「歯医者に行けないから歯がない」桐島容疑者を名乗る男の半世紀にわたる足取りとは…【news23】
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48年前に指名手配された桐島聡容疑者を名乗り、29日に死亡が確認された男。10年ほど前に撮影された写真では、ビールを片手にとても穏やかな笑顔を見せています。半世紀近くにわたる逃亡生活では、どこで、一体なにをしていたのでしょうか。
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■男は語った…48年間「一人で逃亡していた」
ビールジョッキを片手に笑みを浮かべる男の写真。 「自分は桐島聡です」と名乗り、29日、入院先で死亡した男です。 10年ほど前に“行きつけ”の飲食店で撮影されました。 桐島 容疑者の指名手配写真と比べると、眼鏡のデザインが似ているようにも見えます。 過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、桐島聡 容疑者は、1975年に起きた「韓国産業経済研究所」爆破事件に関与した疑いが持たれていて、逃亡期間は「48年」と、重要指名手配犯の中では「最長」です。 桐島 容疑者と名乗った男は、長い逃亡生活について、次のような趣旨の内容を話していました。 桐島 容疑者とみられる男(警視庁の聴取に対し) 「一人で逃亡していた」 男は、世間を震撼させた事件の容疑者なのか。 そして、半世紀近くもの間、一体「どこで」「何を」していたのでしょうか。
■“うっちー”と愛称で呼ばれ、銭湯や飲食店には顔なじみも
長い逃亡生活は、桐島 容疑者が21歳のときに始まりました。 神奈川県藤沢市に実家がある男性が、男の姿を最初に見たのは、「40年くらい前」だったそうです。 近所に住んでいた人 「(桐島 容疑者とみられる男が)30歳くらいかな。あんちゃんという感じで、自動販売機の返却口とかによく手を入れて、じゃら銭を探しているのを何度か見たときに、あれ、お金に困ってんのかな、って。それは何度か目撃して」 男は、藤沢市内の工務店に、住み込みで働いていました。 そして、自身の名前を「内田洋」と名乗ったのです。 男は、“うっちー”、“うーやん”と愛称で呼ばれ、周囲に溶け込んでいきます。 10年以上通っていた銭湯で、顔なじみもできました。
銭湯の常連客
「いつもニコニコしている。優しそうな感じの人だった」 知人に囲まれながら撮影された写真では、“満面の笑み”。
さらに、常連だった飲食店で、祝い事があれば、自分が持っていた映画のビデオテープやDVDを相手に贈ったこともあったといいます。 また「結婚したい」「子どもがほしい」とも話していたそうです。 ただ、不便もあったようで、店の従業員は…
飲食店の従業員 「歯医者も行けないから、ほとんど歯もない。食べるのも、めちゃくちゃ柔らかいものしか食べない。豚の角煮とか」
店では、こんな一面も…
飲食店の従業員
「(どの国のことか不明だが)政治の話もするし、それに対し『あいつらパーだから』みたいな会話をした。そのときに、他のお客さんと喧嘩した。人種の話になったときに、グワーってなった」
■聴取に対し「事件について後悔している」
広島県出身の桐島 容疑者。
桐島 容疑者とみられる男は、自身の出身地について…
飲食店の従業員
「生まれた場所が、広島に限りなく近い岡山だったらしい。故郷の話をするときは、寂しそうな顔をするから、私たちは(故郷が)無くなって寂しいのかと思っていた」
捜査関係者によれば、桐島 容疑者の親族は、男の遺体の引き取りを拒否しているといいます。
「最期は本名で迎えたかった」と話していた男は、次のような趣旨のことを話したそうです。 桐島 容疑者とみられる男(警視庁の聴取に対し)
「事件について後悔している」
現在、桐島 容疑者の、複数の親族から提供されたDNA型と、照合が進められていますが、警視庁は、男が桐島 容疑者と特定された場合、容疑者死亡のまま書類送検する方針です。
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