kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

名古屋ボストン美術館「吉田博 木版画展」

2017年02月24日 | 展覧会
「名古屋ボストン美術館 吉田博 木版画展」



マカロニ大会が開催される名古屋市金山にある「名古屋市ボストン美術館」。大会時にはいつも近くを通りながら、なかなか立寄れない。
というのもマカロニ大会当日は自発的積極的に「酔いつぶれているガンマン」を演じているため、帰るので精一杯・・・。

という過去の反省を踏まえ、今年はマカロニ大会前に美術館に乗り込むことにした。

吉田博については、勉強不足で全然知らなかったのだが、版画は好きなのでそれだけで見る価値があるし、風景画という点も嬉しい。

いずれの作品も美しい色彩と構図で、とても戦前に製作された作品とは思えない。繊細なグラデーションなど版画と言われなければ、水彩画と思ってしまうかも知れない。本物が素晴らしすぎるだけに、あえて図録を買うかどうか悩むところ。



グランドキャニオンや山あいを描いた作品も良いのだが、そんな中でも一番感動したのは、瀬戸内海集。
見慣れた光景なのに、版画で表現されるとまたこれまでにない風景に見える。丸刀の彫りで海面のきらめきを表現しているところなどは素晴らしいの一言。同じ版木でも摺り色を変えることで、瀬戸内海の一日の変化を表現した連作も見ていて楽しい。

心に触れるもう一つの要因が、描かれているのが帆掛け舟であること。「この世界の片隅に」そのままの時代、世界で、あの人たちが見ていた世界なんだなぁとも感動した。

再入館して瀬戸内海集だけ見なおした時に気付いたのだが、「光る海」など見事な構図だが、非常に視点が高い。マストの上か、海岸沿いの崖の上から描かないとこの構図にはならない。また、瀬戸内海なのに遠景には全然島影が見えない。描かれたのはいずこなのだろうかと、非常に興味を惹かれた。



国内の名所を描いた作品では、ほとんどの作品で人物も一緒に描かれている。「東海道五十三次」を見た時、必ず人物が描かれていることに「日本で最初の観光パンフレット」を意識したが、その精神が引き継がれているかののようで嬉しくなってしまった。

結局、図録はマカロニ大会の荷物の多さに負けてしまい、後日ネットで買うことにしたのだが・・・ううう、予想以上に高いぞお。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 虐殺器官 | トップ | ラ・ラ・ランド »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

展覧会」カテゴリの最新記事