久しぶりの電話

暖かく風の無い一日だった。

こういう日は、花たちも蕾ふくらませ、背伸びしているよう。
咲いている花たちは、はな歌まじりで喜んでいる。

7年前位、一緒に入院していた友人から突然電話があった。
年賀状の交換はしているのだが…

手術してない方の膝が痛くなっちゃって…
リウマチではない、Ｏ脚のせい。

明るい性格で、いろんなことに好奇心がある。
都内の老舗の蕎麦屋さんの奥さんで働き者。
以前は大森の病院の前の店をやっていたのだが、区画整理で大森を引き払い、神田のご主人がやっている店の方へ引っ越して行った。

病院に行った時は、昼ご飯をよく食べに行った。

店内は大学の学生もたくさんいて、昼を過ぎると満席だった。

それでも私が行くと満面の笑みで話かけてきた。

メニューが豊富で、「こんなにできるの」と訊いたこともある。


「Ｓ教授はまだいるの?」

「まだ、いるよ。65歳定年だもの。
今、61歳位かなあ…
ただ、教授になって、忙しそうで午後２時過ぎると代診の先生になるのよ」

彼女の声は元気だ。私も顔だけは元気なのよね。

かかりつけの医師が辞めると困る。
整形のS教授の信頼は厚く、
友人は「退職前に悪いところを全部、手術してもらおう」とまで言っている。
私も同じ気持ちだ。