元少年Aの両親の代理人弁護士の言葉には無念が滲む「ご遺族に申し訳ない」…『週刊文春』2015年9月17日号

2015-09-13 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

少年Aから本誌への手紙 『週刊文春』2015年9月17日号より抜粋
p32~
両親は「ご遺族に申し訳ない」
 手紙の内容やHP開設を、Aの両親や被害者遺族はどう受けとめるのか。
 Aの両親の代理人弁護士の言葉には無念がにじむ。
「この手紙には、被害者遺族との関係を思い悩んだ形跡がない。被害者のことなど何とも思っていないんじゃないでしょうか。特に問題なのがHPです。事件から何も変わっていないと言われても仕方がない。
 これまで書いてきた手紙も結果としてはすべて遺族を欺いたものだったと言わざるを得ない。Aなりにいろんな本を読み、遺族の心情を見透かし、こう書けば遺族はこう思うだろうと想定して騙してきたんでしょう」
 Aが遺族に宛てた手紙の文面に、明らかな贖罪の意識が表れ始めたのは3年前だったという。それはAが『絶歌』出版を見据えて見城氏に接触を図った時期と一致している。
p33~
 「『絶歌』発売以来、最悪の結果としてこういうこともあり得るのではないかと危惧していました。Aは自己顕示欲の強さを隠すことをもうやめたんでしょう。自分を見世物にして、遺族を含め、事件を売り物にして生きてゆくという選択をしたということです。
 Aの両親にも知らせましたが、『絶歌』の時から何がどうなっているのか全く分からず、非常に困惑しています。ひたすらご遺族に対して本当に申し訳ないと。
 そろそろ太田出版を通じてA本人に出版の真意を問い質すべく、会う機会を作るよう申し入れをしようと考えていたところでした。直接会ってこうした動きを止めたかった・・・」(同前)
 本誌は、遺族にもAからの手紙やHP開設について、関係者や手紙を通じて連絡した。返答はなかったが、遺族の知人はこう語る。
「遺族は今年の命日にAから届いた手紙を読んで『本当に反省しているのかな、信用していいのかな』と思っていた。その矢先に『絶歌』出版を知らされた。
 これまで届いた謝罪の手紙を見ながら、どこか騙されているのではないかという思いを払拭できないでいた。今年は信じようと思い始めたところだったんです。時間を掛けて遺族を信用させ、手のひら返しをしてそれをぶち壊したということです。
 Aは人の感情を意図的に操作して、二度殺人を犯したようなものです」(略)
 本誌に届いた手紙の消印は「8月29日 岡谷」。現在、都内に居住しているとみられるAが、長野県の岡谷郵便局からこの手紙を郵送したと思われる。またDVD-Rに保存されたワードファイルの「更新日時」は8月19日19時49分となっており、手紙の完成から十日を経て郵送したことになる。Aは同じ手紙を「週刊新潮」、「女性セブン」、朝日新聞などにも送っているという。
 Aは、1997年、二人の児童を殺害した後、神戸新聞社に犯行声明の手紙を送った。そこでは、こう綴っている。
〈最後に一言
 この手紙に書いた文でおおよそ理解して頂けたとは思うが、ボクは自分自身の存在に対して人並み以上の執着心を持っている。よって自分の名前が読み間違えられたり、自分の存在が汚される事には我慢ならないのである〉
 今回の手紙にも、こんな記述がある。
〈したり顔の見も知らぬ他人に様々なかたちで蹂躙され、搾取されてきた自らの物語を、自らの言葉で奪い返さないことには、私は前にも後ろにも横にも斜めにも一歩も動き出すことができないのです〉
 そして、Aは『絶歌』を出版し、「公式」と冠するHPを作った。そこから滲み出るのは、犯罪者として獲得した「少年A」という称号への強烈な執着である。
 いまもこの国のどこかで何食わぬ顔でHP制作に没頭している「元少年A」は、日本犯罪史上に残る凶悪事件を引き起こした十四歳の「少年A」から何一つ変わっていないのだ。

  *『週刊文春 2015年9月17日号』より書き写し(=来栖)


週刊文春デジタル
2015-09-10 05:00
 本誌には毎日たくさんの情報提供の封書が寄せられますが、さすがにこの一通には武者震いがしました。担当したKデスクとも顔を見合せ、「さあゲームの始まりです」という言葉が思わず口をついて出ました。
『少年Aから本誌への手紙』では、8月31日に編集部宛に届いた、神戸連続児童殺傷事件の犯人、元少年Aからの手紙をほぼ全文にわたって紹介しています。
 Kデスク、O記者以下、取材班の面々は、まず、A4用紙20枚、2万3千字に及ぶこの手紙がはたして本物なのか、を確認する作業に取りかかりました。
 手紙は、本誌6月25日号が報じた『少年A「手記」出版 禁断の全真相』への反論を目的として書かれたものでした。この記事は、『絶歌』出版のきっかけを作った幻冬舎の見城徹社長へのインタビューを基に作られたものです。
 本誌に届いた手紙が本物だと確信させてくれたのは、見城氏がAから受け取っていた手紙でした。KデスクとO記者は、見城氏への取材の際、手紙の文面を子細に聞き取り、その一部を記事で紹介しました。今回本誌に届いた手紙には、それが全文再録されていました。そこには、本誌が把握していて、記事に書かなかった部分が記されていたのです。この“秘密の暴露”が大きな決め手となりました。
 さて肝心の手紙の内容はといえば、歪んだ自意識と過激な攻撃性に満ちたものでした。ターゲットとなったのが見城氏です。自分は見城氏に捨てられたと思い込み、被害妄想を募らせたあげくに、激しく誹謗中傷しています。
〈見城氏はいろいろな場所でG(義理)N(人情)O(恩返し)こそが自分の信念であるとのたまっていますが、彼が“GNO”を貫くのはどうやら政治家、企業家、芸能人限定のようです。相手が物を言えない元犯罪者であれば、尻を拭って便所に流してしまえば一件落着というわけです〉
 何より驚かされたのは、手紙の最後にひときわ大きな活字で、〈重要なお知らせ〉として、「元少年A公式ホームページ」の開設を告知していることです。
 その中身はおぞましいものでした。本物のナメクジを使ったビジュアル表現の数々は、まるで悪夢を見ているような気分にさせられます。
 元少年Aは本当に更生したのでしょうか? 彼がいまも日本のどこかで匿名の存在として日常生活を送っていることに、強い違和感を覚えます。
「週刊文春」編集長 新谷 学

 ◎上記事は[週刊文春デジタル]からの転載・引用です
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神戸連続児童殺傷事件 元少年A 公式サイト『存在の耐えられない透明さ』の “ムキムキ肉体となめくじ”写真 

    

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