「土浦連続殺傷事件」金川真大死刑囚を分析 東海学院大・長谷川博一教授 (毎日新聞 2010年1月6日)

2010-01-07 | 死刑/重刑/生命犯

土浦の9人殺傷:死刑確定 東海学院大・長谷川教授、金川死刑囚を分析 /茨城
 ◇「心の奥に負の感情」
 土浦市のJR荒川沖駅通り魔事件は、死刑判決を受けた金川真大(まさひろ)死刑囚(26)が謝罪や死刑への恐怖心を示さないまま、5日午前0時に判決が確定した。弁護士を除くと、死刑確定前の最後に金川死刑囚と面会した長谷川博一・東海学院大教授(臨床心理学)は「恐怖や寂しさなど自覚していない負の感情が、実際には心の奥に眠っている」と深層心理を分析。「感情を回復して罪と向き合うことができれば、被害者を思いやる気持ちが出てくる可能性がある」と指摘した。【原田啓之】
 長谷川教授は昨年5月から金川死刑囚と手紙のやりとりをはじめ、8月に1度目の面会をした。長谷川教授が100の単語を読み上げ、金川死刑囚が連想する言葉を回答する検査などを行った。
 長谷川教授によると検査の結果、金川死刑囚には、無意識的に負の感情をなかったことにする傾向が確認された。「自分の心を崩壊から守るために働く機能で、児童虐待などを受けていた人に特有の反応」という。「幼少期に親に構ってもらいたいと思っても、家族関係が希薄で要求が満たされなかった。寂しさに押しつぶされないよう、寂しさをないものとする心の働きが自然と身についたのではないか」と分析した。
 長谷川教授は判決確定前日の4日午前、水戸拘置支所で2度目の面会をした。心理検査の分析結果を伝えて「交流のない家で育ったことが原因だ」と指摘すると、金川死刑囚は「普通(の家庭)ですよ」と最初は反論したが、「そういう家庭で育ったから、それが当たり前だと思ってしまう。20年以上前に戻れるならなんとかしてあげたい」と続けると、「そうですね」とうなずきながら目を潤ませ、足をつねるような仕草をしたという。
 長谷川教授は「こみ上げる感情を自覚してはいけないと、葛藤(かっとう)しているように見えた」という。「今の状態で反省を求めても難しい。自分の感情を自分で受け止めることができて初めて、他人の感情を理解できる」と話す。
 長谷川教授は大阪・池田小事件の宅間守元死刑囚に判決確定後、面会を続けた経験がある。今後も対話を続けられるよう金川死刑囚と拘置所に働き掛ける予定だ。
 ◇謝罪なく「確定」 被害者、思い複雑
 事件の被害者は金川死刑囚が謝罪を示さないまま判決を確定させたことについて、複雑な思いを吐露した。
 JR荒川沖駅でのどを切られ15針縫った土浦市、岡田好充さん(53)は「謝罪の言葉は期待しない」とあきらめの言葉を漏らした。一方で、「思い通りにならないよう長くいてほしい。年をとれば人は変わるから。少しでも長く獄中にいれば謝罪があるかもしれないとは思う」とかすかな期待をにじませた。【杣谷健太】毎日新聞 2010年1月6日 地方版

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