<石巻3人殺傷>元少年への死刑 妥当性焦点 最高裁第1小法廷は2016/6/16判決を言い渡す

2016-06-16 | 少年 社会

<石巻3人殺傷>元少年への死刑 妥当性焦点
 宮城県石巻市で2010年、3人を殺傷したなどとして殺人罪などに問われ、一、二審で死刑判決を受けた男の被告(24)の上告審で、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は16日、判決を言い渡す。裁判員裁判で初めて、犯行当時18歳7カ月だった元解体工の少年に死刑が言い渡された事件。更生の可能性や当時少年だった被告に死刑を適用する妥当性を最高裁がどう判断するかが焦点となる。
 今年4月に始まった上告審で、弁護側は「犯行当時は精神的に未熟で、更生の可能性がある」として死刑回避を主張。検察側は「計画的で強い殺意があり、年齢を考慮しても死刑は避けられない」と反論した。
 仙台地裁は10年11月、最高裁が1983年に示した「永山基準」=?=に沿って量刑を検討。「犯行態様の残虐さや被害結果の重大性からすれば被告の罪責は誠に重大。極刑を回避すべき事情があるとは評価できない」として求刑通り死刑を言い渡した。仙台高裁も支持し弁護側が上告した。
 永山基準は、死刑を「やむを得ない場合」と原則例外としてきた。一方、06年の山口県光市母子殺害事件・第1次上告審判決は「特に酌量すべき事情がない限り死刑を選択するほかない」と、死刑の例外扱いを変更したとする見方があり、今回の最高裁の判断が注目される。
 一審は初公判から5日間で結審。生育歴などを調査した社会記録はごく一部しか審理されなかった。分かりやすさを目指す裁判員裁判で、更生可能性を慎重に分析する必要がある少年事件の審理をどう進めるかが論議を呼んだ。
 九州大の武内謙治教授(刑事政策)は「光市事件は永山基準を実質的に変更し、石巻事件もこれを踏襲してきた。事件の背景に踏み込まず、犯罪の外形的事実だけを審理した印象があり、裁判員裁判の今後の在り方に影響するのではないか」と解説する。
 仙台地、高裁判決によると、被告は10年2月10日朝、共犯の男=当時(17)、殺人ほう助罪などで有罪確定=と石巻市の民家に押し入り、交際女性の姉南部美沙さん=同(20)=と友人の大森実可子さん=同(18)=を刺殺。居合わせた南部さんの知人男性(26)にも大けがをさせ、交際女性を連れ去った。
[永山基準]連続4人射殺事件の永山則夫元死刑囚=事件当時(19)、1997年8月執行=の第1次上告審判決で、最高裁が示した。(1)犯罪の性質(2)動機(3)殺害方法(4)殺害された被害者数(5)遺族感情(6)社会的影響(7)年齢(8)前科(9)犯行後の情状-を考察し、刑事責任が極めて重大で、罪と刑罰の均衡や犯罪予防の観点からやむを得ない場合に死刑が許されるとした。
 2016年06月15日水曜日

 ◎上記事は[河北新報]からの転載・引用です
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石巻3人殺傷、元少年「二つの気持ち」 最高裁判決へ
 朝日新聞デジタル 市川美亜子、船崎桜 2016年6月13日23時32分
 市民が加わった裁判員裁判で少年に言い渡された死刑判決について、最高裁が16日、初めての判断を示す。2010年に宮城県石巻市で元交際相手の姉ら2人を殺害、1人に重傷を負わせたとして、殺人罪などに問われた元少年(24)。上告審判決を前に10日、被告が仙台拘置支所で朝日新聞記者の面会に応じ、思いを語った。
 「二つの気持ちが交ざり合っていて、複雑です」
 被告は少し長めの黒髪で、ストライプのシャツに紺のベスト姿。時折考え込みながら、記者の目を見て話した。「大切な人を失った遺族の気持ちになれば、俺も同じ目に遭うべきだ、という怒りは当然だと思う。逆に、この6年、手を差し伸べてくれた人たちと積み重ねてきた日々を思うと、再起したいという気持ちもある」
 一、二審の判決などによると、被告は複雑な家庭環境で育った。母親から暴力を受け、食事を与えられなかったことも。「子どものころから、心の内を話せる相手はいなかった」
 拘置所では、弁護士や支援者と事件の原因を考えてきた。「他人が、こんな自分のために一生懸命になってくれる。俺にとっては、温かい時間だった」「傷つけられたから、自分が傷つけ返して、また傷つけ返されるというループ(連鎖)から、もう抜け出したい

 ◎上記事は[朝日新聞デジタル]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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少年に死刑判決「石巻3人殺傷事件」 仙台高裁 控訴棄却 2014/1/31 …二審の役割果たしたか
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