加奈子のたららん うたレシピ♪

歌い手、声楽講師として活動中♪ 音楽のこと、日々のことをマイペースに綴っております。

アンサンブルの愉しみ vol.2 ーおとあわせ こえあわせー ④

2017-09-23 | うた♪
アンサンブルの愉しみ vol.2
ーおとあわせ こえあわせー 
 
 
プログラムの第2部「ドイツ・ロマン派のうた」で演奏致します
J.ブラームスの≪愛の歌 op.52≫
原題が Liebeslieder Waltzer op.52 と言います。
つまり、ワルツ集なのです
 
18曲の構成で、18曲全曲がワルツ。
それだけ聞くと間違いなく
「え~ ワルツ? 18曲も? 飽きるし・・・ ウェップ(;´Д`)」
となります。
 
が、そうならないのが素晴らしいところ。
ブラームス、やっぱり天才
 
この作曲をされたのが1869年。
J.ブラームスが36歳のときです。
 
ブラームスが心から尊敬していたシューマン。
その奥さんであるクララとブラームスは
お互いの才能を認め合い、支え合い、信頼し合い、
そんな中で恋愛にも似た感情が芽生えたのでは? と思えるような
微妙な関係であったことが伺えます。
長い期間の手紙のやり取りで「あなた」 が「キミ」  に変化。
 
シューマンが生前から
妻クララとブラームスの精神的な強い繋がりを
感じ取っていたのかどうか。
そこは不明だと言われていますが…
クララとブラームスは「キミ」の関係なわけで
生涯一緒になることはなくても
お互いに支え合っていた ふたり。
 
≪愛の歌 op.52≫(18曲全曲)の初演は
ブラームスとクララの連弾+四人の歌い手だったそうです。
 
ブラームスは作曲すると、誰よりも先に
クララに作品を見せ
クララもそれを望んだと言われています。
 
きっと、この≪愛の歌 op.52≫も
最初にクララが目にし
ブラームスはクララと弾くことを想定して
書いたのだろうと思わずにはいられません。
 
J.シュトラウスⅡのような  キラッキラ
軽やかで 華やかなワルツではないけれど
ブラームスのワルツは甘さだけではない
愛の苦しさや、重さ、切なさ。
穏やかな愛や時に激しい愛情を
強く強く感じるのです。
 
 
「愛は甘いだけじゃないんだよ」と
しかめっ面のブラームスが言っているようです。
 
 
J.Brahms