というわけでシレッと更新ですよ。
ちなみに映画はまだ見てません。月半ばくらいに時間ができたら行こうかな…くらいのテンションですが、行ったら感想は書くつもりです。
それでは以下はコ哀の日小話です。成長探偵団設定のコ哀ですので、苦手な方はご注意を。
「おい、光彦」
昼休み。図書室に本を返却しようと教室を出た僕に、待っていたように声がかかった。
「何ですか?コナン君」
「話がある。部室、行こうぜ」
返事を待たず歩きだす。相変わらずのオレ様ぶりに肩を竦めて後を追った。だいたいの用件は分かっている。ふと教室の中に目をやるとカチューシャの友人と一緒に弁当を手に立ち上がる赤みがかった茶髪が見えた。……きっと、彼女のことだろう。
『あ、江戸川君だ。カッコいいよね!』
『この前もサッカー部の助っ人で出た試合でハットトリックだって』
『それに頭も良いし。噂だけど、警察に協力して殺人事件を解決したこともあるんだって』
『うそ!良いなあ。憧れる~』
途中、廊下を歩きながら聞こえてくる女子生徒たちの噂話に我知らず苦笑が漏れた。頭脳明晰・運動神経抜群・容姿端麗と三拍子そろった女生徒たちの人気者、というのがこの帝丹高校でスタンダードな「江戸川コナン像」ではある。ではあるのだが……。
そんなことを考えているうちに旧校舎の端にある僕ら少年探偵団が所属する(というか僕ら以外に部員なんていなんだけど)探偵愛好会の部室に入る。建物は古いがその分、滅多に人が来ない穴場だ。
「コーヒー飲むか?」
「いりません。それより何か僕に用があるんでしょう?」
部室のソファに座るように促しながら、そういうコナン君に「手短に済ませましょう」とあえて木で鼻をくくったように答える。これからの話の事を考えると、少しぐらいの意地悪はきっと許されるだろう。
コナン君はバツが悪そうな顔で視線を外すと
「あのよ…アイツ、今日どんな感じだ?」
「さあ『アイツ』じゃわかりませんね。ちなみに灰原さんでしたら、とっても不機嫌でしたよ」
せっかくなので後半部分を意識してにこやかに言ってみた。
「………わかってんじゃねーか」
コナン君は小さくそう呟くと、観念したように大きくため息をついて
「……灰原、怒ってたか?」
と伺うように聞いてきた。
「彼女に限って僕らにそんな素振りはみせませんけどね」
そこで少し間をとってコナン君をちらりと見遣ると、ゴクリとコナン君の喉が上下に動くのが見えた。実際、僕ら以外のクラスメイトには全然に変わらないように見えただろうが、長い付き合いの僕や歩美ちゃんには彼女が何かに随分と憂いているのはその表情だけで明らかだった。
「あの様子だと、かーなーりー、怒ってると思いますよ」
なのでその心証をそのまま告げると、コナン君は「やっぱりか…」と文字通り頭を抱えて座り込んだ。
眼前に揺れる頭部のヘタを見ながら、小さく息を吐いた時、ポケットの中で小さくスマートフォンが振動した。確認すると予想通りに歩美ちゃんからのメッセージの着信の知らせだった。
哀ちゃんからケンカの経緯は聞いたよ。もう、コナン君って何度同じ事したら気が済むのかしら。これから哀ちゃんと話をするから、しばらくしたらコナン君に謝りに来させてもいいよ。
P.S.ただしちゃんとお説教しておくこと!!
怒りと呆れのキャラクターがコミカルに動く文面に苦笑いが零れる。
わかりました。そちらはお任せします
と簡潔なメッセージを送信したちょうどその時
「光彦~、聞いてくれよ~」
と聞こえてき情けない声に吹き出しそうなるのを、僕は反省を促すべく一生面目顰めつめらしい表情を取り繕ったのだった。
それにしても……
『江戸川君、カッコいいよね~』
そんな事を言っている校内の女子生徒たちに、いっそこの姿をみせてやりたいものですね。
ちなみに映画はまだ見てません。月半ばくらいに時間ができたら行こうかな…くらいのテンションですが、行ったら感想は書くつもりです。
それでは以下はコ哀の日小話です。成長探偵団設定のコ哀ですので、苦手な方はご注意を。
「おい、光彦」
昼休み。図書室に本を返却しようと教室を出た僕に、待っていたように声がかかった。
「何ですか?コナン君」
「話がある。部室、行こうぜ」
返事を待たず歩きだす。相変わらずのオレ様ぶりに肩を竦めて後を追った。だいたいの用件は分かっている。ふと教室の中に目をやるとカチューシャの友人と一緒に弁当を手に立ち上がる赤みがかった茶髪が見えた。……きっと、彼女のことだろう。
『あ、江戸川君だ。カッコいいよね!』
『この前もサッカー部の助っ人で出た試合でハットトリックだって』
『それに頭も良いし。噂だけど、警察に協力して殺人事件を解決したこともあるんだって』
『うそ!良いなあ。憧れる~』
途中、廊下を歩きながら聞こえてくる女子生徒たちの噂話に我知らず苦笑が漏れた。頭脳明晰・運動神経抜群・容姿端麗と三拍子そろった女生徒たちの人気者、というのがこの帝丹高校でスタンダードな「江戸川コナン像」ではある。ではあるのだが……。
そんなことを考えているうちに旧校舎の端にある僕ら少年探偵団が所属する(というか僕ら以外に部員なんていなんだけど)探偵愛好会の部室に入る。建物は古いがその分、滅多に人が来ない穴場だ。
「コーヒー飲むか?」
「いりません。それより何か僕に用があるんでしょう?」
部室のソファに座るように促しながら、そういうコナン君に「手短に済ませましょう」とあえて木で鼻をくくったように答える。これからの話の事を考えると、少しぐらいの意地悪はきっと許されるだろう。
コナン君はバツが悪そうな顔で視線を外すと
「あのよ…アイツ、今日どんな感じだ?」
「さあ『アイツ』じゃわかりませんね。ちなみに灰原さんでしたら、とっても不機嫌でしたよ」
せっかくなので後半部分を意識してにこやかに言ってみた。
「………わかってんじゃねーか」
コナン君は小さくそう呟くと、観念したように大きくため息をついて
「……灰原、怒ってたか?」
と伺うように聞いてきた。
「彼女に限って僕らにそんな素振りはみせませんけどね」
そこで少し間をとってコナン君をちらりと見遣ると、ゴクリとコナン君の喉が上下に動くのが見えた。実際、僕ら以外のクラスメイトには全然に変わらないように見えただろうが、長い付き合いの僕や歩美ちゃんには彼女が何かに随分と憂いているのはその表情だけで明らかだった。
「あの様子だと、かーなーりー、怒ってると思いますよ」
なのでその心証をそのまま告げると、コナン君は「やっぱりか…」と文字通り頭を抱えて座り込んだ。
眼前に揺れる頭部のヘタを見ながら、小さく息を吐いた時、ポケットの中で小さくスマートフォンが振動した。確認すると予想通りに歩美ちゃんからのメッセージの着信の知らせだった。
哀ちゃんからケンカの経緯は聞いたよ。もう、コナン君って何度同じ事したら気が済むのかしら。これから哀ちゃんと話をするから、しばらくしたらコナン君に謝りに来させてもいいよ。
P.S.ただしちゃんとお説教しておくこと!!
怒りと呆れのキャラクターがコミカルに動く文面に苦笑いが零れる。
わかりました。そちらはお任せします
と簡潔なメッセージを送信したちょうどその時
「光彦~、聞いてくれよ~」
と聞こえてき情けない声に吹き出しそうなるのを、僕は反省を促すべく一生面目顰めつめらしい表情を取り繕ったのだった。
それにしても……
『江戸川君、カッコいいよね~』
そんな事を言っている校内の女子生徒たちに、いっそこの姿をみせてやりたいものですね。
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