神戸児童殺傷事件 元少年Aの実名掲載「公衆の正当な関心の対象だ」…『週刊ポスト』2015.9.25/10.2合併号

2015-09-14 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

〈来栖の独白〉
 『週刊ポスト』は2015.9.25/10.2合併号(9月14日発売)に【少年A「実名」「顔写真」を公開する】としているが、実名はネット上で古くから流布されてきたそれであり、顔写真も(流布されてきた)事件当時のもの(少年の顔)である。そして、以下。

 「東は社会復帰後、氏名ともに変えて生活している。浜松のアパートで4年ほど暮らしていたそうですが、現在は都内に居を移しているそうです。改名した名前でパスポートも取得してると聞いています」(法務省関係者)

 これを元少年Aが読めば、ホッと胸を撫で下ろすのではなかろうか。現状ではAのほうが勝っている。が、Aに心休まるひと時など、ないのではないか。緊張を強いられる毎日だろう。けれども、やむに已まれず決断した道だ。HPの設置は、私には自滅への道としか思えないが、Aにはそれしかなかったのだろう。見城徹氏へ宛てた手紙に、次のように云っている。

 《私には四十歳までに何としても実現したい具体的なヴィジョンがあります。そのために、この暑苦しい「普通の羊」の着ぐるみを脱ぎ捨て、9年ものあいだ封じ込めていた“異端の本性”を呼び覚まし、精神をトップギアに入れ、命を加速させ、脇目もふらず死に物狂いで「一番肝心な」三十代を疾走してやろうと決めたのです》
 《私にあるのは、研ぎ澄まされた感性の触角と、ふてぶてしいまでの生命力と、荒ぶる“表現の本能”だけです。私はそれらを武器に、破滅を覚悟で人生最大のロシアン・ルーレットに挑むことにしました。したり顔の見も知らぬ他人に様々なかたちで蹂躙され、搾取されてきた自らの物語を自らの言葉で奪い返さないことには、私は前にも後ろにも横にも斜めにも一歩も動き出すことができないのです》

 自己顕示欲求が満たされない時、自滅へ向かって走るだろう。精神の緊張、圧迫、不安定は、日毎に増しているに違いない。安らぐことは、ない。
 それにしても、私にはAの両親が哀れでならない。18年前さながらに、息をつめるように1日1日をやり過ごしているに違いない。Aには、この家族の事を考えてやって欲しい。
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 産経ニュース 2015.9.14 07:41更新
週刊ポスト、神戸児童殺傷事件の元少年Aの実名掲載 「公衆の正当な関心の対象だ」
 神戸市で平成9年に起きた連続児童殺傷事件に関して、14日発行・発売の「週刊ポスト」(小学館)が、加害男性の元少年Aの当時の顔写真と、実名を明らかにしたとする記事を掲載していることが同日分かった。
 記事は、元少年Aが事件を起こすまでの経緯や現在の心境をつづった手記を出版したことなどに触れ、その内容について犯罪学者らによる分析を載せている。
 掲載した理由は「(元少年Aの)氏名を含めたあらゆる言動は公衆の正当な関心の対象であり、現在進行形の事件の論評材料となる」と記した。
 元少年Aは14歳だった平成9年に神戸市須磨区で小学生5人を襲い、4年の山下彩花ちゃん=当時(10)=と6年の土師淳君=同(11)=を殺害したなどとして兵庫県警に逮捕され、17年に医療少年院を本退院した。
 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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元少年Aの両親の代理人弁護士の言葉には無念が滲む「ご遺族に申し訳ない」…『週刊文春』2015年9月17日号 
神戸連続児童殺傷事件 元少年A 達成したいビジョンあり 公式ホームページで公開した自作イラストと全裸写真 


神戸児童連続殺傷:加害元少年の実名掲載…週刊ポスト
 毎日新聞 2015年09月14日 11時14分(最終更新 09月14日 13時23分)
 1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件の加害男性(33)=当時14歳=を巡り、14日発行・発売の「週刊ポスト」(小学館)が、事件当時のものとみられる男性の顔写真や実名を掲載した。
 男性は今年6月に事件までの経緯や今の心境をつづった手記を出版し、遺族が本の回収を求め抗議。その後、男性が近況などをつづったとみられるホームページが公開された。
 同誌は記事で「(男性は)現在起こっている重大な社会的関心事の当事者である。少年法で守られる必要があった18年前とは違う」と主張している。
 男性は97年2〜5月に小学生5人を襲って2人を殺害し、3人に重軽傷を負わせた。医療少年院に収容され、2004年3月に仮退院。05年1月に本退院し、社会復帰した。
 同誌は14日、毎日新聞の取材に飯田昌宏編集長名で「彼は事件の手記を発表しただけでなく、複数の週刊誌に手記出版の経緯を記した手紙を掲載を前提に送りつけた。ホームページを開設し自ら情報発信を始めている。彼の氏名を含めたあらゆる言動は公衆の正当な関心の対象で、論評材料となると考えた」とのコメントを出した。
■大げさなだけ…篠田博之・月刊誌「創」編集長の話
 週刊ポストの記事は、昔の顔写真や変更前とされる本名をあげつらうだけで、大げさな見出しの割に問題提起になっていない。一方で今回の問題は、更生によって犯罪を乗り越えるという少年法の理念が実態に合っているかを議論する、格好の機会だろう。
■少年法に違反…後藤弘子・千葉大教授(少年法)の話
 事件当時の顔写真や氏名の掲載は少年法61条に違反しているし、意義のあるものとは思えない。本人の情報発信から支援の必要性を読み取る必要がある。メディアは本人の情報をさらすのではなく、彼を再犯から遠ざけるために何をすべきかを考え、支援のために必要な情報を発信する責任がある。
■マスコミ自身がルールを…沢登俊雄・国学院大名誉教授(少年法)の話
 元少年の顔写真と本名の掲載は少年法61条の趣旨に反し、違法だと思う。こうした実名報道がしばしば起こるのは61条に罰則規定がないためで、匿名報道は事実上、マスコミの自己規制に委ねられている。その規制自体が整っておらず、進歩がない。少年事件の報道のあり方を規制する一定のルールをマスコミ自身が考えるべきだ。
 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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『絶歌』への反発はなぜこれほど広がったのか 篠田博之(2015/7/4)


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