加賀乙彦著『悪魔のささやき』 / 瀬戸内寂聴著『手毬』 2006-08-25 | 日録 〈来栖の独白 2006-08-25〉 注文しておいた『手毬』(瀬戸内寂聴著)を正文館書店へ受け取りに行って、加賀乙彦さんの『悪魔のささやき』も買った。 この夏、私は、瀬戸内さんの『釈迦』を涙の中で読んだ。繰り返し読んだ。涙は、瀬戸内さんの眼の確かさ、人間存在へ寄せるやさしさ、いたわり、至高の文体に対して、しばしば流れた。彼女が出家したとき、もうこれで作家としての生命は終わったか、と私は思った。しか . . . 本文を読む