瞬アップしたらその間に思いのほか多くの方がご覧になっていて驚きました。なので、せっかくなので一応完成させてみました。
あと、サンデーの感想は木曜以降になります。
それでは以下は浪曲についてです。ちょっと辛口かな。
テレビを着けたら珍しくN○Kで浪曲番組をしてました。以前は一年に一回は聞きに行っていたくらいには好きなので、楽しく視聴。
口演(浪曲や講談の場合は「公演」じゃなくて「口演」なんです)は春野恵子と松浦四郎若。
関西の浪曲は一時期絶滅寸前までいったのですが、ここの所若手が出てきて少し持ち直してきました。
春野恵子は若手の一人で上方浪曲の大御所春野百合子の弟子なんですが、そんな事より「電波少年の恵子先生」という方がわかりやすいかもしれません(いや、それも古すぎるかw)。タレント時代から東大出身というので売ってたし、現在もその経歴の珍しさから多分関西浪曲会で一番マスコミ露出がある浪曲師だと思います。
さて、中身はというと春野恵子は春野一門らしい情念話。師匠の春野百合子の『油殺女地獄』は聞いてられなくらい怖いんですけど、もちろん貫禄は比べものにならず。頑張ってるのはわかるけど、といった内容。プロの評価に「頑張ってる」てのは自分でもどうかと思うんですが。
落語や浪曲のような語り系の伝統芸能は自分の自信作を持ってる方が絶対強いんですよ。何度も何度も演じることでネタも呼吸も完璧な鉄板ネタがあればそれが一番。その究極の形が当代の桂春団治なんでしょう。
でもこの人は見る度に演目を変える人です。例えば3日通しの寄席があったら日替わりでネタを変えたりします。そのあたりがお譲様芸から抜けられない理由だと思います。習い事感覚というか、一つ出来たら直ぐに次のって感じで芸が練りこまれない。
そりゃ大御所ならば色んなネタを聞きたくてこちらは通うわけですから、こちらとしても日替わりを希望します。でも前座の春野恵子にはそこまで求めて無いので、同じネタでどれだけ上手になったのかを見せて欲しいのに。
そもそも落語や浪曲は聞いている方もある程度内容を知っています。登場人物から話のオチまで判っているので、最初から目新しさは期待してません。それは新作落語であっても同じです。常に新しいものを追求するっていうタイプの芸能ではありませんから。
それでも、初めて落語を聞く人でも上方四天王の落語は文句無しで面白いものです。浪曲だって京山小円嬢や春野百合子の口演には圧倒されます。余談ながら、たまに「落語や浪曲は眠くなる」などという話を聞きますが、「眠くなる話」というのはある程度の実力がないと無理です。寄席の前座程度の落語や浪曲では、眠るなんて不可能です。
つまり落語や浪曲の実力というのは「知っている話をどれだけ飽きさせずに聞かせるかということにかかっていると思います。
というわけで国本武春とか春野恵子とか少々露出が増えて復活が言われてきている浪曲界ですが、ちょっと進む方向間違えてない?というのが私の正直なところです。
一方、松浦四郎若は若手が入門してくるまでは何十年も若手だったというちょっと可愛そうな人ですが、テンポもあるし動きも大きいので舞台映えもするので、浪曲が初めての人も十分楽しめる人です。
この人のネタはもう鉄板。歴史ネタが多いんですけど、何をやっても退屈しません。今回もちょっと調子にのってる殿様と一本気な家来というありきたりなストーリーですが、これを唄と語りで笑いも交えつつ綺麗にまとめていました。
これこそ正統派関西浪曲というものを堪能させてもらいました。唯一つ残念だったのは生で見れなかったことですね。
12月には上方浪曲界一番のイベント「師走浪曲名人会」があります。出演者は大御所のみなので興味のある方は一度どうですか?
ちなみにこの面子だと63歳の松浦四郎若が一番の若手ですよ。あと三原佐知子の浮きっぷりがすごく目立つ予感(苦笑)
あと、サンデーの感想は木曜以降になります。
それでは以下は浪曲についてです。ちょっと辛口かな。
テレビを着けたら珍しくN○Kで浪曲番組をしてました。以前は一年に一回は聞きに行っていたくらいには好きなので、楽しく視聴。
口演(浪曲や講談の場合は「公演」じゃなくて「口演」なんです)は春野恵子と松浦四郎若。
関西の浪曲は一時期絶滅寸前までいったのですが、ここの所若手が出てきて少し持ち直してきました。
春野恵子は若手の一人で上方浪曲の大御所春野百合子の弟子なんですが、そんな事より「電波少年の恵子先生」という方がわかりやすいかもしれません(いや、それも古すぎるかw)。タレント時代から東大出身というので売ってたし、現在もその経歴の珍しさから多分関西浪曲会で一番マスコミ露出がある浪曲師だと思います。
さて、中身はというと春野恵子は春野一門らしい情念話。師匠の春野百合子の『油殺女地獄』は聞いてられなくらい怖いんですけど、もちろん貫禄は比べものにならず。頑張ってるのはわかるけど、といった内容。プロの評価に「頑張ってる」てのは自分でもどうかと思うんですが。
落語や浪曲のような語り系の伝統芸能は自分の自信作を持ってる方が絶対強いんですよ。何度も何度も演じることでネタも呼吸も完璧な鉄板ネタがあればそれが一番。その究極の形が当代の桂春団治なんでしょう。
でもこの人は見る度に演目を変える人です。例えば3日通しの寄席があったら日替わりでネタを変えたりします。そのあたりがお譲様芸から抜けられない理由だと思います。習い事感覚というか、一つ出来たら直ぐに次のって感じで芸が練りこまれない。
そりゃ大御所ならば色んなネタを聞きたくてこちらは通うわけですから、こちらとしても日替わりを希望します。でも前座の春野恵子にはそこまで求めて無いので、同じネタでどれだけ上手になったのかを見せて欲しいのに。
そもそも落語や浪曲は聞いている方もある程度内容を知っています。登場人物から話のオチまで判っているので、最初から目新しさは期待してません。それは新作落語であっても同じです。常に新しいものを追求するっていうタイプの芸能ではありませんから。
それでも、初めて落語を聞く人でも上方四天王の落語は文句無しで面白いものです。浪曲だって京山小円嬢や春野百合子の口演には圧倒されます。余談ながら、たまに「落語や浪曲は眠くなる」などという話を聞きますが、「眠くなる話」というのはある程度の実力がないと無理です。寄席の前座程度の落語や浪曲では、眠るなんて不可能です。
つまり落語や浪曲の実力というのは「知っている話をどれだけ飽きさせずに聞かせるかということにかかっていると思います。
というわけで国本武春とか春野恵子とか少々露出が増えて復活が言われてきている浪曲界ですが、ちょっと進む方向間違えてない?というのが私の正直なところです。
一方、松浦四郎若は若手が入門してくるまでは何十年も若手だったというちょっと可愛そうな人ですが、テンポもあるし動きも大きいので舞台映えもするので、浪曲が初めての人も十分楽しめる人です。
この人のネタはもう鉄板。歴史ネタが多いんですけど、何をやっても退屈しません。今回もちょっと調子にのってる殿様と一本気な家来というありきたりなストーリーですが、これを唄と語りで笑いも交えつつ綺麗にまとめていました。
これこそ正統派関西浪曲というものを堪能させてもらいました。唯一つ残念だったのは生で見れなかったことですね。
12月には上方浪曲界一番のイベント「師走浪曲名人会」があります。出演者は大御所のみなので興味のある方は一度どうですか?
ちなみにこの面子だと63歳の松浦四郎若が一番の若手ですよ。あと三原佐知子の浮きっぷりがすごく目立つ予感(苦笑)
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